前回のポスティングでは就任初日に発令された多くの大統領令に触れた。って言ってもタイトルの意訳程度だったけど、大統領令のカバレッジの広さは伝わったと思う。大統領令の数、Scopeには国中で(世界も)仰天だったけど、同時に多くの記者会見、イベント、3つの夕食、その後も引き続きアクティブでハリケーンの被害が大きかったNorth Carolina、山火事のCaliforniaに飛んで現地視察。North CarolinaからL.A.って米国内移動だけど、通常、飛行機で5時間くらい掛かるから東京からバンコック行くのと同じだからね。で、California視察後はその足でNevadaに行き夜のイベント、と心身ともにどうやったらあのレベルのエネルギーを維持し続けられるのかな~ってそっちも知りたいよね。食品オタクのRFK Jr.が「選挙活動で目が回るようなスケジュールの中、ジェットの機内でKFCやMcDonnald食べたりしてる」って驚いてた。トランプはTeetotalerで一切お酒を飲まないけどそれで健康維持してるのかな。単に遺伝子のおかげ?または信念みたいなメンタルなのかな?
で、大統領令に関して、タックスの観点からは、IRSの新規雇用フリーズや財務省規則の見直し・新規公表一旦停止、等に加え、OECD「Global Tax Deal」拒絶が含まれている。また同時に公表された別の大統領令「America First Trade Policy」にもGlobal Tax Dealに対する厳しい省庁への指示が含まれている。
優先順位の高さと議会とのコーディネートにビックリ
Global Tax Dealにかかわる大統領令の内容そのものは選挙で共和党が勝利するとこんなことが想定されるって前から書いてた通りなんで、大枠は想定の範囲内って言えるけど、驚くべき点はOECDのGlobal Tax Dealに対する大統領令が就任初日に他の超大御所令と肩を並べて発令されてる点。Southern Borderの国境警備と同列ってことは相当な優先順位の高さを物語ってる。別の大統領令でSouthern Border(カナダとのNorthern Borderもだけど)のオープンボーダーは国家主権に対する物理的な侵略と位置付けられてるけど、国外の団体が先導して米国所得に本来法的管轄権がないであろう他国が課税するのは法的な侵略って考えれば同列なのかもね。America First Policyは多面的に国家主権復活を目指す政策と考えれば優先順位の高さの理由も分かる。
またGlobal Tax Dealにかかわる大統領令が発令された就任初日の翌日1月21日には下院歳入委員会が報復法案(Defending American Jobs and Investment Act。Section 899新設)を再提出してる。このタイミングも興味深い。大統領令とほぼ同時に法案が出るっていうことは、Global Tax Deal対抗策に関して議会と行政府間のコーディネートが徹底してることが計り知れる。さらに財務長官候補のScott Bessentも1月20日直前に行われた公聴会でGlobal Tax Dealにかかわる質問を受け、新政権誕生前に急いで既成事実を作ろうとしたり、法律を導入したりする国は重大な過ちをおかしている、と一刀両断だったもんね。米国議会・行政府が一枚岩になって反対してる点がよく分かる。
Global Tax Deal大統領令
「The Organization for Economic Co-operation and Development (OECD) Global Tax Deal (Global Tax Deal)」シンプルに略して「Global Tax Deal」と題された大統領令は財務省長官(もうすぐ承認されるはずのScott Bessent)、USTR(こちらも承認待ちのJamieson Greer)宛て。内容は他の大統領令同様に単刀直入。全ての大統領令に共通だけど歯に衣着せぬ表現で何を目指しているか分かり易い。
で、まずは前文と言うか総合的な宣言。「前政権(バイデン・イエレン)がサポートしていたOECDのGlobal Tax Dealは米国の所得に諸外国が域外課税するばかりでなく、米国議会が自国ビジネスや一般市民の利益を念頭に税制を立法化する権利を侵害している。諸外国の政策目的に米国が同調しないからという理由で、Global Tax Dealおよびその他の差別的な税法習慣により、米国企業が報復課税を受ける可能性があり、当大統領令はGlobal Tax Dealは米国においては何の法的効果も影響もない点を明確にし、米国の国家主権および経済的な競争力を取り戻す。」と。
で、その後に具体的なアクションが来る。Section 1だ。
財務省長官およびOECD米国代表はOECDに「前政権が表明していたGlobal Tax Dealへのコミットメントは議会の立法化なくして効力・効果は一切持たない」と告知するよう指示。この点は告知するまでもなく連邦憲法の三権分立で最初から明らかだし、そんな初歩的なことはOECDも当然知っているはずなんで、ここまで米国議会の承認を得ることなく事を進めてしまった点はBEPS 2.0手続き上の失態。世界で時間の無駄っていうか、既成事実を作り上げた上でUTPRとかで世界規模で脅迫すれば米国議会も降参するだろうっていう前提だったのかな。そうならない可能性も当然ある訳だからリスク管理的にそのアプローチはどうなんだろうか。やっぱりParliamentary制度とCongress制度の違いは頭では理解されてても体感できてなかったっていうことなのかな。う~ん、そんなことは連邦憲法101だからおかしいよね。バイデン政権・イエレン長官も議会のバックアップなく空約束してしまったんで米国側の落ち度も大。っていろいろ言ってもこの期に及んでは後の祭り。でSection 1は「財務省長官、USTRは当大統領令の措置を法的に有する権限を使い施行すること」と指示している。
で、具体的な対処法オプションが「Options for Protection from Discriminatory and Extraterritorial Tax Measures 」というタイトルのSection 2。
この「Discriminatory and Extraterritorial Tax Measures」っていう用語だけど、タイトルの「and」は一見Misleadingに見えるかも。ここの意味は「or」が近く、大統領令本文では「or」になってる。ただ、本文は特定の国が「Discriminatory」または「Extraterritorial」な法律を可決または用意しているかっていう判断をする文脈で「or」が使用され、タイトルは「Discriminatory」および「Extraterritorial」のどちらにしても、そんな法律を可決または用意している国への対処オプションっていう文脈で「and」となっているんだろう。
英語を外国語として勉強する際、例えば字数の多い単語(「Pneumonoultramicroscopicsilicovolcanoconiosis」がいつも出てくるよね!)を覚えたり、時制の一致を間違えないようにとか、単数・複数とかいろいろチャレンジがあるけど、実はこの一見Innocuousな「and」と「or」の解釈とかが日常一つのチャレンジ。特に法文解釈時にはね。もう一つInnocuous-ishなチャレンジは何と言っても「a」と「the」の違い。これはNative Speakerだと何も考えずに自然に(おそらくグラマーとかの理論は知らないでも)ほぼ本能的に使い分けてるように見えるけど、外国語として英語を習う際の最大ポイントのひとつ。こちらも特に法律の世界では雲泥の差になるからね。古いけどDuran Duranの「Hungry Like the Wolf」がなぜ「the Wolf」で「a Wolf」じゃないんだろう、とか昔ずいぶんと考えたもの。そんなのどっちでもいいじゃんって思うかもしれないけど最初に聞いた時、当然文脈的に「a」だろうと思ってたんだけど「the」に聞こえるんで、FMから録音したカセット(笑)巻き戻して(「再生」ボタン押したまま「巻き戻し」も押すと数秒戻るんだよね。中学の頃宝物だったアクタスFU使ってギターソロコピーする際にこの技使い過ぎてついにこわれてしまった(あんなに大事にしてたのに~。どうしよう~(大笑))何回か聞き直したけど「the」にしか聞こえない。もちろんインターネットでLyricsを検索するなんてことは更に15年とか待たないとあり得ない利便だしね。で、the Wolfってことは単にランダムなWolf(すなわちa Wolf)じゃなくて最も強い伝説に出てくるような「あの」Wolf、またはDuran Duran本人たちが醸し出したいイメージ、すなわち俺たちはその辺のWolfたちとは違い最も「危ない奴」なんだぞっていうニュアンスを出すためなんだろうって個人的に結論づけてた。実際にはDuran Duranに聞かないと分かんないんでどうなんでしょうか。単にゴロがいいからかもね。こうやって冷静になって書いてみると皆さんの言う通り本当にどっちでもいいじゃんって感じでした。
The Beatlesの「A Day in the Life」は短いタイトルに「a」と「the」が入っていて使い分けのお手本みたい。Duran Duranとかの話しだったらどっちでも害はないけど、法律はそれで意味が大きく変わるから要注意。
で、New Horizonの世界はこの辺にして、「Discriminatory」や「Extraterritorial」 Taxっていう用語そのものだけど、これらはDSTとかピラー2のように近年出てきた法律を意味する新しいものではなく、1934年(100年近く昔の昭和9年!)に制定されているsection 891(「Doubling of Rates of Tax on Citizens and Corporations of Certain Foreign Countries」)で既に使用されているもの。まさしく大統領令や下院法案section 899そのものの報復措置だ。う~ん、昔からそんなことの繰り返しだったのかって感無量だけど、実はSection 891は実際に発動されたためしはない。1934年当時の懸念は当然DSTとかピラー2ではなく、世界恐慌の混沌とした経済環境で国家間の利害の対立が生じやすく、各国が自国経済保護のため差別的な税制を導入しがちな状況にありこれらにPreemptive的に釘をさすもの。「アンフェアな国際税制習慣から米国を守る」っていう趣旨。え~それって2025年のことじゃん、って感じだよね。
実際に発動されないでもそれが法律にあるだけで抑止効果はあるだろう。Kissingerが昔、効果的な外交は力の均衡(Balance of Power)に基づくって言ってた。すなわち凄みのある軍事力を持ち、その行使を躊躇しない(または実際にたまに行使するとも言ってたような気がする)状況にない限り効果的な外交はできないといういうもの。その経済バージョンがsection 891であり、トランプの関税なんだろう。凄い関税を課す準備があり、その行使を躊躇しない、また実際に実行するっていう状況で外交に臨むって考えるとKissingerのBalance of Powerそのものだよね。
だったら今回は単純にsection 891を史上初で発動させたらいいじゃんって思うかもしれないし、もちろんそのオプションは常にあるんだけど、下院で新たな報復法案「Defending American Jobs and Investment Act」、新設section 899が検討されてる点には重要なポイントがある。この点は後述の「Defending American Jobs and Investment Act」部分で触れる。
Hungry Like 「the」 Wolfとかで興奮し過ぎてチョッと長くなってきたんでSection 2の後半は次回。その後は「America First Trade Policy」大統領令、「Defending American Jobs and Investment Act」、そして上院で以前に提出されていた別の報復法案にもチラッと触れてみたい。
Saturday, January 25, 2025
Wednesday, January 22, 2025
トランプ大統領就任式・大統領令「OECD BEPS 2.0交渉打ち切り?・関税は?」
1月20日の正午の就任式でトランプが正式に大統領に就任して新政権が発足した。下院・上院は先行して119会期が開始してるんでこれで正式に共和党のTrifectaが正式に整ったことになる。
就任式はラリー(集会)とは異なるんでスピーチのトーンは比較的穏やか(?)だったけど、その内容はバイデン、オバマ、クリントンが背後に見守る中、ストレートなものだった。政府や社会にCommon Senseを取り戻しAmerica Firstポリシーを徹底し米国を未だかつて見たことない程の繁栄に導くっていうもの。少なくとも就任式ではスピーチが過激になり過ぎないように周りの取り巻きがControlしたんだろうね。Susie Wilesとか?彼女は裏方に徹してたけど選挙活動中から沈着冷静にチームを管理していたからね。
就任式前日の日曜日は東海岸は雪だったけど当日は青空。とは言え気温は低かったんで急遽、屋外からCapitol(議事堂)内の屋内イベントに転換。屋内の就任式は1909年、1985年(こちらはレーガン)以降歴史上3回目っていうことなんで結構珍しいんだね。Secret Serviceは屋内の方が断然警備が容易なんで喜んでたらしいけど外で歴史的なComebackを一目見ようとDCに集まっていた一般市民はガッカリ。でもNYCでも摂氏で言うとマイナス10度とかだからDCも似たような感じだろうから屋外イベントは厳しいよね。就任式後にバイデンとJillがヘリコプターで去っていく恒例の別れは外で寒そう。ヘリコプターって風を巻き起こすからなおさらね。特にMelaniaとJillは寒そう。
ちなみにJill Bidenの装いはパープルのコート。パープルっていうのは赤(共和党)と青(民主党)を混ぜるとできる色。Jillは11月5日の選挙には赤いコートで投票所に登場し、トランプに投票したに違いないって話題になったけど、今回はどちらでもないパープルだった。中立ってこと?ハリスや元下院議長のペロシとの確執が伝えられる中、苦渋の選択結果でパープルだったのかもね。
大統領令(Executive Order)
就任式後に数多くの大統領令が署名された。就任と同時に大統領府のウェブサイトも更新され、「White House President Donald J. Trump」の名の下に大きく「AMERICA IS BACK」のバナー。トランプは就任式からおそらくランチ前に一旦ホワイトハウスに戻り、政府機能を問題なく継続させるため各省の仮長官等を任命。これらの者は正式な長官が上院承認を得るまでの期間、省庁を司ることになる。
Capital One Arena DCラリー
で、その足でまるでLed Zeppelinが熱狂的ファンが待つMadison Square Gardenに登場したみたいに、Capital One Arena DCに到着。そこでは就任式とはうって変わっていつものトランプ通り毒舌乱発。選挙運動中のラリーのノリで絶好調のスピーチ後は複数の大統領令に署名。ライブ・ストリーミングで見れた範囲で次のような大統領令が含まれてた。
パリ協定脱退およびその旨のUNへの通知。この大統領令にはUNの「Framework Convention on Climate Change」関係に米国の不関与、資金拠出停止、米国の「International Climate Finance Plan」廃案が含まれる。 連邦政府の機能や目的が明確になるまで連邦政府の雇用フリーズ(軍は除く)。 連邦職員の週5日オフィス出勤命令(リモートワーク禁止)。バイデンによる大統領令の78令を弊害として無効化・撤回。不法移民の米国誕生子女に対する市民権付与停止(これは訴訟で実効性未定)。DEIポリシー撤廃・禁止、能力主義の徹底。 生物学に基づく男女2つの性別のみ認知。 国外カルテル・ギャングのテロリスト認定、など広範な領域に亘る。
で署名する大統領令各々に関して簡単な説明があるんだけど、その度に群衆から大喝さいを浴び、署名っていうRock Showになった。
熱狂するファンに昔、Rod Stewartがコンサートのアンコールでサッカーボールをステージから観客にキックしてたみたいに、Capital One Arena DCのイベントでは大統領令に署名したペンを観客に投げ込んで終了。おそらくトランプのサインと「47th President」が刻まれた「Commemorative Pen」だったんだろう。こんな大統領令署名式は歴史始まって以来に違いない。芸人のトランプに好都合なことに、今後4年間はハイプロファイルなイベントが満載。2026年は米国建国250周年祭、1994年以降2度目のFIFA World Cup、そして2028年には1932年、1984年以降3度目のLos Angelesオリンピックがある。Showmanshipに最適な4年間でトランプShowはRock On。
Back to Oval Office
Capital One Arenaのラリー後はまたホワイトハウスに戻り、夜に控える3つの祝賀会ディナーイベント前にさらに大統領令に署名。ここでは記者団に囲まれ、質問に答えながらの署名となった。
正確にここでいくつの大統領令に署名したかはYouTubeの映像からは確実じゃないけど、ホワイトハウスのウェブサイトに記載されているもので先のホワイトハウスおよびCapital One Arenaで署名されたもの以外のはずなんで、次のような内容のはず。形容は非公式に意訳してるんで正式な名称や内容は原文を見てみて欲しい。Capital One Arenaで署名されたものも含め大統領令をカテゴリー分けすると、「国境警備」、「America First」、「エネジー政策」、「規制緩和」、「社会・カルチャー問題」。
国境警備周りはメキシコとの国境Southern Borderのオープンボーダーを撤回、Southern Borderからの移民流入を国家侵略と位置付け国家安全保障対応、国外テロリスト対抗策、難民受け入れポリシー見直し、軍が国境警備に果たす役割再評価、など。
America First系は国務長官にAmerica First実行命令、OECDのGlobal Tax交渉打ち切り・不適用・対抗措置、National Security Councilの機能定義、外国援助の見直し、WHO脱退。
エネジー政策はアラスカ資源開発、連邦管轄の領海外大陸棚の風力発電目的の使用禁止、エネジー国家危機宣言、米国内エネジー生産最大限化。
規制緩和・行政府の肥大化措置系はDOGE設立、上級官僚の説明責任復活、新規則策定フリーズ、規則草案の最終化禁止、各省庁による国民生活費の高騰対策検討。
社会問題・カルチャー系は米国歴史上人物の名前を冠した地名の復活。連邦建設物の美化、公共安全の徹底と死刑復活、カリフォルニア州の火災防止措置徹底、大統領就任日は国旗の半旗禁止、TikTok禁止令適用延期、J6関係者恩赦、連邦省庁の兵器化(政敵を狙って法律を悪用すること)禁止、言論の自由復活、連邦政府によるセンサーシップ禁止。
Pillar 2にトドメ?
上述の通り、OECDのGlobal Tax交渉打ち切り・不適用・対抗措置が初日に明確にされた。その内容は以前から共和党がTrifectaになったらこんなことになるかもって言ってたものなんで、それ自体に驚きはないはず。この部分は次回もう少し詳しく触れる。
関税は?
う~ん沢山の大統領令で選挙活動中に言っていたことは網羅してるね~って思ってもう一度落ち着いて見てみると「あれ関税がないじゃん」って気づく。Oval Officeで署名しながら記者とやり取りしている映像があるけど、その中でFoxのPeter Doocyと思われる声の記者が「関税はどうなっちゃたの?」みたいな質問をした際、トランプは「2月1日に披露する」って回答してたと思うんで2月1日までお預け。え~一番のトリのはずだったのにね。
という訳で目が回りそうな初日の大統領令だったけど、その中でもタックスに関係するOECD Global Taxからの完全撤退宣言に関しては次回もう少し。
就任式はラリー(集会)とは異なるんでスピーチのトーンは比較的穏やか(?)だったけど、その内容はバイデン、オバマ、クリントンが背後に見守る中、ストレートなものだった。政府や社会にCommon Senseを取り戻しAmerica Firstポリシーを徹底し米国を未だかつて見たことない程の繁栄に導くっていうもの。少なくとも就任式ではスピーチが過激になり過ぎないように周りの取り巻きがControlしたんだろうね。Susie Wilesとか?彼女は裏方に徹してたけど選挙活動中から沈着冷静にチームを管理していたからね。
就任式前日の日曜日は東海岸は雪だったけど当日は青空。とは言え気温は低かったんで急遽、屋外からCapitol(議事堂)内の屋内イベントに転換。屋内の就任式は1909年、1985年(こちらはレーガン)以降歴史上3回目っていうことなんで結構珍しいんだね。Secret Serviceは屋内の方が断然警備が容易なんで喜んでたらしいけど外で歴史的なComebackを一目見ようとDCに集まっていた一般市民はガッカリ。でもNYCでも摂氏で言うとマイナス10度とかだからDCも似たような感じだろうから屋外イベントは厳しいよね。就任式後にバイデンとJillがヘリコプターで去っていく恒例の別れは外で寒そう。ヘリコプターって風を巻き起こすからなおさらね。特にMelaniaとJillは寒そう。
ちなみにJill Bidenの装いはパープルのコート。パープルっていうのは赤(共和党)と青(民主党)を混ぜるとできる色。Jillは11月5日の選挙には赤いコートで投票所に登場し、トランプに投票したに違いないって話題になったけど、今回はどちらでもないパープルだった。中立ってこと?ハリスや元下院議長のペロシとの確執が伝えられる中、苦渋の選択結果でパープルだったのかもね。
大統領令(Executive Order)
就任式後に数多くの大統領令が署名された。就任と同時に大統領府のウェブサイトも更新され、「White House President Donald J. Trump」の名の下に大きく「AMERICA IS BACK」のバナー。トランプは就任式からおそらくランチ前に一旦ホワイトハウスに戻り、政府機能を問題なく継続させるため各省の仮長官等を任命。これらの者は正式な長官が上院承認を得るまでの期間、省庁を司ることになる。
Capital One Arena DCラリー
で、その足でまるでLed Zeppelinが熱狂的ファンが待つMadison Square Gardenに登場したみたいに、Capital One Arena DCに到着。そこでは就任式とはうって変わっていつものトランプ通り毒舌乱発。選挙運動中のラリーのノリで絶好調のスピーチ後は複数の大統領令に署名。ライブ・ストリーミングで見れた範囲で次のような大統領令が含まれてた。
パリ協定脱退およびその旨のUNへの通知。この大統領令にはUNの「Framework Convention on Climate Change」関係に米国の不関与、資金拠出停止、米国の「International Climate Finance Plan」廃案が含まれる。 連邦政府の機能や目的が明確になるまで連邦政府の雇用フリーズ(軍は除く)。 連邦職員の週5日オフィス出勤命令(リモートワーク禁止)。バイデンによる大統領令の78令を弊害として無効化・撤回。不法移民の米国誕生子女に対する市民権付与停止(これは訴訟で実効性未定)。DEIポリシー撤廃・禁止、能力主義の徹底。 生物学に基づく男女2つの性別のみ認知。 国外カルテル・ギャングのテロリスト認定、など広範な領域に亘る。
で署名する大統領令各々に関して簡単な説明があるんだけど、その度に群衆から大喝さいを浴び、署名っていうRock Showになった。
熱狂するファンに昔、Rod Stewartがコンサートのアンコールでサッカーボールをステージから観客にキックしてたみたいに、Capital One Arena DCのイベントでは大統領令に署名したペンを観客に投げ込んで終了。おそらくトランプのサインと「47th President」が刻まれた「Commemorative Pen」だったんだろう。こんな大統領令署名式は歴史始まって以来に違いない。芸人のトランプに好都合なことに、今後4年間はハイプロファイルなイベントが満載。2026年は米国建国250周年祭、1994年以降2度目のFIFA World Cup、そして2028年には1932年、1984年以降3度目のLos Angelesオリンピックがある。Showmanshipに最適な4年間でトランプShowはRock On。
Back to Oval Office
Capital One Arenaのラリー後はまたホワイトハウスに戻り、夜に控える3つの祝賀会ディナーイベント前にさらに大統領令に署名。ここでは記者団に囲まれ、質問に答えながらの署名となった。
正確にここでいくつの大統領令に署名したかはYouTubeの映像からは確実じゃないけど、ホワイトハウスのウェブサイトに記載されているもので先のホワイトハウスおよびCapital One Arenaで署名されたもの以外のはずなんで、次のような内容のはず。形容は非公式に意訳してるんで正式な名称や内容は原文を見てみて欲しい。Capital One Arenaで署名されたものも含め大統領令をカテゴリー分けすると、「国境警備」、「America First」、「エネジー政策」、「規制緩和」、「社会・カルチャー問題」。
国境警備周りはメキシコとの国境Southern Borderのオープンボーダーを撤回、Southern Borderからの移民流入を国家侵略と位置付け国家安全保障対応、国外テロリスト対抗策、難民受け入れポリシー見直し、軍が国境警備に果たす役割再評価、など。
America First系は国務長官にAmerica First実行命令、OECDのGlobal Tax交渉打ち切り・不適用・対抗措置、National Security Councilの機能定義、外国援助の見直し、WHO脱退。
エネジー政策はアラスカ資源開発、連邦管轄の領海外大陸棚の風力発電目的の使用禁止、エネジー国家危機宣言、米国内エネジー生産最大限化。
規制緩和・行政府の肥大化措置系はDOGE設立、上級官僚の説明責任復活、新規則策定フリーズ、規則草案の最終化禁止、各省庁による国民生活費の高騰対策検討。
社会問題・カルチャー系は米国歴史上人物の名前を冠した地名の復活。連邦建設物の美化、公共安全の徹底と死刑復活、カリフォルニア州の火災防止措置徹底、大統領就任日は国旗の半旗禁止、TikTok禁止令適用延期、J6関係者恩赦、連邦省庁の兵器化(政敵を狙って法律を悪用すること)禁止、言論の自由復活、連邦政府によるセンサーシップ禁止。
Pillar 2にトドメ?
上述の通り、OECDのGlobal Tax交渉打ち切り・不適用・対抗措置が初日に明確にされた。その内容は以前から共和党がTrifectaになったらこんなことになるかもって言ってたものなんで、それ自体に驚きはないはず。この部分は次回もう少し詳しく触れる。
関税は?
う~ん沢山の大統領令で選挙活動中に言っていたことは網羅してるね~って思ってもう一度落ち着いて見てみると「あれ関税がないじゃん」って気づく。Oval Officeで署名しながら記者とやり取りしている映像があるけど、その中でFoxのPeter Doocyと思われる声の記者が「関税はどうなっちゃたの?」みたいな質問をした際、トランプは「2月1日に披露する」って回答してたと思うんで2月1日までお預け。え~一番のトリのはずだったのにね。
という訳で目が回りそうな初日の大統領令だったけど、その中でもタックスに関係するOECD Global Taxからの完全撤退宣言に関しては次回もう少し。
Saturday, January 4, 2025
トランプとバイデン「最初」と「最後」の戦い
トランプ最初の戦い
昨日のポスティングで触れた通り、1月3日に昨年11月選挙で当選した議員たちが宣誓就任し、議会の119会期が正式に始まった。注目の下院議長は何とか共和党がJohnsonをサポートするっていうことで、Thomas Massie(R-Ky)一名を除き一枚岩になり、Johnsonが多数票を獲得して議長に就任した。ただ、最初、Massieと並んで、Ralph Norman (R-SC)とKeith Self (R-Fla)の2名も抗議投票でJohnsonではない者に票を投じるっていうドラマがあり、トランプ自らがその場で2名に電話をして直接説得に当たり、修正投票で選出が確定している。
この経緯にはプラスとマイナスの双方の見方がある。プラスはトランプの影響力もあり「市民が望んでいる国境警備や減税延長、等の法案を早期に可決するため党内でいがみ合ってる場合ではない」っていう共通の目的を認識できた点。一方マイナスは僅差でハラハラし続ける実態や少数の議員のレバレッジが大きく、今後の予算調整法可決、Two-Trackなのかどうかも含め予断を許さないっていう現実が露呈された点。いずれにしても119会期の新議会におけるトランプ「最初の戦い」になった。
バイデン最後の戦い
一方のバイデンは最後の戦い。最後の戦いって言うとどうしてもLed Zeppelinの「アキレス最後の戦い」を思い出すよね。っていうかZeppelinのアキレス最後の戦いをしってるからこんなフレーズが直ぐに出てくるって言った方が正確。Zeppelinの「Achilles Last Stand」はJimmy Pageのアルペジオで始まり、直後に入るバックのリズムが恰好いい。 Headley Grangのくら~い雰囲気がZeppelinぽくていいね。前も書いたけど、個人的にZeppelinのアルバムは名前がないI~IVまでの方が出来がいいと思ってるけど、Achilles Last Standは7枚目の「Presence」の一曲目。アルバムとしてはまあまあってレベルだけどこの曲はいいよね。
で、存在感が薄くなって久しいバイデンはアキレスとはかけ離れてるけど、この期に及んでNippon SteelによるUS Steel買収を「国家安全保障」懸念からブロックすると公表。数日前からそうなるだろうって報道されてたけど本当にそうなった。CFIUSが自分たちでは決められないんでバイデンの判断に委ねてたけど、バイデン本人が判断してるっていうよりは周りの取り巻きが決めたんだろう。WSJの記事によると、国務長官のBlinkenや国家安全保障担当補佐官(漢字10文字以上連なると厳しいんで「National Security Advisor」の方が分かり易いね)のSullivanは買収に反対しなかったそう。すなわち国家安全保障面の懸念は実際には少ないことが分かる。一方で国内政策っていうか、バイデンが後世に残す遺物のひとつとして労組に慮っての対処とすべきっていう最後までいかにもバイデン政権らしい国内派のアドバイザーの意見が通ったとのこと。
法的にアピールする機会はあるんでDeal自体は未だTBCかもしれない。ただ、結構な条件を飲んだにもかかわらず「Dealの条件に安全保障面の配慮が見られない」って。ポリティカルにしょうがなかったっていう状況は分かるけど、US Steelの買収も認めてくれないとなると例えば日本有事の対処とか、米国政府としてもっと大きな決断が迫られる際、どれだけ頼りにしていいやら「同盟国」日本としてはチョッと心配だよね。
また選挙結果にもかかわらず、新政権のエネジー政策にできるだけ支障があるような大統領令を出すっていう報道もある。1953年の「the Outer Continental Shelf Lands Act (OCSLA)」に基づき連邦管轄下のオフショア海域におけるエネジー開発を禁じ、こちらもバイデンが後世に残す遺物のひとつとする。そう言えばオバマも政権末期に同じようにOCSLAに基づく大統領令を出してたね。
このOCSLAっていう法律、大統領にエネジー開発を禁じる権限を与えている一方、禁止を解除する権限は付与されていないって解釈したアラスカ地裁の判例(League of Conservation Voters v. Trump, 363 F. Supp. 3d 1013 (D. Alaska 2019))があり、新政権が行政府として、議会のOCSLA改正なしでバイデン大統領令を撤回できるかどうかは法的に疑問が残る。
ということで今日はZeppelinの話しに深く入り込まないよう我慢しながらトランプとバイデン各々の最初と最後の戦いでした。
昨日のポスティングで触れた通り、1月3日に昨年11月選挙で当選した議員たちが宣誓就任し、議会の119会期が正式に始まった。注目の下院議長は何とか共和党がJohnsonをサポートするっていうことで、Thomas Massie(R-Ky)一名を除き一枚岩になり、Johnsonが多数票を獲得して議長に就任した。ただ、最初、Massieと並んで、Ralph Norman (R-SC)とKeith Self (R-Fla)の2名も抗議投票でJohnsonではない者に票を投じるっていうドラマがあり、トランプ自らがその場で2名に電話をして直接説得に当たり、修正投票で選出が確定している。
この経緯にはプラスとマイナスの双方の見方がある。プラスはトランプの影響力もあり「市民が望んでいる国境警備や減税延長、等の法案を早期に可決するため党内でいがみ合ってる場合ではない」っていう共通の目的を認識できた点。一方マイナスは僅差でハラハラし続ける実態や少数の議員のレバレッジが大きく、今後の予算調整法可決、Two-Trackなのかどうかも含め予断を許さないっていう現実が露呈された点。いずれにしても119会期の新議会におけるトランプ「最初の戦い」になった。
バイデン最後の戦い
一方のバイデンは最後の戦い。最後の戦いって言うとどうしてもLed Zeppelinの「アキレス最後の戦い」を思い出すよね。っていうかZeppelinのアキレス最後の戦いをしってるからこんなフレーズが直ぐに出てくるって言った方が正確。Zeppelinの「Achilles Last Stand」はJimmy Pageのアルペジオで始まり、直後に入るバックのリズムが恰好いい。 Headley Grangのくら~い雰囲気がZeppelinぽくていいね。前も書いたけど、個人的にZeppelinのアルバムは名前がないI~IVまでの方が出来がいいと思ってるけど、Achilles Last Standは7枚目の「Presence」の一曲目。アルバムとしてはまあまあってレベルだけどこの曲はいいよね。
で、存在感が薄くなって久しいバイデンはアキレスとはかけ離れてるけど、この期に及んでNippon SteelによるUS Steel買収を「国家安全保障」懸念からブロックすると公表。数日前からそうなるだろうって報道されてたけど本当にそうなった。CFIUSが自分たちでは決められないんでバイデンの判断に委ねてたけど、バイデン本人が判断してるっていうよりは周りの取り巻きが決めたんだろう。WSJの記事によると、国務長官のBlinkenや国家安全保障担当補佐官(漢字10文字以上連なると厳しいんで「National Security Advisor」の方が分かり易いね)のSullivanは買収に反対しなかったそう。すなわち国家安全保障面の懸念は実際には少ないことが分かる。一方で国内政策っていうか、バイデンが後世に残す遺物のひとつとして労組に慮っての対処とすべきっていう最後までいかにもバイデン政権らしい国内派のアドバイザーの意見が通ったとのこと。
法的にアピールする機会はあるんでDeal自体は未だTBCかもしれない。ただ、結構な条件を飲んだにもかかわらず「Dealの条件に安全保障面の配慮が見られない」って。ポリティカルにしょうがなかったっていう状況は分かるけど、US Steelの買収も認めてくれないとなると例えば日本有事の対処とか、米国政府としてもっと大きな決断が迫られる際、どれだけ頼りにしていいやら「同盟国」日本としてはチョッと心配だよね。
また選挙結果にもかかわらず、新政権のエネジー政策にできるだけ支障があるような大統領令を出すっていう報道もある。1953年の「the Outer Continental Shelf Lands Act (OCSLA)」に基づき連邦管轄下のオフショア海域におけるエネジー開発を禁じ、こちらもバイデンが後世に残す遺物のひとつとする。そう言えばオバマも政権末期に同じようにOCSLAに基づく大統領令を出してたね。
このOCSLAっていう法律、大統領にエネジー開発を禁じる権限を与えている一方、禁止を解除する権限は付与されていないって解釈したアラスカ地裁の判例(League of Conservation Voters v. Trump, 363 F. Supp. 3d 1013 (D. Alaska 2019))があり、新政権が行政府として、議会のOCSLA改正なしでバイデン大統領令を撤回できるかどうかは法的に疑問が残る。
ということで今日はZeppelinの話しに深く入り込まないよう我慢しながらトランプとバイデン各々の最初と最後の戦いでした。
Friday, January 3, 2025
2025年謹賀新年「119会期米国議会」
2025年明けましておめでとうございます!
米国選挙で明け暮れた2024年がようやく終わり、新政権が発足する2025年。振り返ってみると2023年末のポスティングで「来年2024年11月の選挙で大統領府、両院の構成がどうなるか次第でタックスにかかわらずアメリカばかりでなく世界の近未来が大きく変わる」って書いたけど、結局、共和党のTrifectaとなった。この選挙結果の背景はレガシーメディアを含む多くの専門家がいろいろと分析してるけど、あくまで現地肌感覚で敢えてラフに言うと国境、経済、カルチャー問題に関する民主党プラットフォームが米国の一般市民のCommon Senseからかけ離れて受け入れ難い方向にシフトして、Noが突きつけられたってことじゃないかなって思うけどね。共和党もTrifectaになったとは言え下院は僅差なんで、前回、前々回のポスティングで増れた通り、党内調整でもめた結果思ったような法律をデリバーできないリスクをどう管理するかが課題。
Center of Gravity
そんな中、年末年始は例によってFloridaのマイアミビーチ!コロナ禍で各州政策や統治スタンスの差異が白日の下に晒され、それを機に多くの市民がFederalismにおける州政府のインパクトを直接体感することになった点は先日のポスティングでチラッと触れた。その頃から自ずと個人の自由を尊重してくれる州に滞在する機会が増えたけど、さすがにSouth Dakotaとかは冬寒いんでTexas、Georgia、特に解放感溢れるFloridaの南に頻繁に来るようになった。それを機に自然にFlorida州やマイアミビーチが属するMiami-Dade Countyのポリティクスをフォローし始めることになったんだけど、期せずして4年後の2024年の選挙でFloridaは米国ポリティクスの重心、Center of Gravityになった。もちろんFloridaの中でも真のCenter of GravityはPalm Beachだけど、その南に位置するマイアミでも今年の年末年始はそんなVibeを感じることができた(気のせいの可能性大?)。
で、今回は年末年始に掛けてお天気も良く、心身ともにLiberateされるようJet SkiでBiscayne Bayを一周しながらNew Year Resolutionを整理する機会に恵まれた。Liberateされる前に転落して怪我とかにならないよう30mphを超えないよう慎重にね。
で、1月1日午前0時には例によってSouth Beach等で花火があったけど、今年は(こちらも気のせい?)例年より派手だった気がする。たまたま270度見渡せるところから見たせいかもしれないけど、Bayfront ParkやSouth BeachのOcean Driveとかのいつもの場所からだけじゃなくて、Coconut Glove方面、Collins Parkとか、後は正確な場所どこだったか不明だけどNorth Beach方面、もしかしてSunny IslesまたはHallandale BeachかHollywood Beach?みたいな比較的北の方とかからも上がってて「パノラマ」。
PTEP
で、お陰様ですっかりLiberateされてCuban Coffeeと共にPTEPの規則案の解読に勢いが付いたんだけどアレ難しいよね。っていうかあの規則に準拠する側のMNCは大変だよね。古くからPTEPってCFC側の属性なのかUS株主側の属性なのか、パススルー経由でCFC持ってる米国株主のパススルー投資簿価の増減有無、とかかなり基本的な概念のところで整理し難いものがあったけど、その辺り、学術的には良く整理されている。さすが4年間出る出るって言い続けて政権交代直前滑り込みで草案に漕ぎつけただけのことはある。
昨年は年始からいきなりハードコアのKiller QueenじゃなくてKiller B(Triangular Reorganizationを利用したRepatriationプラン)Regだったけど、今年の前半は税制改正動向と並行してPTEP Reg三昧のポスティングになる可能性大なんで皆さん覚悟しておいて下さい。PTEPはKiller Bより汎用性はあるね。
119会期
米国議会の会期は2年で必ず奇数の暦年1月3日から始まる。連邦憲法の20th Amendmentで強制される日程だ。え~ってことは今日じゃん。2025年(奇数)の1月3日だからね。日本だったら未だお正月三が日だよね。米国はThanksgivingから年末まではHolidayムードで楽しいけど、新年は元旦のみお休みで2日から何事もなかったかのように普通になるから怖い。とは言え今年は2日、3日が木曜、金曜なんで全体に本番は6日からっていう感じはある。だったら日本と同じスタートじゃんってなるね。確かに。だけど米国連邦法人税申告書は延長後の提出期限が期末から10か月後の15日なんで、3月決算の日本企業子会社の連邦法人税申告は1月15日。これが理由でBig 4や企業の税務部に勤務されている方の中には年末年始必ずしもゆっくりできないケースも多い。Remoteでいろんなことができる今日この頃はそんな中でもフレキシビリティは増えててありがたい。
で、1月3日から第119会期の議会が2024年11月の選挙で当選した議員により開始される。この会期番号は1789年に連邦憲法が批准されて最初の議会が招集された時から続いてるから凄いよね。米国の独立は1789年の憲法批准から13年遡る1776年7月4日。なんで、2026年7月4日は「the Semiquincentennial」祭、すなわち独立250周年に当たる。DOGEとかが2026年7月4日までに市民が体感できるような不要な規則削減を含む改革を実現したいって言っているのは250年祭っていうマイルストーンに合わせるSymbolicな理由がある。ちなみに20th Amendmentは1933年でそれまでは3月から新会期だったらしいけど、選挙(前年11月)~新会期(3月)までの所謂「Lame Duck」期間が長すぎて不効率っていうことで現在の1月3日、正確には3日東時間正午が会期開始となった。これ書いてるのが午前10時28分だから後1時間32分!大統領就任は1月20日の正午だ。
1月3日に何が起こるかって言うと、下院議長(正確には「Speaker of the House」)の選出と119会期の議員の宣誓就任。
下院議長選出
下院議長の選出だけど、手続きとしては各党が各々候補者を決めるけど、もちろん多数議席を有する党の候補者が議長になる。不在票は認められず実際に出席している議員の多数決で決まる。従来、下院議長の選出は儀式的な手続きだったんだけど、近年は共和党内で候補者が決まらない、または決まっても多数一致で選任できない、などの問題が多く、それ自体ドラマというか注目を集める手続きになってる。共和党が予算調整法を活用して云々の話しをした際に党内で意見調整できるかっていう話しを散々してるけど、最初のチャレンジだ。下院議長も一致団結して選べないようでは先が思いやられるもんね。
共和党Mike Johnson以外に候補者はいないけど、議席数が僅差かつThomas Massie (R-Ky)が反対を表明してるんで共和党は実質他全員一致してJohnsonに投票しないと多数決で勝てない。Chip Roy(R-Texas)とかがどう出るか見もの。Johnsonは先日のContinuing Resolution(3月14日まで米国政府をFundingする臨時法案)で一部の共和党議員から信用できないと顰蹙を買っている。Johnsonが可決に持ち込もうとしたCRは民主党の意向も組み入れて法案化し、投票前日に1,500ページを超える法案を始めて公表、その中にはCRだけでなく多くの追加の歳出(議員の昇給含む)が盛り込まれていたことからDOGEのMusk等からCRの名を借りた「Give Away」として叱責を受ける結果となった。確かにあれだけの歳出を盛り込んで1,500ページじゃCRも入った立派なOmnimus Billだよね(苦笑)。IRAとかもそうだけど、複雑な法案を投票直前に公表して議会に承認させることから議員が本当にInformed Decisionする時間がない。結局、Musk等の反対意見を反映し本来のCRに不可欠な部分が中心に僅か(?)118ページに大幅簡素化されて可決されている。そんな訳でJohnson不信は根強く残るけど、数日前にトランプが無条件信任を発表してるんで若干勢い付いた感はある。ボトムライン他に候補いないしね。しかも今日選出できないと6日の大統領選挙結果の最終認定も遅れる?どうなることでしょうか。
ということで2025年もよろしくお願いします。次回はPTEPに行く前に1月の政局等に関してもう少しだけ追加でポスティングしてみたい。
米国選挙で明け暮れた2024年がようやく終わり、新政権が発足する2025年。振り返ってみると2023年末のポスティングで「来年2024年11月の選挙で大統領府、両院の構成がどうなるか次第でタックスにかかわらずアメリカばかりでなく世界の近未来が大きく変わる」って書いたけど、結局、共和党のTrifectaとなった。この選挙結果の背景はレガシーメディアを含む多くの専門家がいろいろと分析してるけど、あくまで現地肌感覚で敢えてラフに言うと国境、経済、カルチャー問題に関する民主党プラットフォームが米国の一般市民のCommon Senseからかけ離れて受け入れ難い方向にシフトして、Noが突きつけられたってことじゃないかなって思うけどね。共和党もTrifectaになったとは言え下院は僅差なんで、前回、前々回のポスティングで増れた通り、党内調整でもめた結果思ったような法律をデリバーできないリスクをどう管理するかが課題。
Center of Gravity
そんな中、年末年始は例によってFloridaのマイアミビーチ!コロナ禍で各州政策や統治スタンスの差異が白日の下に晒され、それを機に多くの市民がFederalismにおける州政府のインパクトを直接体感することになった点は先日のポスティングでチラッと触れた。その頃から自ずと個人の自由を尊重してくれる州に滞在する機会が増えたけど、さすがにSouth Dakotaとかは冬寒いんでTexas、Georgia、特に解放感溢れるFloridaの南に頻繁に来るようになった。それを機に自然にFlorida州やマイアミビーチが属するMiami-Dade Countyのポリティクスをフォローし始めることになったんだけど、期せずして4年後の2024年の選挙でFloridaは米国ポリティクスの重心、Center of Gravityになった。もちろんFloridaの中でも真のCenter of GravityはPalm Beachだけど、その南に位置するマイアミでも今年の年末年始はそんなVibeを感じることができた(気のせいの可能性大?)。
で、今回は年末年始に掛けてお天気も良く、心身ともにLiberateされるようJet SkiでBiscayne Bayを一周しながらNew Year Resolutionを整理する機会に恵まれた。Liberateされる前に転落して怪我とかにならないよう30mphを超えないよう慎重にね。
で、1月1日午前0時には例によってSouth Beach等で花火があったけど、今年は(こちらも気のせい?)例年より派手だった気がする。たまたま270度見渡せるところから見たせいかもしれないけど、Bayfront ParkやSouth BeachのOcean Driveとかのいつもの場所からだけじゃなくて、Coconut Glove方面、Collins Parkとか、後は正確な場所どこだったか不明だけどNorth Beach方面、もしかしてSunny IslesまたはHallandale BeachかHollywood Beach?みたいな比較的北の方とかからも上がってて「パノラマ」。
PTEP
で、お陰様ですっかりLiberateされてCuban Coffeeと共にPTEPの規則案の解読に勢いが付いたんだけどアレ難しいよね。っていうかあの規則に準拠する側のMNCは大変だよね。古くからPTEPってCFC側の属性なのかUS株主側の属性なのか、パススルー経由でCFC持ってる米国株主のパススルー投資簿価の増減有無、とかかなり基本的な概念のところで整理し難いものがあったけど、その辺り、学術的には良く整理されている。さすが4年間出る出るって言い続けて政権交代直前滑り込みで草案に漕ぎつけただけのことはある。
昨年は年始からいきなりハードコアのKiller QueenじゃなくてKiller B(Triangular Reorganizationを利用したRepatriationプラン)Regだったけど、今年の前半は税制改正動向と並行してPTEP Reg三昧のポスティングになる可能性大なんで皆さん覚悟しておいて下さい。PTEPはKiller Bより汎用性はあるね。
119会期
米国議会の会期は2年で必ず奇数の暦年1月3日から始まる。連邦憲法の20th Amendmentで強制される日程だ。え~ってことは今日じゃん。2025年(奇数)の1月3日だからね。日本だったら未だお正月三が日だよね。米国はThanksgivingから年末まではHolidayムードで楽しいけど、新年は元旦のみお休みで2日から何事もなかったかのように普通になるから怖い。とは言え今年は2日、3日が木曜、金曜なんで全体に本番は6日からっていう感じはある。だったら日本と同じスタートじゃんってなるね。確かに。だけど米国連邦法人税申告書は延長後の提出期限が期末から10か月後の15日なんで、3月決算の日本企業子会社の連邦法人税申告は1月15日。これが理由でBig 4や企業の税務部に勤務されている方の中には年末年始必ずしもゆっくりできないケースも多い。Remoteでいろんなことができる今日この頃はそんな中でもフレキシビリティは増えててありがたい。
で、1月3日から第119会期の議会が2024年11月の選挙で当選した議員により開始される。この会期番号は1789年に連邦憲法が批准されて最初の議会が招集された時から続いてるから凄いよね。米国の独立は1789年の憲法批准から13年遡る1776年7月4日。なんで、2026年7月4日は「the Semiquincentennial」祭、すなわち独立250周年に当たる。DOGEとかが2026年7月4日までに市民が体感できるような不要な規則削減を含む改革を実現したいって言っているのは250年祭っていうマイルストーンに合わせるSymbolicな理由がある。ちなみに20th Amendmentは1933年でそれまでは3月から新会期だったらしいけど、選挙(前年11月)~新会期(3月)までの所謂「Lame Duck」期間が長すぎて不効率っていうことで現在の1月3日、正確には3日東時間正午が会期開始となった。これ書いてるのが午前10時28分だから後1時間32分!大統領就任は1月20日の正午だ。
1月3日に何が起こるかって言うと、下院議長(正確には「Speaker of the House」)の選出と119会期の議員の宣誓就任。
下院議長選出
下院議長の選出だけど、手続きとしては各党が各々候補者を決めるけど、もちろん多数議席を有する党の候補者が議長になる。不在票は認められず実際に出席している議員の多数決で決まる。従来、下院議長の選出は儀式的な手続きだったんだけど、近年は共和党内で候補者が決まらない、または決まっても多数一致で選任できない、などの問題が多く、それ自体ドラマというか注目を集める手続きになってる。共和党が予算調整法を活用して云々の話しをした際に党内で意見調整できるかっていう話しを散々してるけど、最初のチャレンジだ。下院議長も一致団結して選べないようでは先が思いやられるもんね。
共和党Mike Johnson以外に候補者はいないけど、議席数が僅差かつThomas Massie (R-Ky)が反対を表明してるんで共和党は実質他全員一致してJohnsonに投票しないと多数決で勝てない。Chip Roy(R-Texas)とかがどう出るか見もの。Johnsonは先日のContinuing Resolution(3月14日まで米国政府をFundingする臨時法案)で一部の共和党議員から信用できないと顰蹙を買っている。Johnsonが可決に持ち込もうとしたCRは民主党の意向も組み入れて法案化し、投票前日に1,500ページを超える法案を始めて公表、その中にはCRだけでなく多くの追加の歳出(議員の昇給含む)が盛り込まれていたことからDOGEのMusk等からCRの名を借りた「Give Away」として叱責を受ける結果となった。確かにあれだけの歳出を盛り込んで1,500ページじゃCRも入った立派なOmnimus Billだよね(苦笑)。IRAとかもそうだけど、複雑な法案を投票直前に公表して議会に承認させることから議員が本当にInformed Decisionする時間がない。結局、Musk等の反対意見を反映し本来のCRに不可欠な部分が中心に僅か(?)118ページに大幅簡素化されて可決されている。そんな訳でJohnson不信は根強く残るけど、数日前にトランプが無条件信任を発表してるんで若干勢い付いた感はある。ボトムライン他に候補いないしね。しかも今日選出できないと6日の大統領選挙結果の最終認定も遅れる?どうなることでしょうか。
ということで2025年もよろしくお願いします。次回はPTEPに行く前に1月の政局等に関してもう少しだけ追加でポスティングしてみたい。
Monday, December 23, 2024
2024年11月米国選挙結果と米国税制 (3) 「予算調整法2回どう使い分ける?(2)」
前回、下院・上院案のメリット・デメリットを比較検討する勢いで始めたけど、South DakotaとかFred Korematsuの話しになってしまったんで今日こそ。
下院・上院案のプロコン
下院案の一発巨大パッケージのメリットは前回のポスティングで触れた下院の議席数が僅差にある点の懸念を克服し易いと考えられる点。例えばもし国家財政責任に重点を置くいわゆるDeficit Hawkの共和党下院議員が減税に腰が引けてる場合、同じ法案に国境警備が盛り込まれてないと賛成意欲が削がれるリスクがある。それなんで全てひとつのパッケージ化しておくのが安全と言う理論。前々回触れた通り、下院の議席差異は僅少っていうリスクは十分に加味する必要がある。また同じようなポイントだけど、4月のフロリダ特別選挙まで一議席差が続くとすると、その間に争点が少ないとは言え、第一弾の国境警備法案を可決することができるのか、っていう不安もチラつく。
上院と共にチーム・トランプは下院がこんな懸念を持つこと自体を煙たがってる様子がある。税制改正にはある程度時間が掛かる。米国市民が願っている国境警備に関して第一弾で素早く対処するのは当然という感覚。また税法案のドラフトは複雑で議会と財務省との連携が重要だけどScott Bessentは早期に承認を得られると仮定しても、省内の税務担当も稼働している必要がありこの点でも時間を要する。
さらにチームトランプには第二弾の可決は下院が懸念するほど困難ではないだろう、という読みもある。国防長官候補のHegsethが息を吹き返してることからも共和党議員に対するトランプの影響力は絶大で、増してや選挙公約の減税に反対票を投じるような者は次回のPrimary(予備選)も考えるといないという強気の読みだ。
陸軍・海軍フットボール観戦首脳会談
そんな中、年末恒例の陸軍・海軍フットボール(Army-Navy game)が12月14日メリーランド州ランドーバー で開催された。Army-Navy gameは1890年から続く陸軍士官学校(West Point)と海軍士官学校(Naval Academy)が対決する由緒あるカレッジフットボール。勝者には「Commander-in-Chief's Trophy」が与えられるだけに歴代の大統領(Commander-in-Chief)が観戦することが多い。今年のゲームは現大統領は既に存在感がなくなってるせいかどうか分からないけど、バイデンは姿を見せず(2021年の観戦が最後)、今年は米国内外で既に大統領かのようなプレゼンスになっているトランプが観戦した。トランプと共に登場したのは新政権リーダーWho’s Who。VPのVance、両院リーダーのJohnson、Thune(South Dakota覚えてる?)、そしてどちらかと言うと上院での承認プロセスで精査が厳しそうなHegseth(国防長官)、Gabbard(国家情報長官)、Patel(FBI長官)の3名、DOGEのMusk、Ramaswamy両人、DeSantis(フロリダ州知事)、Chief of StaffのSusie Wilesその他。
で、スイートで観戦しながら予算調整法のアプローチに関してトランプ、下院議長Johnson、上院Majority Leader(2025年から)のThuneの「Big 3」による首脳会談が行われた。JohnsonもThuneも早期に方向性を決めてしまいたい、また最終調整・決断はトランプにしかできない点で意見は一致。報道によると上院ThuneがTwo-Trackを押したのに対して、下院Johnsonはチームトランプが上院案を好んでいることを知っているので必ずしも下院の一発案を押すのではなく、下院歳入委員長のJason Smith を代表とする共和党議員の2回に分けてしまって党内調整が難航する懸念をトランプに十分に伝え、その上で最終決定された戦略には100%従うという出方をしたそうだ。
結局どうする?
結局のところ究極の仲裁人はトランプということで判断はトランプに委ねられたようだけど、チームトランプはDeputy Chief of StaffのStephen Miller等が下院議員と密に連絡を取り調整をしている。その甲斐があってか、下院共和党派閥の中でもDeficit Hawkで硬派のFreedom CaucusがTwo-Trackを公認する旨の書簡を送付するに至っている。ということはほぼTwo-Trackに決まりそうな感じだけど、下院共和党議員にはトランプから直接最終判断を聞きたいという希望があるようだ。一応、方向性が決まれば全員一丸になる用意はできているということらしい。
Two-Trackのもう一つのアキレス腱
税制改正が後半にもつれ込むもう一つのリスクは2026年の中間選挙への影響。ただでさえ大統領が属する党の下院は中間選挙で歴史的に不利な立場にあるけど、税制改正が遅れてその効果を2025年中に有権者が肌で感じることができないと減税が中間選挙の強みっていうかセールスポイントになり難い。2017年のTCJA可決が12月22日までずれ込んだため、2018年の中間選挙は共和党が大きく議席を失ってる。1982年のレーガン政権もそうだ。The Economic Recovery Tax Act of 1981 (ERTA)の可決は1981年8月後半だったけど、1982年の下院で同じく結構な議席を失ってる。トランプ政権が目指す地殻変動的な連邦政府の無駄削減や国境警備強化を4年間継続して徹底するには2026年の中間選挙で下院の多数を死守する必要があり、そのためには2024年早期に税制改正や規制緩和を達成し、有権者がその恩典を肌で感じることができる期間を設けるっていうタイムラインが求められる。大恐慌後の1934年のFDR政権下の下院・上院多数維持みたいな状況が理想だ。
このタイムラインはかなりタイトだ。Two-Trackで2回目により複雑な税制改正を上院が主張するからには、税制改正および規制緩和を2025年の夏、願わくば独立記念日の7月4日までに税制改正を達成するコミットメントがあるかどうかが一つのキー。このコミットメントがあやふやな状況だと下院の言う通り一発で対処してしまう方がいい。このタイムラインを達成するには5月には審議が開始され、6月には両院委員で法案のすり合わせをする必要がある。上述の通り、2つの予算調整法は並行して審議可能だし、また2024年を通して「もしTrifectaになったら」っていうシナリオで予算調整法を想定した税制改正法案の基となる文言を両院で検討していたことから、もしかしたら可能なタイムラインかもしれないけど、それでもかなりタイトなスケジュールだ。
第二弾の早期達成は可能か
だったら下院が言う通り一発で税制改正も含む巨大パッケージにしたらいいじゃん、って思うかもしれないけど、税制改正はより複雑なんで、多数の市民が望む国境警備予算の法案可決が遅れる方のリスクも加味しないといけない。したがって、どうしてもチームトランプの希望としてはまず100日以内に、米国市民の信任を得ている国境警備問題に即対処し、次の巨大法案で税制改正っていうのが落としどころとなる。しつこいかもしれないけど、Two-Trackの場合も、第二弾の税制改正審議は国境警備法案可決を待つ必要はなく、国境警備は下院司法委員会、税制改正は下院歳入委員会が中心にDual Trackで法案をまとめないと時間的に間に合わないだろう。
さらに2025年になったらグラスルーツを総動員して民主党議員にもプレッシャーを掛けて僅差を補うような努力も必要。1986年のレーガン政権による税制改革(今のInternal Revenue Codeは1986年版が元)時には多くの有権者が民主党議員に賛成に回るよう働き掛け、下院を292-136で可決させている。Joint Committeeに行く前の上院バージョンは97対3だったっていうから凄い。もしチップが非課税になる規定が入るような場合、ネバダ州では民主党議員でも反対票は投じ難いだろう。
下院と上院の制度差異
でもそんなことポリティクスに素人の僕が言ってるくらいだったら当然、海千山千の両院議員は百も承知だろうから、そういう風にTwo-Trackで同時審議したらいいじゃん、って思うかもしれないけど、ここが下院と上院の温度差が表面化するところ。2026年の中間選挙では、下院は全議席入れ替わるけど上院は3分の1のみ。すなわち、下院を規定する連邦憲法第I条のsection 2に基づき、下院435全議席は2年が任期。これは下院議員が一般PeopleとOut-of-Touchにならないように、2年毎に定期的にチェックを受けるという連邦憲法の知恵。一方、上院を規定する連邦憲法第I条のsection 3では上院議員の任期は6年。2年毎に行われる選挙では約3分の1づつ入れ替わることになる。Hostile Takeoverの対抗策「Classified Board(3分の1づつ選任することで一気に過半数取られない仕組み)」に似てる。Poison Pillと比較してもClassified Boardはより有効な敵対買収対抗策だ。実際にはHostile Takeoverって今日日の米国ではほとんどないけどね。アクティビストファンドのプレッシャーは敵対買収とは違うからね。
で、上院の6年に亘る時間差選挙だけど、これは急激な民衆の意思変化やそれに伴う議会勢力の短期的変動を避ける目的がある。下院の短期的な民衆の意思の反映と安定性のある上院をかみ合わせた二院制の立法府とすることで民衆の意思は反映しつつも長期的な安定性も確保するっていう制度だ。1788年当時の創立者が継続可能性の高い民主主義にしようとしている思慮深さが反映されている。何と言っても現在機能している憲法としては世界最古だからね。前から頻繁に警鐘を鳴らしてるけど、立派な憲法があっても守らなくなったら終わり。独裁政権や全体主義の国でももしかしたら一見まともな憲法があるかもしれない。
本当の民主主義の国との違いは守るか守らないか。また守らないといけない制度設計になっているかだ。その基本は言論の自由と三権分立にあるだろう。1788年から240年近く連邦憲法が機能し続けているのは、米国における「法の支配」に対する意識が強いっていうのが一つの理由だろう。でも最近は急進派系の議員とかが、自分が気に入らない判決が出たりすると最高裁は不法だ、とか言い出したりするケースがあるけどとても危険なレトリック。一般の人がランダムにそういったことを言うのは仕方がないけど、議員は連邦憲法第VI条に基づき「連邦憲法に忠実であり、憲法を守る」って就任宣言してるんだからその宣誓に忠実に行動しないとおかしい。実際の宣誓文言は連邦法、5 USC section 3331に規定されている。憲法は個人の自由、財産、命を守るためにあるんだから米国も気を付けないとね。
という制度的な背景で中間選挙に対する緊迫度は下院100%とすると上院は30%チョッとっていう感じ。この差が第二弾の税制改正のタイムラインに対する感覚の差になって現れないよう規律を持って対処できるんだったらTwo-TrackでもOKかも。
まとめ
いろいろと書いたんで今日のテーマを簡単にまとめておくと、2回に分けるアプローチに対する下院の懸念はRealなもの。だけどチームトランプがTwo-Trackを好む以上、上院のアプローチに傾きつつある今日この頃。下院と上院で中間選挙に対する温度差があるのは制度上仕方がないけど、Two-Trackとなる場合、第二弾とは言え2025年夏までにはいずれにしても対処しないと2026年中間選挙に弊害が出るので、上院がそれにコミットメントできるかどうかがキーと言える。
下院・上院案のプロコン
下院案の一発巨大パッケージのメリットは前回のポスティングで触れた下院の議席数が僅差にある点の懸念を克服し易いと考えられる点。例えばもし国家財政責任に重点を置くいわゆるDeficit Hawkの共和党下院議員が減税に腰が引けてる場合、同じ法案に国境警備が盛り込まれてないと賛成意欲が削がれるリスクがある。それなんで全てひとつのパッケージ化しておくのが安全と言う理論。前々回触れた通り、下院の議席差異は僅少っていうリスクは十分に加味する必要がある。また同じようなポイントだけど、4月のフロリダ特別選挙まで一議席差が続くとすると、その間に争点が少ないとは言え、第一弾の国境警備法案を可決することができるのか、っていう不安もチラつく。
上院と共にチーム・トランプは下院がこんな懸念を持つこと自体を煙たがってる様子がある。税制改正にはある程度時間が掛かる。米国市民が願っている国境警備に関して第一弾で素早く対処するのは当然という感覚。また税法案のドラフトは複雑で議会と財務省との連携が重要だけどScott Bessentは早期に承認を得られると仮定しても、省内の税務担当も稼働している必要がありこの点でも時間を要する。
さらにチームトランプには第二弾の可決は下院が懸念するほど困難ではないだろう、という読みもある。国防長官候補のHegsethが息を吹き返してることからも共和党議員に対するトランプの影響力は絶大で、増してや選挙公約の減税に反対票を投じるような者は次回のPrimary(予備選)も考えるといないという強気の読みだ。
陸軍・海軍フットボール観戦首脳会談
そんな中、年末恒例の陸軍・海軍フットボール(Army-Navy game)が12月14日メリーランド州ランドーバー で開催された。Army-Navy gameは1890年から続く陸軍士官学校(West Point)と海軍士官学校(Naval Academy)が対決する由緒あるカレッジフットボール。勝者には「Commander-in-Chief's Trophy」が与えられるだけに歴代の大統領(Commander-in-Chief)が観戦することが多い。今年のゲームは現大統領は既に存在感がなくなってるせいかどうか分からないけど、バイデンは姿を見せず(2021年の観戦が最後)、今年は米国内外で既に大統領かのようなプレゼンスになっているトランプが観戦した。トランプと共に登場したのは新政権リーダーWho’s Who。VPのVance、両院リーダーのJohnson、Thune(South Dakota覚えてる?)、そしてどちらかと言うと上院での承認プロセスで精査が厳しそうなHegseth(国防長官)、Gabbard(国家情報長官)、Patel(FBI長官)の3名、DOGEのMusk、Ramaswamy両人、DeSantis(フロリダ州知事)、Chief of StaffのSusie Wilesその他。
で、スイートで観戦しながら予算調整法のアプローチに関してトランプ、下院議長Johnson、上院Majority Leader(2025年から)のThuneの「Big 3」による首脳会談が行われた。JohnsonもThuneも早期に方向性を決めてしまいたい、また最終調整・決断はトランプにしかできない点で意見は一致。報道によると上院ThuneがTwo-Trackを押したのに対して、下院Johnsonはチームトランプが上院案を好んでいることを知っているので必ずしも下院の一発案を押すのではなく、下院歳入委員長のJason Smith を代表とする共和党議員の2回に分けてしまって党内調整が難航する懸念をトランプに十分に伝え、その上で最終決定された戦略には100%従うという出方をしたそうだ。
結局どうする?
結局のところ究極の仲裁人はトランプということで判断はトランプに委ねられたようだけど、チームトランプはDeputy Chief of StaffのStephen Miller等が下院議員と密に連絡を取り調整をしている。その甲斐があってか、下院共和党派閥の中でもDeficit Hawkで硬派のFreedom CaucusがTwo-Trackを公認する旨の書簡を送付するに至っている。ということはほぼTwo-Trackに決まりそうな感じだけど、下院共和党議員にはトランプから直接最終判断を聞きたいという希望があるようだ。一応、方向性が決まれば全員一丸になる用意はできているということらしい。
Two-Trackのもう一つのアキレス腱
税制改正が後半にもつれ込むもう一つのリスクは2026年の中間選挙への影響。ただでさえ大統領が属する党の下院は中間選挙で歴史的に不利な立場にあるけど、税制改正が遅れてその効果を2025年中に有権者が肌で感じることができないと減税が中間選挙の強みっていうかセールスポイントになり難い。2017年のTCJA可決が12月22日までずれ込んだため、2018年の中間選挙は共和党が大きく議席を失ってる。1982年のレーガン政権もそうだ。The Economic Recovery Tax Act of 1981 (ERTA)の可決は1981年8月後半だったけど、1982年の下院で同じく結構な議席を失ってる。トランプ政権が目指す地殻変動的な連邦政府の無駄削減や国境警備強化を4年間継続して徹底するには2026年の中間選挙で下院の多数を死守する必要があり、そのためには2024年早期に税制改正や規制緩和を達成し、有権者がその恩典を肌で感じることができる期間を設けるっていうタイムラインが求められる。大恐慌後の1934年のFDR政権下の下院・上院多数維持みたいな状況が理想だ。
このタイムラインはかなりタイトだ。Two-Trackで2回目により複雑な税制改正を上院が主張するからには、税制改正および規制緩和を2025年の夏、願わくば独立記念日の7月4日までに税制改正を達成するコミットメントがあるかどうかが一つのキー。このコミットメントがあやふやな状況だと下院の言う通り一発で対処してしまう方がいい。このタイムラインを達成するには5月には審議が開始され、6月には両院委員で法案のすり合わせをする必要がある。上述の通り、2つの予算調整法は並行して審議可能だし、また2024年を通して「もしTrifectaになったら」っていうシナリオで予算調整法を想定した税制改正法案の基となる文言を両院で検討していたことから、もしかしたら可能なタイムラインかもしれないけど、それでもかなりタイトなスケジュールだ。
第二弾の早期達成は可能か
だったら下院が言う通り一発で税制改正も含む巨大パッケージにしたらいいじゃん、って思うかもしれないけど、税制改正はより複雑なんで、多数の市民が望む国境警備予算の法案可決が遅れる方のリスクも加味しないといけない。したがって、どうしてもチームトランプの希望としてはまず100日以内に、米国市民の信任を得ている国境警備問題に即対処し、次の巨大法案で税制改正っていうのが落としどころとなる。しつこいかもしれないけど、Two-Trackの場合も、第二弾の税制改正審議は国境警備法案可決を待つ必要はなく、国境警備は下院司法委員会、税制改正は下院歳入委員会が中心にDual Trackで法案をまとめないと時間的に間に合わないだろう。
さらに2025年になったらグラスルーツを総動員して民主党議員にもプレッシャーを掛けて僅差を補うような努力も必要。1986年のレーガン政権による税制改革(今のInternal Revenue Codeは1986年版が元)時には多くの有権者が民主党議員に賛成に回るよう働き掛け、下院を292-136で可決させている。Joint Committeeに行く前の上院バージョンは97対3だったっていうから凄い。もしチップが非課税になる規定が入るような場合、ネバダ州では民主党議員でも反対票は投じ難いだろう。
下院と上院の制度差異
でもそんなことポリティクスに素人の僕が言ってるくらいだったら当然、海千山千の両院議員は百も承知だろうから、そういう風にTwo-Trackで同時審議したらいいじゃん、って思うかもしれないけど、ここが下院と上院の温度差が表面化するところ。2026年の中間選挙では、下院は全議席入れ替わるけど上院は3分の1のみ。すなわち、下院を規定する連邦憲法第I条のsection 2に基づき、下院435全議席は2年が任期。これは下院議員が一般PeopleとOut-of-Touchにならないように、2年毎に定期的にチェックを受けるという連邦憲法の知恵。一方、上院を規定する連邦憲法第I条のsection 3では上院議員の任期は6年。2年毎に行われる選挙では約3分の1づつ入れ替わることになる。Hostile Takeoverの対抗策「Classified Board(3分の1づつ選任することで一気に過半数取られない仕組み)」に似てる。Poison Pillと比較してもClassified Boardはより有効な敵対買収対抗策だ。実際にはHostile Takeoverって今日日の米国ではほとんどないけどね。アクティビストファンドのプレッシャーは敵対買収とは違うからね。
で、上院の6年に亘る時間差選挙だけど、これは急激な民衆の意思変化やそれに伴う議会勢力の短期的変動を避ける目的がある。下院の短期的な民衆の意思の反映と安定性のある上院をかみ合わせた二院制の立法府とすることで民衆の意思は反映しつつも長期的な安定性も確保するっていう制度だ。1788年当時の創立者が継続可能性の高い民主主義にしようとしている思慮深さが反映されている。何と言っても現在機能している憲法としては世界最古だからね。前から頻繁に警鐘を鳴らしてるけど、立派な憲法があっても守らなくなったら終わり。独裁政権や全体主義の国でももしかしたら一見まともな憲法があるかもしれない。
本当の民主主義の国との違いは守るか守らないか。また守らないといけない制度設計になっているかだ。その基本は言論の自由と三権分立にあるだろう。1788年から240年近く連邦憲法が機能し続けているのは、米国における「法の支配」に対する意識が強いっていうのが一つの理由だろう。でも最近は急進派系の議員とかが、自分が気に入らない判決が出たりすると最高裁は不法だ、とか言い出したりするケースがあるけどとても危険なレトリック。一般の人がランダムにそういったことを言うのは仕方がないけど、議員は連邦憲法第VI条に基づき「連邦憲法に忠実であり、憲法を守る」って就任宣言してるんだからその宣誓に忠実に行動しないとおかしい。実際の宣誓文言は連邦法、5 USC section 3331に規定されている。憲法は個人の自由、財産、命を守るためにあるんだから米国も気を付けないとね。
という制度的な背景で中間選挙に対する緊迫度は下院100%とすると上院は30%チョッとっていう感じ。この差が第二弾の税制改正のタイムラインに対する感覚の差になって現れないよう規律を持って対処できるんだったらTwo-TrackでもOKかも。
まとめ
いろいろと書いたんで今日のテーマを簡単にまとめておくと、2回に分けるアプローチに対する下院の懸念はRealなもの。だけどチームトランプがTwo-Trackを好む以上、上院のアプローチに傾きつつある今日この頃。下院と上院で中間選挙に対する温度差があるのは制度上仕方がないけど、Two-Trackとなる場合、第二弾とは言え2025年夏までにはいずれにしても対処しないと2026年中間選挙に弊害が出るので、上院がそれにコミットメントできるかどうかがキーと言える。
Sunday, December 22, 2024
2024年11月米国選挙結果と米国税制 (2)「予算調整法2回どう使い分ける?」
前回はチョッと久しぶりなポスティングだったけど、一瞬Zeppelinで危険な局面があったとは言えVan HalenとかThe Beatles、増してやHendrixなどで大きく脱線することなく乗り切り、11月の米国選挙結果そして今後の米国税制審議動向を探り始めた。今回も急に極寒になったNYCでクリスマスのフロリダ行きを目標にフォーカスして頑張ります。
前回のポスティングでは、共和党がTrifectaを達成したとは言え、同床異夢(?)みたいな状況もあり得て、両院のダイナミクス的に2回の予算調整法の活用法に関して既に意見が割れてるって点をプレリュード的に話し始めた。2回の予算調整法をどう活用するべきか巡る駆け引きは2025年の審議を見守る際のキーポイントのひとつなんで今日はもう少し深掘りしてみたい。
予算調整法アプローチ下院・上院案
2回の予算調整法の活用法に関して浮上している下院案と上院案の異なる2つのアプローチの大枠は前回のポスティングで既に触れた通り。軽くおさらいしておくと、下院案は第一弾、っていうか合体一発メガ弾?で国境警備、エネルギー政策、国防、そしてTCJAクリフ対策やトランプ提案の新税制の全てを盛り込んだクリスマスツリー的な巨大パッケージを可決っていうもの。一方の上院案は第一弾予算調整法では争点が少ない国境警備、場合によってはこれにプラスして国防やエナジー関係を盛り込み、こちらは政権発足後直ぐに可決。その後、より複雑な税制改正を第二弾で可決というもの。上院案の第一弾は「Fully Offset」すなわち他の歳出削減等でネット歳出を伴わない法案を想定している。
下院・上院の重鎮プレーヤー
下院案は議長のMike Johnson、下院Majority LeaderのSteve Scalise、下院歳入委員会のJason Smithらの一派が提言していて、上院案は上院Majority LeaderとなるJohn Thune、上院財政委員会のMike Crapoらによるものっていう点も前回触れた。
上院のJohn Thuneは従来から税制改正には深い関与がある人物。2011年から上院財政委員会のメンバーでTCJAの2017年可決にRyan、Brady、McConnell、Hatchの「Big 4」と同等に尽力した功績を持つ。一貫して増税に反対し個人や事業主の税負担軽減による経済成長を促進する政策を支持してきた。South Dakotaの議員なので農場や牧場事業継承の足かせとなるEstate Taxにも常に反対を表明している。
ちなみにSouth Dakotaと言えば、現知事のKristi NoemがHomeland Security長官に推薦されている。コロナの頃、NYとかCAは州政府・地元の官僚による個人行動の規制が激しかったんで個人の自由が一番尊重されていたSouth Dakotaで夏のひと時を過ごしたりしたけど同じ国でも州政府によって対処が大きく異なり、米国は州が国家主権同様っていうのは頭では以前から理解してたけど、コロナ禍は期せずしてそんな米国の実態を体感する機会になった。South DakotaのNoemはLock-Down系の強制措置は一切取らず、情報提供やその他の対応に限定し、後は州民の自由・責任としていた。他にもArkansas、Iowa、Nebraska、近所のWyomingやNorth DakotaもSouth Dakota程ではないけどオフィシャルなLock-Downオーダーは出てなかったはず。2020年夏のWyomingからSouth Dakotaに向かう途中のハイウェイパトロールの話しは以前「2024年11月米国選挙と2025年TCJAクリフ (6)」で書いたから見てみてね。これらの州と並びFlorida、Georgia、Texasも比較的緩やかな規制で、コロナ対策と個人や事業主の自由のバランスを取る政策を取っていた。そのため、さすがに冬のSouth Dakotaは寒いんでNYCからはFlorida、CAからはTexasに移住する人やビジネスは多かった。
「クライシス」時に政府やポリティシャンの本性が出るよね。第二次世界大戦時の日系人収用もその一つだね。どう考えても差別で憲法違反だけど最高裁は6対3で容認(「Korematsu v. United States, 323 U.S. 214 (1944)」)。日本人として米国と言う国を考える際に必読の判例(前回から必読が多過ぎ?)。え~読んだことないって?その場合は3名の判事(Murphy、Jackson、Roberts)の反対意見から読むのがいいかも。JacksonやRobertsっていうと今の最高裁にも同姓の判事がいるけど関係なくて1944年当時の判事のことだからね。ちなみにKorematsuで強い反対意見を書いたFrank Murphyは当時の大統領、民主党のFDRに任命されてるけど、日系人収用はそのFDRが大統領令(Executive Order 9066)で決定している。自分を任命してくれた大統領の政策にもかかわらず強烈な反対意見を表明している点、現最高裁判事の一人Amy Coney Barrettが未だTrumpに判事を任命される前にHillsdale Collegeで講演した際、最高裁判事は憲法にのみ忠実でなくてはいけないとし、自分が誰に任命されたとしても判断には一切影響は受けず、ポリティクスに左右されない判事の鏡としてMurphyの名を挙げている。ちなみにKorematsu判決は何の罪もない多くの日系人個人(米国市民)の自由を奪った政策を合憲・合法としたとして一般には米国史に残る誤りと認識されている。
Jason Smithと上院の確執?
で、John ThuneのSouth Dakotaでチョッと脇道に逸れたけど、実は下院歳入委員会のJason Smithと上院の間にはチョッとした不和がある。2025年のTCJAクリフを待たずに、TCJAには前倒しで自動変更された規定がいくつかある。2022年から研究開発支出が費用化の代わりに資産計上の上5年(米国外の活動は15年)償却になったり、支払利息損金算入制限のベースがEBITDAではなくEBITになっている。また100%即時償却も2023年から20%づつ減額される仕組み。これらを変更前の規定に戻すため2024年1月にJason Smithが先導し下院でAmerican Families and Workers Act of 2024(H.R. 7024)が可決され、同法案は上院の手に渡った。法案には他にも、国家主権として認知されていないために租税条約の締結ができない台湾との間に条約以外の形で実質似たような合意をみる規則も盛り込まれていた。ところが上院は法案を審議することなく放置したまま結局可決を見ないままの状態になってしまったっていう経緯。このせいかどうかは分かんないけど上院のTwo-Track案にJason Smithが一番深い懸念を示しているって言われている。
なかなかそれぞれの案のメリット・デメリットの話しに行かなくてごめん。今日は第二次世界大戦とKorematsuの話しで興奮してしまったんでここから次回。
予算調整法アプローチ下院・上院案
2回の予算調整法の活用法に関して浮上している下院案と上院案の異なる2つのアプローチの大枠は前回のポスティングで既に触れた通り。軽くおさらいしておくと、下院案は第一弾、っていうか合体一発メガ弾?で国境警備、エネルギー政策、国防、そしてTCJAクリフ対策やトランプ提案の新税制の全てを盛り込んだクリスマスツリー的な巨大パッケージを可決っていうもの。一方の上院案は第一弾予算調整法では争点が少ない国境警備、場合によってはこれにプラスして国防やエナジー関係を盛り込み、こちらは政権発足後直ぐに可決。その後、より複雑な税制改正を第二弾で可決というもの。上院案の第一弾は「Fully Offset」すなわち他の歳出削減等でネット歳出を伴わない法案を想定している。
下院・上院の重鎮プレーヤー
下院案は議長のMike Johnson、下院Majority LeaderのSteve Scalise、下院歳入委員会のJason Smithらの一派が提言していて、上院案は上院Majority LeaderとなるJohn Thune、上院財政委員会のMike Crapoらによるものっていう点も前回触れた。
上院のJohn Thuneは従来から税制改正には深い関与がある人物。2011年から上院財政委員会のメンバーでTCJAの2017年可決にRyan、Brady、McConnell、Hatchの「Big 4」と同等に尽力した功績を持つ。一貫して増税に反対し個人や事業主の税負担軽減による経済成長を促進する政策を支持してきた。South Dakotaの議員なので農場や牧場事業継承の足かせとなるEstate Taxにも常に反対を表明している。
ちなみにSouth Dakotaと言えば、現知事のKristi NoemがHomeland Security長官に推薦されている。コロナの頃、NYとかCAは州政府・地元の官僚による個人行動の規制が激しかったんで個人の自由が一番尊重されていたSouth Dakotaで夏のひと時を過ごしたりしたけど同じ国でも州政府によって対処が大きく異なり、米国は州が国家主権同様っていうのは頭では以前から理解してたけど、コロナ禍は期せずしてそんな米国の実態を体感する機会になった。South DakotaのNoemはLock-Down系の強制措置は一切取らず、情報提供やその他の対応に限定し、後は州民の自由・責任としていた。他にもArkansas、Iowa、Nebraska、近所のWyomingやNorth DakotaもSouth Dakota程ではないけどオフィシャルなLock-Downオーダーは出てなかったはず。2020年夏のWyomingからSouth Dakotaに向かう途中のハイウェイパトロールの話しは以前「2024年11月米国選挙と2025年TCJAクリフ (6)」で書いたから見てみてね。これらの州と並びFlorida、Georgia、Texasも比較的緩やかな規制で、コロナ対策と個人や事業主の自由のバランスを取る政策を取っていた。そのため、さすがに冬のSouth Dakotaは寒いんでNYCからはFlorida、CAからはTexasに移住する人やビジネスは多かった。
「クライシス」時に政府やポリティシャンの本性が出るよね。第二次世界大戦時の日系人収用もその一つだね。どう考えても差別で憲法違反だけど最高裁は6対3で容認(「Korematsu v. United States, 323 U.S. 214 (1944)」)。日本人として米国と言う国を考える際に必読の判例(前回から必読が多過ぎ?)。え~読んだことないって?その場合は3名の判事(Murphy、Jackson、Roberts)の反対意見から読むのがいいかも。JacksonやRobertsっていうと今の最高裁にも同姓の判事がいるけど関係なくて1944年当時の判事のことだからね。ちなみにKorematsuで強い反対意見を書いたFrank Murphyは当時の大統領、民主党のFDRに任命されてるけど、日系人収用はそのFDRが大統領令(Executive Order 9066)で決定している。自分を任命してくれた大統領の政策にもかかわらず強烈な反対意見を表明している点、現最高裁判事の一人Amy Coney Barrettが未だTrumpに判事を任命される前にHillsdale Collegeで講演した際、最高裁判事は憲法にのみ忠実でなくてはいけないとし、自分が誰に任命されたとしても判断には一切影響は受けず、ポリティクスに左右されない判事の鏡としてMurphyの名を挙げている。ちなみにKorematsu判決は何の罪もない多くの日系人個人(米国市民)の自由を奪った政策を合憲・合法としたとして一般には米国史に残る誤りと認識されている。
Jason Smithと上院の確執?
で、John ThuneのSouth Dakotaでチョッと脇道に逸れたけど、実は下院歳入委員会のJason Smithと上院の間にはチョッとした不和がある。2025年のTCJAクリフを待たずに、TCJAには前倒しで自動変更された規定がいくつかある。2022年から研究開発支出が費用化の代わりに資産計上の上5年(米国外の活動は15年)償却になったり、支払利息損金算入制限のベースがEBITDAではなくEBITになっている。また100%即時償却も2023年から20%づつ減額される仕組み。これらを変更前の規定に戻すため2024年1月にJason Smithが先導し下院でAmerican Families and Workers Act of 2024(H.R. 7024)が可決され、同法案は上院の手に渡った。法案には他にも、国家主権として認知されていないために租税条約の締結ができない台湾との間に条約以外の形で実質似たような合意をみる規則も盛り込まれていた。ところが上院は法案を審議することなく放置したまま結局可決を見ないままの状態になってしまったっていう経緯。このせいかどうかは分かんないけど上院のTwo-Track案にJason Smithが一番深い懸念を示しているって言われている。
なかなかそれぞれの案のメリット・デメリットの話しに行かなくてごめん。今日は第二次世界大戦とKorematsuの話しで興奮してしまったんでここから次回。
Saturday, December 21, 2024
2024年11月米国選挙結果と米国税制
共和党Trifecta
米国選挙について最後のポスティングしたのが8月末だから、それからあっという間に3か月半の月日が経ってしまった。11月5日の選挙結果は皆さんもご存じの通り、大統領府、議会両院を共和党が制覇し「Trifecta」となった。大統領選に関してはレガシーメディアや世論調査が最後まで大接戦を報じてたけど、蓋を開けてみたら「Not even close」。選挙人ベースでトランプ312対ハリス226、全米得票数ベースでもトランプが多数、スイングステート7州全州、ブルーウォール州全州トランプが勝ち取った。
税制改正の行方
2025年TCJAクリフ対策の具体案やOECDのBEPS 2.0の運命に関しては、選挙でどちらかの党がTrifectaを達成することができるか、また両院や大統領府に関して党がSplitする場合は各府の構図がどうなるか、で大きな影響を受けるって「2024年11月米国選挙と2025年TCJAクリフ (4)」で触れた。特にどちらかの党がTrifectaを達成すると方向性が明確になるっていうことだったけど、共和党がTrifectaを実現させたので、選挙前よりも容易に今後の動向オプションを占うことができる。
2025年マイルストーン
Trifecta下で起こる税制や通商を取り巻く今後の主たるマイルストーンの第一弾は法的に新政権が発足する2025年1月20日正午。この時点で議会の関与なく大統領権限で実行できるExecutive Orderが複数公表されるだろう。Executive Orderには国境警備強化、学校教育等の社会問題と並び、通商・関税にかかわるものが含まれるって予想される。同日付けでパリ協定からの再度離脱もあり得る。
次のマイルストーンは政権発足後100日のMomentumが高い期間の議会による立法プロセス。上院は60議席に満たないんでFilibusterを回避できず、例によって多数決で法案可決ができる予算調整法を活用することになる。TCJAの多くの規定の延長、場合によってはトランプが選挙活動中に触れていたチップ、公的年金受給、残業代非課税化、国内製造に帰する所得に15%まで更なる法人税引き下げ、JDバンスのCTC拡充、等の税法改正を含む歳入・歳出にかかわる審議が行われる。予算調整法は会計年度一回のWild Cardだけど、国家会計期間が10月から始まるので実は暦年2025年に2回使える。この2回をどんな風に活用するかは見もの(後述)。予算調整法が2回使えることから3つめのマイルストーンは100日の速攻モーメンタム後の第二弾予算調整法審議・可決となる。実は2つの予算調整法は手続き的には並行して審議することができる。したがって第二弾が必ずしも2025年末にずれ込むとは限らない。2026年になると中間選挙が視野に入ってきて大きな法案の審議や可決がタイトになるんで2025年早めに可決させないとただでさえ難しい党内調整がさらに難航するリスクが高まる。
僅少な下院議席差異
下院では共和党が多数を押さえているとは言え、僅少差異なので今後の法案審議時に共和党下院議員が一枚岩になれるかどうかがキー。選挙結果だけ見ると220対215だけど、Defense Secretary候補だったMatt Gaetz(R-Fla)が下院から辞任、キャンパスでのユダヤ人学生差別問題でハーバードやUPennの学長を辞任に追い込んで有名になったElise Stefanik(R-NY)の国連大使就任、Michael Waltz(R-Fla)のNational Security Advisor就任、で3人の欠員となる。既に欠員になってるMatt Gaetzの議席にかかわるフロリダ州特別選挙が実施される4月まではナンと217対215だ。「二議席差か…」って思うかもしてないけど、1人でも寝返ると得票数としては216対216とかになり兼ねず万事休す。法案可決には多数決が必要なことから、ボトムライン全員一致団結が必要になる。
う~ん、下院共和党にできるかな~。共和党下院は党内コンセンサスを取り付けるのが困難っていうのは歴史が証明している。この辺りの熾烈なダイナミクスを描写したノンフィクションに2011年~15年まで下院議長を務めたJohn Boehner(R-OH)の回想録「On the House」っていう本があるけど、米国ポリティクスに興味ある方は必読。ハードロックの天才ドラムに興味ある方はJohn BonhamのMoby Dick必聴(関係ないね…。ここでLed Zeppelinの話しになると長くなるんで我慢しておきます)。Boehnerの後任のPaul Ryan(R-WI)も同じように派閥調整に苦労し、2017年共和党Trifecta下でオバマケア廃案に失敗しその後辞職している。2017年当時との比較で、今回は下院議長のMike JohnsonがトランプにAll-Inなので、トランプと確執が伝えられていたPaul Ryan時代よりはスムーズではないかっていう観測もある。さらに下院共和党派閥にも、2017年は内輪もめで貴重なTrifectaを最大限活用できなかった点の反省、また米国市民の信任を得たトランプ大統領のアジェンダは実行しないといけないっていう使命感は強いだろうからトランプが明確な方向性を打ち出せば「今回こそは・・・」っていう見方もある。でも今週のContinuing Resolution (CR)劇を見も分かる通り、実際にはそんなに単純な話しじゃないんでどうなりますでしょうか。
2回の予算調整法の使い道
暦年2025年に予算調整法が2回使える点は上述の通りだけど、この2回をどんな風に活用するかは見もの。この2回の使い分けは単なるタクティクスを超越した深淵な検討となる。
現時点で大別すると下院案と上院案が異なる形で浮上している。下院筋は第一弾予算調整法に国境警備、エネルギー政策、そしてTCJAクリフ対策やトランプ提案の新税制の全てを盛り込んだクリスマスツリー的な巨大パッケージを希望している。下院議長のMike Johnson、下院Majority LeaderのSteve Scalise、下院歳入委員会のJason Smithらがこの一派。一方の上院は第一弾予算調整法では争点が少ない国境警備、場合によってはプラスで国防やエナジー関係を盛り込み、こちらは初日とはいかなくても政権発足後直ぐに可決させ、より複雑な税制改正は第二弾で満を持す感じで対処したいという意向を持つ。上院Majority LeaderとなるJohn Thune、上院財政委員会のMike Crapoらがそちらの一派だ。トランプを含む大統領府一派はどちらかというと上院案に傾いてるらしい。
また、税制改正に関しては第一弾でTCJAクリフに対処し、第二弾にトランプ選挙活動中に提案していた新税制にフォーカスっていうマイナーなプランCも報道されている。
下院と上院が希望する異なるアプローチ。どっちも一長一短だけど、その真意や最新のダイナミクスに関しては長くなるんで次のポスティングでまとめてみる。
米国選挙について最後のポスティングしたのが8月末だから、それからあっという間に3か月半の月日が経ってしまった。11月5日の選挙結果は皆さんもご存じの通り、大統領府、議会両院を共和党が制覇し「Trifecta」となった。大統領選に関してはレガシーメディアや世論調査が最後まで大接戦を報じてたけど、蓋を開けてみたら「Not even close」。選挙人ベースでトランプ312対ハリス226、全米得票数ベースでもトランプが多数、スイングステート7州全州、ブルーウォール州全州トランプが勝ち取った。
税制改正の行方
2025年TCJAクリフ対策の具体案やOECDのBEPS 2.0の運命に関しては、選挙でどちらかの党がTrifectaを達成することができるか、また両院や大統領府に関して党がSplitする場合は各府の構図がどうなるか、で大きな影響を受けるって「2024年11月米国選挙と2025年TCJAクリフ (4)」で触れた。特にどちらかの党がTrifectaを達成すると方向性が明確になるっていうことだったけど、共和党がTrifectaを実現させたので、選挙前よりも容易に今後の動向オプションを占うことができる。
2025年マイルストーン
Trifecta下で起こる税制や通商を取り巻く今後の主たるマイルストーンの第一弾は法的に新政権が発足する2025年1月20日正午。この時点で議会の関与なく大統領権限で実行できるExecutive Orderが複数公表されるだろう。Executive Orderには国境警備強化、学校教育等の社会問題と並び、通商・関税にかかわるものが含まれるって予想される。同日付けでパリ協定からの再度離脱もあり得る。
次のマイルストーンは政権発足後100日のMomentumが高い期間の議会による立法プロセス。上院は60議席に満たないんでFilibusterを回避できず、例によって多数決で法案可決ができる予算調整法を活用することになる。TCJAの多くの規定の延長、場合によってはトランプが選挙活動中に触れていたチップ、公的年金受給、残業代非課税化、国内製造に帰する所得に15%まで更なる法人税引き下げ、JDバンスのCTC拡充、等の税法改正を含む歳入・歳出にかかわる審議が行われる。予算調整法は会計年度一回のWild Cardだけど、国家会計期間が10月から始まるので実は暦年2025年に2回使える。この2回をどんな風に活用するかは見もの(後述)。予算調整法が2回使えることから3つめのマイルストーンは100日の速攻モーメンタム後の第二弾予算調整法審議・可決となる。実は2つの予算調整法は手続き的には並行して審議することができる。したがって第二弾が必ずしも2025年末にずれ込むとは限らない。2026年になると中間選挙が視野に入ってきて大きな法案の審議や可決がタイトになるんで2025年早めに可決させないとただでさえ難しい党内調整がさらに難航するリスクが高まる。
僅少な下院議席差異
下院では共和党が多数を押さえているとは言え、僅少差異なので今後の法案審議時に共和党下院議員が一枚岩になれるかどうかがキー。選挙結果だけ見ると220対215だけど、Defense Secretary候補だったMatt Gaetz(R-Fla)が下院から辞任、キャンパスでのユダヤ人学生差別問題でハーバードやUPennの学長を辞任に追い込んで有名になったElise Stefanik(R-NY)の国連大使就任、Michael Waltz(R-Fla)のNational Security Advisor就任、で3人の欠員となる。既に欠員になってるMatt Gaetzの議席にかかわるフロリダ州特別選挙が実施される4月まではナンと217対215だ。「二議席差か…」って思うかもしてないけど、1人でも寝返ると得票数としては216対216とかになり兼ねず万事休す。法案可決には多数決が必要なことから、ボトムライン全員一致団結が必要になる。
う~ん、下院共和党にできるかな~。共和党下院は党内コンセンサスを取り付けるのが困難っていうのは歴史が証明している。この辺りの熾烈なダイナミクスを描写したノンフィクションに2011年~15年まで下院議長を務めたJohn Boehner(R-OH)の回想録「On the House」っていう本があるけど、米国ポリティクスに興味ある方は必読。ハードロックの天才ドラムに興味ある方はJohn BonhamのMoby Dick必聴(関係ないね…。ここでLed Zeppelinの話しになると長くなるんで我慢しておきます)。Boehnerの後任のPaul Ryan(R-WI)も同じように派閥調整に苦労し、2017年共和党Trifecta下でオバマケア廃案に失敗しその後辞職している。2017年当時との比較で、今回は下院議長のMike JohnsonがトランプにAll-Inなので、トランプと確執が伝えられていたPaul Ryan時代よりはスムーズではないかっていう観測もある。さらに下院共和党派閥にも、2017年は内輪もめで貴重なTrifectaを最大限活用できなかった点の反省、また米国市民の信任を得たトランプ大統領のアジェンダは実行しないといけないっていう使命感は強いだろうからトランプが明確な方向性を打ち出せば「今回こそは・・・」っていう見方もある。でも今週のContinuing Resolution (CR)劇を見も分かる通り、実際にはそんなに単純な話しじゃないんでどうなりますでしょうか。
2回の予算調整法の使い道
暦年2025年に予算調整法が2回使える点は上述の通りだけど、この2回をどんな風に活用するかは見もの。この2回の使い分けは単なるタクティクスを超越した深淵な検討となる。
現時点で大別すると下院案と上院案が異なる形で浮上している。下院筋は第一弾予算調整法に国境警備、エネルギー政策、そしてTCJAクリフ対策やトランプ提案の新税制の全てを盛り込んだクリスマスツリー的な巨大パッケージを希望している。下院議長のMike Johnson、下院Majority LeaderのSteve Scalise、下院歳入委員会のJason Smithらがこの一派。一方の上院は第一弾予算調整法では争点が少ない国境警備、場合によってはプラスで国防やエナジー関係を盛り込み、こちらは初日とはいかなくても政権発足後直ぐに可決させ、より複雑な税制改正は第二弾で満を持す感じで対処したいという意向を持つ。上院Majority LeaderとなるJohn Thune、上院財政委員会のMike Crapoらがそちらの一派だ。トランプを含む大統領府一派はどちらかというと上院案に傾いてるらしい。
また、税制改正に関しては第一弾でTCJAクリフに対処し、第二弾にトランプ選挙活動中に提案していた新税制にフォーカスっていうマイナーなプランCも報道されている。
下院と上院が希望する異なるアプローチ。どっちも一長一短だけど、その真意や最新のダイナミクスに関しては長くなるんで次のポスティングでまとめてみる。
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