グローバルウォーミング・地球温暖化にはいろんな懐疑論もあったりして、悲しいことに米国税務とサブカルチャーの一部にしか知見のない僕個人は、一体何を信じていいのか合理的な推測すらできない。なんで科学的な話しはできないんだけど、体感的は話しとして、比較的温暖だった今年のニューヨークの冬は今週いきなり寒くなった。シカゴとかデトロイトのある中西部では体感温度マイナス50度(摂氏)とか報道され、これは南極より寒いとか騒がれていた。南極ってもちろん行ったことないけど、逆に言えばシカゴとかで体験できる寒さと比較可能なレベルなんだ、っていう変な発見もあった。マンハッタンでもiPhoneの表示だと華氏5度(摂氏でマイナス15度位)って出てたから結構寒い。ここまで寒いとマンハッタン全体、雪も降ってないのに路面とか全体に白っぽくなったりして、寒さで空気が澄んでいる点も合わせて見た目はきれい。夜も光がキラキラしていて外に出なくて済むんだったらいい感じなんだけどね。素人的に言うと、こんなに寒くなるってことは温暖化って表現は余りピンとこない。どっちかっていうと気候変動っていう方が分かり易い。
で、前回は留保所得一括課税の最終規則公表を受けて、CFC株式の簿価と課税済所得の話しを結構延々としてしまった。今日もチョッと似たような話し。なんでこんな話しをいつまでもポスティングしているかというと、簿価とかE&Pっていうのは昔から重要な属性だったけど、留保所得一括課税や今後のGILTIでその重要性が格段に増しているから。また、日本企業の米国子会社を見ていると、一般的にこれらの数値管理は疎かになっているケースが多く、2018年以降は毎期トラッキングしておかないと、CFCからの分配もできない状況になるので警鐘の意味も兼ねて(?)。
簿価関係の話しで一括課税の規則の中に実に興味深い規定がある。CFCの一括課税合算年度の期中にCFCが分配を行った際の取り扱いだ。例えば、米国株主法人からみ株式簿価がゼロのCFCに1987年以降の留保所得が100あり、全額一括課税の対象になるとする。CFCも米国株主法人も12月31日決算とすると、米国株主法人は2017年12月期に当100を課税所得として合算する。これだけの事実関係だと、12月31日時点に100がCFC側で課税済留保所得となり、CFC株式簿価が同額100増額する。もし2018年1月以降にCFCが100を分配すると、課税済留保所得の分配として、配当扱いにはならず(なので新税制下のテリトリアル課税規定である100%配当控除の対象にはならない)、CFC側では課税済留保所得100が減額し、米国株主法人はCFC株式の簿価が100減額して、合算前の簿価ゼロに戻る。。もし、留保所得一括課税以前のCFC簿価がゼロだったとすると、12月31日時点で簿価は100増額し、その後の分配時に100減額してめでたく元のゼロに戻ることとなる。
もし、分配が2017年11月とか、12月31日より以前のタイミング、すなわち留保所得一括課税の合算年度期中に行われているとどういうことが起こるだろうか。期中の分配は一括課税の対象となる留保所得認定には影響がないので、期中の分配がなかったケース同様、米国株主法人は2017年12月期に100合算課税される。ということはこの100の原資となる留保所得は課税済みになるし、CFC株式簿価も100増額するはずなんだけど、実際には分配が先に起こっている。となると、分配された金額100に関して、課税済留保所得を原資にしていたっていう点は12月末の合算確定時点が初めて明らかになる一方、分配時点で他のカテゴリ―の留保所得を分配したと考えるのは変なので、分配時点に遡って課税済留保所得を分配したと取り扱われることになるはず。でも、株主側のCFC株式簿価調整は米国株主法人側で合算されるまで増額しないと考えると、分配時点の株式の簿価は未だゼロだったと考えられる。え~、ってことは分配時点で簿価を100減額しないといけないけど、簿価がゼロなので100のみなし譲渡益課税?っていう恐ろしい事態になりかねない。
この時間差の問題は、実は以前からモヤモヤとしていた問題で、従来のSub F所得が合算され、合算年度の期中に分配があった場合に、分配はSub F所得の範囲で課税済留保所得から行われたと取り扱われる一方、簿価の増額は期末なので、厳密に言うとミスマッチが発生するのでは、って以前から疑われていた。ただ、従来のSub F合算所得は、今回の留保所得一括課税や今後のGILTIに比べて金額が小さいことが多く、仮にそんなミスマッチがあったとしても、分配時点で株式簿価がゼロを割り込んでマイナスになるような事態が発生するリスクは低かった。また、課税済所得という位置づけはSub F合算が発生するCFC側の年度末にならないと確定しないので、実務的には分配・課税済所得の確定・簿価増額そして減額が全て同時に起こったかのように便宜的に処理しているケースも多かっただろう。
で、留保所得一括課税の最終規則では、この点に関して、仮に分配時点で譲渡益を認識するようなケースがあっても、譲渡益は米国株主法人側で合算した金額を上限に減額処理していい、と規定している。すなわち、上の例で言うと、分配時にCFC株式簿価がゼロのままなので現行法を厳格に適用し100のみなし譲渡益が発生したとしても、米国株主法人側で合算している100を上限にこの譲渡益は減額処理することが認められるというものだ。この規定自体はヘルプフルなもので有難いけど、その前提は怖い。すなわち、期中の分配はやはり簿価を増額する前に起こったとされ、その時点の簿価を減額してゼロを割り込むとみなし譲渡益になるという取り扱いを間接的に確認していると読めるからだ。やっぱり今までもそう考えるべきだったのか、とゾクッと来る感じの規定になっている。
で、譲渡益を減額する場合、株式簿価ももちろん対応して減額が必要となる。これらの全ての簿価調整はCFC課税年度の期末時点で一気に発生したかのように取り扱われ、プラス・マイナス調整が混在する場合にはネット金額一本で行うこと、と規定されている。上の簡単な例でも簿価調整関係の動きは複数発生している。100の課税済留保所得が分配された時点で100の簿価減額が求められるが、その時点の簿価はゼロなので、100のみなし譲渡益を認識し簿価はゼロのままを維持する。12月31日時点で合算課税を基に簿価は100増額、そして100のみなし譲渡益課税の減額を行うことによる100のマイナス簿価調整。結局、ネットでゼロ調整が12月末に起こり、かつ分配時のみなし譲渡益も減額されてゼロになるという仕組み。
CFCが複数あり、他のCFCのマイナス留保所得でプラスを相殺しているケースはややこしい。これは以前にも何回も触れているけど、マイナスで相殺された金額も、実際には米国株主側で課税されてないにもかかわらず課税済留保所得に生まれ変わる一方、CFC株式の簿価はその分の増額はない。そんなマイナスで相殺された課税済留保所得を持つCFCが期中に分配を行った場合、みなし譲渡益の減額は、「留保所得一括課税の財務省規則最終化 (2)」で触れた簿価調整を選択をしているケースのみで認められるとしている。そうしないと合算年度の期末以降に分配した場合の取り扱いと整合性が失われてしまうからね。
留保所得一括課税もまだまだ本当はDeepできりがないけど、次回からはBEATに戻る。
Saturday, February 2, 2019
Sunday, January 20, 2019
留保所得一括課税の財務省規則最終化 (3)
前回のポスティングでは、「CFC株式税務簿価の調整選択時の金額制限」にかかわる最終規則を詰めた。しつこいけど、これもCFC合算という新しい概念を起因とする歪にかかわる調整規則。この題材では昨日あれだけ書いたから、もういいかな、と思う反面、余りにDeepな世界なので、ついつい考え続けてしまう。NYCは週末雪という予報が出ていたので、外にも行けない環境を逆手に、家でミルクティーでも飲みながら考え続けようかな~、なんてチョッと贅沢な週末を思い描いていたんだけど、「降るぞ」って前評判が高いストームは大概空振りに終わるっていう例に漏れず、今回もマンハッタンではほぼ雪は降らず、代わりに冷たい氷雨が少し降って、それも終わって落ち着いている。まあ、数多い出張の飛行機のダイヤが乱れないのは助かるんだけど、予想してたようなWhite WeekendっぽいCozyな感じにはならず終い。東京の帰りに一瞬寄ったロサンゼルスも先週は雨が多く、新たなクロスボーダー課税を熟考するにはどこも好環境だったのかもね。
で、氷雨だったので雪ほど熟考に至らなかったけど、考え続けた結果を、氷雨レベルで軽くチョッと共有してみたい。みんなに嫌がられるのはもちろん覚悟の上で。
プラスCFCの株式簿価は高いに越したことはないことから、今回の懸念というか検討の主は、マイナスCFCの株式簿価をどう考えるかというニュアンスが強い。ただ、この点に関して財務省規則にはいくつか納税者フレンドリーな規則が入っている。まず、マイナスCFCが複数あり、プラスCFCの留保所得総額を相殺して余りあるケースでは、どのマイナスCFCのマイナス留保所得をいくら使用したかを米国株主側で特定できる仕組みになっている点。近々に売却が予想されるようなCFCの簿価は敢えて減らしたくないだろうし、簿価減額オプションを選択するケースでもそんなCFCにはできるだけ米国株主側で使用してしまったマイナス額を配賦しない、というオプションがあり得る。
次に、時価と簿価と留保所得の関係。各CFCの株式簿価プラスとマイナスを相殺するというのはあくまでも米国株主側における計算のメカニズムの話しなので、各CFCの価値が変わっている訳ではない。これは今後のGILTI課税も同様。ちなみにGILTIにかかわる簿価調整と課税済所得のルールは今回の留保所得一括課税にかかわる規則とは大きく異なるんで面白い。CFC毎に見ると実際には何も起こっていない状況なので、例えば留保所得一括課税の前段階で、一人の米国株主が、100の価値、留保所得も100、米国株主側で株式簿価がゼロのCFC、そしてゼロの価値、留保所得マイナス100、米国株主側の株式簿価が50のCFCを保有しているとする。その時点でプラスCFCの株式を譲渡すると、100のみなし配当扱い譲渡益が発生する。旧法では実際に配当しても100の配当所得となる。一方マイナスCFCを譲渡すると、50の譲渡損が発生する。譲渡損はキャピタルロスなので配当とは相殺できないとか、みなし配当にはFTCが可能とか、細かい点を除くとネットで50のプラスとなる。仮にマイナスCFCからDebt Financeに基づく分配が可能だとすると、留保所得(=E&P)はマイナスなので、配当に当る部分はなく、通常のSub Cの世界で、50の簿価を取り崩し、超過額があればみなし譲渡益になるはず。
留保所得一括課税では、100と100が相殺されるので、米国株主に課税はない。その時点で、プラスCFCの留保所得は全額「課税済み」(全額965(b) PIT)に生まれ変わり、マイナスCFCのマイナス留保所得には100のプラス調整が行われ、ゼロとなる。テクニカルにはプラスCFCのE&P100はそのままだけど、このE&Pは実質消えてしまったに近い。この時点でプラスCFCを譲渡すると、株式価値は基本変わらないので、100の譲渡益が出る。最終規則に基づくとこの100はみなし配当にはならない。マイナスCFCを譲渡すると、50の損失となる。ネットでは50のプラスが認識され、結果として一括課税の以前の状況と似ている。一括課税で米国株主は何も課税されていないことを考えると、前後で経済的な結果が似ているのは何となく正しい気がする。
で、次に選択をしたケース、しかも規則「案」の考え方に遡り、一旦「To-the-extent規定」を無視して簿価調整をしたとする。その結果、プラスCFCの株式簿価は100となり、マイナスCFCの簿価は50しかないから、みなし譲渡益が50発生する。その後、プラスCFCを譲渡すると、譲渡益はゼロ、マイナスCFCを譲渡するとやはり譲渡益はゼロとなり、蓋を開けてみると、やはり最終的に50のプラスが認識されている。
更に最終規則に規定される「To-the-extent規定」を取り込むと、マイナスCFCの簿価割れは禁止なので、50のみ減額となりマイナスCFCの簿価はゼロとなる。一方、プラスCFCの簿価増額も同額を上限とすることから、50となる。その直後に両社の株式を譲渡すると、プラスCFCに関して50の譲渡益、マイナスCFCではゼロの譲渡益となり、やはりネットではプラス50が認識されている。
そう考えると、どのシナリオでも算数的かつ長期的な経済効果は似ているように見える。もちろん実際には、将来的なCFC株式譲渡、どこからどれだけ米国に分配するか、分配の原資があるか、分配時の源泉税、FTCが取れるか、Capital Lossが想定される場合にはCapital Gainがあるか、その他、とても複雑かつ複合的な分析に基づいてどのオプションが各社にとってベストとなるかが決まる。どう考えても、選択した瞬間にみなし譲渡益が発生するようなオプションは選択するべきでないだろう。
財務省側の懸念として考えられるのは、マイナスCFCの100を利用して、プラスCFCの留保所得一括課税をシェルターした訳だから、そのマイナス100の恩典を直接・間接に部分的にでも同じ米国株主が再度、享受するようなことがないように、っていう損失の二重利用だろう。例えば、最初のシナリオで何の選択もしない場合、マイナスCFCの株式のみを譲渡すると、50の損失が出る。もし仮に同時にプラスCFC株式も譲渡すると100の譲渡益が出て、きれいにネット50のプラスとなるけど、そんなことは稀で、50の損失だけを認識してプラスCFCは今後長らく保有し続けるケースも十分に想定される。規則案の選択では、マイナスCFCに関していきなりみなし譲渡益が50認識されてしまい、プラスCFCの株式譲渡を行い、ゼロ譲渡益の恩典を享受するまで、納税者側から見ると辻褄が合わない。最終規則の考え方では、マイナスCFCの簿価をゼロとすることで、マイナスCFC株式譲渡の際の損失恩典は封じ込むことができる。これが最終規則で「To-the-extent規定」を認めた背景・バランス感覚なんだろうか。何もしてないのにみなし譲渡益が出るのはかわいそう、って思ってくれてる反面、損失の時間差も含めた二重利用は許したくない、っていう微妙なバランスをどこで見つけるか、っていうのはこの上なくアーティスティックな検討だ。
上の連結納税していない米国株主が一社で2社のみのCFCを保有しているという非現実的な単純例を見ただけでも、全ての局面で合理的となるパーフェクトルールを策定するのが不可能だということが分かる。現実の世界では100社以上のCFCを保有するケースは珍しくなく、各納税者の事実関係に基づき、変動要素が余りに多い。したがって、超複雑な検討を強いられることは火を見るよりも明らかで、みんなにとってパーフェクトとなるルールを策定するのは不可能。となると、ルールはどれだけ「不完全度合いが少ないか」という尺度に基づき、最終的な落としどころを見つけるしかなくなる。そのような「Close Call」というか、ギリギリの判断を短時間に強いられる中、財務省が公表する規則は実に思慮深い。法曹界・Big 4その他からの強力なインプットがあるとは言え、複雑な税法全体をDeepに理解していないとこんな規則策定できるもんじゃない。米国財務省の実力は凄い、って感心し続ける今日この頃でした。
で、氷雨だったので雪ほど熟考に至らなかったけど、考え続けた結果を、氷雨レベルで軽くチョッと共有してみたい。みんなに嫌がられるのはもちろん覚悟の上で。
プラスCFCの株式簿価は高いに越したことはないことから、今回の懸念というか検討の主は、マイナスCFCの株式簿価をどう考えるかというニュアンスが強い。ただ、この点に関して財務省規則にはいくつか納税者フレンドリーな規則が入っている。まず、マイナスCFCが複数あり、プラスCFCの留保所得総額を相殺して余りあるケースでは、どのマイナスCFCのマイナス留保所得をいくら使用したかを米国株主側で特定できる仕組みになっている点。近々に売却が予想されるようなCFCの簿価は敢えて減らしたくないだろうし、簿価減額オプションを選択するケースでもそんなCFCにはできるだけ米国株主側で使用してしまったマイナス額を配賦しない、というオプションがあり得る。
次に、時価と簿価と留保所得の関係。各CFCの株式簿価プラスとマイナスを相殺するというのはあくまでも米国株主側における計算のメカニズムの話しなので、各CFCの価値が変わっている訳ではない。これは今後のGILTI課税も同様。ちなみにGILTIにかかわる簿価調整と課税済所得のルールは今回の留保所得一括課税にかかわる規則とは大きく異なるんで面白い。CFC毎に見ると実際には何も起こっていない状況なので、例えば留保所得一括課税の前段階で、一人の米国株主が、100の価値、留保所得も100、米国株主側で株式簿価がゼロのCFC、そしてゼロの価値、留保所得マイナス100、米国株主側の株式簿価が50のCFCを保有しているとする。その時点でプラスCFCの株式を譲渡すると、100のみなし配当扱い譲渡益が発生する。旧法では実際に配当しても100の配当所得となる。一方マイナスCFCを譲渡すると、50の譲渡損が発生する。譲渡損はキャピタルロスなので配当とは相殺できないとか、みなし配当にはFTCが可能とか、細かい点を除くとネットで50のプラスとなる。仮にマイナスCFCからDebt Financeに基づく分配が可能だとすると、留保所得(=E&P)はマイナスなので、配当に当る部分はなく、通常のSub Cの世界で、50の簿価を取り崩し、超過額があればみなし譲渡益になるはず。
留保所得一括課税では、100と100が相殺されるので、米国株主に課税はない。その時点で、プラスCFCの留保所得は全額「課税済み」(全額965(b) PIT)に生まれ変わり、マイナスCFCのマイナス留保所得には100のプラス調整が行われ、ゼロとなる。テクニカルにはプラスCFCのE&P100はそのままだけど、このE&Pは実質消えてしまったに近い。この時点でプラスCFCを譲渡すると、株式価値は基本変わらないので、100の譲渡益が出る。最終規則に基づくとこの100はみなし配当にはならない。マイナスCFCを譲渡すると、50の損失となる。ネットでは50のプラスが認識され、結果として一括課税の以前の状況と似ている。一括課税で米国株主は何も課税されていないことを考えると、前後で経済的な結果が似ているのは何となく正しい気がする。
で、次に選択をしたケース、しかも規則「案」の考え方に遡り、一旦「To-the-extent規定」を無視して簿価調整をしたとする。その結果、プラスCFCの株式簿価は100となり、マイナスCFCの簿価は50しかないから、みなし譲渡益が50発生する。その後、プラスCFCを譲渡すると、譲渡益はゼロ、マイナスCFCを譲渡するとやはり譲渡益はゼロとなり、蓋を開けてみると、やはり最終的に50のプラスが認識されている。
更に最終規則に規定される「To-the-extent規定」を取り込むと、マイナスCFCの簿価割れは禁止なので、50のみ減額となりマイナスCFCの簿価はゼロとなる。一方、プラスCFCの簿価増額も同額を上限とすることから、50となる。その直後に両社の株式を譲渡すると、プラスCFCに関して50の譲渡益、マイナスCFCではゼロの譲渡益となり、やはりネットではプラス50が認識されている。
そう考えると、どのシナリオでも算数的かつ長期的な経済効果は似ているように見える。もちろん実際には、将来的なCFC株式譲渡、どこからどれだけ米国に分配するか、分配の原資があるか、分配時の源泉税、FTCが取れるか、Capital Lossが想定される場合にはCapital Gainがあるか、その他、とても複雑かつ複合的な分析に基づいてどのオプションが各社にとってベストとなるかが決まる。どう考えても、選択した瞬間にみなし譲渡益が発生するようなオプションは選択するべきでないだろう。
財務省側の懸念として考えられるのは、マイナスCFCの100を利用して、プラスCFCの留保所得一括課税をシェルターした訳だから、そのマイナス100の恩典を直接・間接に部分的にでも同じ米国株主が再度、享受するようなことがないように、っていう損失の二重利用だろう。例えば、最初のシナリオで何の選択もしない場合、マイナスCFCの株式のみを譲渡すると、50の損失が出る。もし仮に同時にプラスCFC株式も譲渡すると100の譲渡益が出て、きれいにネット50のプラスとなるけど、そんなことは稀で、50の損失だけを認識してプラスCFCは今後長らく保有し続けるケースも十分に想定される。規則案の選択では、マイナスCFCに関していきなりみなし譲渡益が50認識されてしまい、プラスCFCの株式譲渡を行い、ゼロ譲渡益の恩典を享受するまで、納税者側から見ると辻褄が合わない。最終規則の考え方では、マイナスCFCの簿価をゼロとすることで、マイナスCFC株式譲渡の際の損失恩典は封じ込むことができる。これが最終規則で「To-the-extent規定」を認めた背景・バランス感覚なんだろうか。何もしてないのにみなし譲渡益が出るのはかわいそう、って思ってくれてる反面、損失の時間差も含めた二重利用は許したくない、っていう微妙なバランスをどこで見つけるか、っていうのはこの上なくアーティスティックな検討だ。
上の連結納税していない米国株主が一社で2社のみのCFCを保有しているという非現実的な単純例を見ただけでも、全ての局面で合理的となるパーフェクトルールを策定するのが不可能だということが分かる。現実の世界では100社以上のCFCを保有するケースは珍しくなく、各納税者の事実関係に基づき、変動要素が余りに多い。したがって、超複雑な検討を強いられることは火を見るよりも明らかで、みんなにとってパーフェクトとなるルールを策定するのは不可能。となると、ルールはどれだけ「不完全度合いが少ないか」という尺度に基づき、最終的な落としどころを見つけるしかなくなる。そのような「Close Call」というか、ギリギリの判断を短時間に強いられる中、財務省が公表する規則は実に思慮深い。法曹界・Big 4その他からの強力なインプットがあるとは言え、複雑な税法全体をDeepに理解していないとこんな規則策定できるもんじゃない。米国財務省の実力は凄い、って感心し続ける今日この頃でした。
Saturday, January 19, 2019
留保所得一括課税の財務省規則最終化 (2)
今回も昨日最終化された留保所得一括課税の財務省規則の続き。前回は規則案からの変更点のうち、興味深いものに関していくつか触れた。中でも個人的にはCFC株式譲渡時のみなし配当原資の考え方はかなり面白いと感じると同時に、財務省のルール策定時の「アーティスティック」な側面を垣間見たような気がした。最近の財務省規則には、法文を文字通り読んだ解釈から逸脱するような方向性が散見される。昨日触れた米国内パートナーシップ・ブロッカー対抗策やSection 1248に対する規則もその類。法文から逸脱した規則を策定せざるを得ない背景には、既存の法的インフラを使って斬新なクロスボーダー課税を導入してしまったため、細かい部分で既存の法文では手当て仕切れない部分が続出するという必然がある。
従来のCFC課税であるSubpart F所得は常にCFC毎の計算だったし、常にプラスだったし、毎期の各CFCの単年E&Pが上限だったし、CFCで決定されたSubpart F所得に対して米国株主側で更に数字を加工するようなシステムは法的インフラに想定されていない。Subpart F所得があれば、それは必ず米国株主側で合算されて課税所得となり、Anti-Deferralなので基本的にE&PコンセプトだったSubpart F所得は同額がそのままCFC側で課税済所得となり、また同額が米国株主側のCFC株式簿価に上乗せされるという綺麗なEquationの世界を達成していた。この美しいバランスが留保所得一括課税で完全に崩壊され、そこからGILTIに発展・継承されていく。以前に965(留保所得一括課税)はGILTIのプレリュードって書いたことがあるけど、留保所得一括課税が「Transition Tax」と呼ばれる際の「Transition」は、実は過去のCFC毎の制度を一旦精算し、その後はCFCは大連結させて一社扱い(?)という従来では考えられないWhole New Worldに突入する意味でのTransitionだったんだろうか。Transition Taxそのものが既に新コンセプトのCFC合算ベースなのが凄い。余りにDeepでPurpleでHeavyでMetalなので、この点はこれからも毎日良く考えながら過ごして行かないとね。
で、今日のメインテーマは、前回の予告通り「CFC株式税務簿価の調整選択時の金額制限」。これもCFC合算という新しい概念を起因とする歪にかかわる調整規則となる。
米国株主が複数のCFCを保有していて、それらのCFCの中に留保所得がプラスだったりマイナスだったりする法人が混在している場合、留保所得一括課税の算定時に米国株主側でプラスとマイナスを相殺することができる。それはそれで、グッドニュースと言えるんだけど、CFCそのものは当然単体で存在しているものを、その上層、すなわち米国株主側でCFC間の留保所得を相殺しまうと、CFC毎の属性の調整をどうするか、という従来では存在しないタイプの検討が生じる。
複数のCFCが混在し、どのプラスCFCが誰のマイナスをいくら使用して、またマイナス法人は自分のマイナスをいくら他のCFCに使用されたか、をまず特定しないといけない。この特定法は規則案から改訂されることなく、そのままの方法が踏襲されている。この計算に関しては、以前のポスティング「米国税法改正(Tax Cuts and Jobs Act)「Unplugged」(2) – 国際課税(4) 留保所得一括課税」を参照して欲しい。で、そのステップが終わったら、今度は各々のCFCの課税済所得と米国株主から見たCFC株式の簿価を決定しなくてはいけない。
留保所得一括課税を規定しているSection 965は、面白いことに、他のCFCのマイナスで相殺されたプラスCFCのプラス留保所得も課税済所得になると規定している。この所得は実際には米国株主側でマイナスで相殺されている訳だから、課税はされていない。にもかかわらず課税済所得となるという特別な位置づけにあり、規則案が出るまでは「Light PTI」とかいろんな名称で本当に課税された課税済所得と区別していた。規則案では本当に課税されている金額を「Section 965(a) PTI」、マイナスで相殺されて課税されていない課税済所得部分を「Section 965(b) PTI」と命名している。Section 965(b)はマイナス留保所得でプラスを減らしてよろしいと規定している部分なので、この表現はとても分かり易く、今では全国的、もしかしたら全世界的に(a)と(b)でPTIを区別できるようになっている。この辺りの議論は以前、留保所得一括課税にかかわる規則案が公表された直後の夏にいろいろ書いているので「米国税法改正(Tax Cuts and Jobs Act)「Unplugged」(2) – 国際課税(5) 留保所得一括課税」等を中心に見てみて欲しい。
で、この実際には課税されてないけど課税済所得と位置付けられる、Section 965(b) PTIに対応して各CFCの株式簿価が米国株主側でどのように動くかと言うと、原則、プラスCFCの株式簿価は増額せず、マイナスCFCの株式簿価は減額しない。ということはプラスCFCの留保所得のうち、他のCFCのマイナスで課税済所得になっている金額を米国に分配すると、その分は株式簿価が増えていないので、分配が簿価を超えるとみなし譲渡益が発生する、という意外な結果となる。「Transition Tax」で全ての留保所得は(低税率で)課税済みに生まれ変わったので満を持して資金を米国に還流しよう、とする際に、源泉税と並んで大きな足かせとなり得る。
このような事態を回避するため、相殺金額にかかわるCFC株式調整、すなわちSection 965(b) PTIに関して、プラス側のCFCの簿価を増額し、マイナス側のCFCの簿価を減額する選択を納税者側のオプションで行うことができる、と規則案では規定していた。この選択は一回限り可能だが、検討時にはマイナスCFCの株式簿価を慎重に特定しないと、選択したはいいけど、選択の瞬間にマイナスCFCの株式簿価を割り込んでしまい、いきなり譲渡益認識、というような最悪の事態となり兼ねない。このみなし譲渡益が怖くてなかなか選択に踏み切れない米国株主は多いだろう。
で、当初、この選択は申告書提出時に行わないといけないという規定だったんだけど、CFC株式簿価とか課税済所得という複雑な検討を伴うため、規則案の後に発表されたNoticeで、期限を延長し、最終規則の公刊記載日から90日後にまでに選択すればよいこととなっていた。また、既に2018年10月15日等に提出した申告書で慌てて選択を行ってしまった米国株主は、期間内に選択を取り消すことも認められる。
規則案では、CFC株式簿価調整の選択を行う場合、相殺金額の「全額」に関してプラス側の簿価増額、マイナス側の簿価減額が規定されていた。CFC株式簿価を減額してマイナスとなるとみなし譲渡益となることから、仮にCFC株式の簿価やプラスとマイナスの配賦額を正確に特定することができたとすると、譲渡益が出るような状況にある米国株主は選択は行わないことになるだろう。選択をしない場合、その時点では何も起こらない。でもプラス留保所得を持つCFCから資金を還流しようとすると、今度はこっちの株式簿価が十分になくて資金を持ち返れないという事態が想定される。留保所得一括課税は8年間に亘る分割払いが可能とは言え、納税原資も必要だし、そもそもお金を持っているのはプラスのCFCの可能性が高い訳だから、これではせっかくの留保所得一時課税で課税済みとなった資金を米国に持ち返ることすら憚れるような状態になる。
最終規則ではこのようなジレンマを解消または軽減するため、CFC株式簿価調整の選択をする場合でも、マイナス側のCFC株式簿価に関して譲渡益が出ない範囲でのみ、株式簿価の調整をする選択を新規に規定している。当選択は、マイナスCFCの株式簿価の「範囲のみ」で行うことから「to-the-extent規定」と新しい名称まで付けてくれている。当たり前だけど、マイナス側の簿価減額を限定する場合、プラス側の簿価増額も同額に限定される。
To-the-extent規定の実際の規則の書き方は例によってややこしく、米国株主はまずプラス側のCFC各社の株式簿価増額希望額を指定することができるとし、その条件として、増額の総額(ここで総額と使用されている意味はおそらく複数クラスの株式が存在する場合を想定?)は当プラスCFCの留保所得を相殺したマイナス額を超えてはいけない(これは趣旨的にも規則案の時からその通り)、さらに次は米国株主側の合算ベースで、プラス調整総額がマイナスCFC株式簿価減額の総額を超えてはいけないと規定している。その上で、次にマイナスCFCの規定に移り、マイナスCFCの株式簿価減額の総額(この総額も個々のCFCベースの話し)は、当マイナスCFCの調整前の簿価を超えてはいけないとしている。しかもマイナスCFC側の規則には簿価を超えてはいけないのは「On a day」、多分On any dayと同じ意味?とわざわざ規定されている。
なお、この選択、グループ企業合致要件があり、基本的に50%超の資本関係にある米国株主は選択するかしないか、統一したポジションを取らないといけない。最終規則ではこの点に関して、プラスをマイナスで全く相殺していない米国株主に関しては選択に参加する必要はないとしている。選択に参加してもしなくても、そんな米国株主にとっては何も変わらないけど、たぶん、自分は関係ないから何にもしなくて問題ないじゃん、と思って何もしない場合に他の50%資本関係にあるグループの選択が期せずして無効になっちゃりするリスクを排除してくれているんだろう。
譲渡益を認識しない範囲で簿価調整を認める場合、もしかしたら調整そのものが選択ではなく強制になるのでは、というようなアプローチもあり得たが、最終的には金額調整もOKで、そもそも簿価調整を行うかどうかも引き続き選択制度となっている。これは納税者フレンドリーな改訂だけど、いずれにしても簿価や相殺金額の配賦を正確に特定しなくてはいけないことに変わりはない。しかも最終規則が出てしまったので、選択期限が切られてしまったことになる。選択は一回キリだから慎重に考えないとね。CFCの数にもよるけどこんなの90日で意思決定できるんだろうか。もちろん規則案が出た頃からシミュレーションとか始めてたら問題ないんだけどね。
従来のCFC課税であるSubpart F所得は常にCFC毎の計算だったし、常にプラスだったし、毎期の各CFCの単年E&Pが上限だったし、CFCで決定されたSubpart F所得に対して米国株主側で更に数字を加工するようなシステムは法的インフラに想定されていない。Subpart F所得があれば、それは必ず米国株主側で合算されて課税所得となり、Anti-Deferralなので基本的にE&PコンセプトだったSubpart F所得は同額がそのままCFC側で課税済所得となり、また同額が米国株主側のCFC株式簿価に上乗せされるという綺麗なEquationの世界を達成していた。この美しいバランスが留保所得一括課税で完全に崩壊され、そこからGILTIに発展・継承されていく。以前に965(留保所得一括課税)はGILTIのプレリュードって書いたことがあるけど、留保所得一括課税が「Transition Tax」と呼ばれる際の「Transition」は、実は過去のCFC毎の制度を一旦精算し、その後はCFCは大連結させて一社扱い(?)という従来では考えられないWhole New Worldに突入する意味でのTransitionだったんだろうか。Transition Taxそのものが既に新コンセプトのCFC合算ベースなのが凄い。余りにDeepでPurpleでHeavyでMetalなので、この点はこれからも毎日良く考えながら過ごして行かないとね。
で、今日のメインテーマは、前回の予告通り「CFC株式税務簿価の調整選択時の金額制限」。これもCFC合算という新しい概念を起因とする歪にかかわる調整規則となる。
米国株主が複数のCFCを保有していて、それらのCFCの中に留保所得がプラスだったりマイナスだったりする法人が混在している場合、留保所得一括課税の算定時に米国株主側でプラスとマイナスを相殺することができる。それはそれで、グッドニュースと言えるんだけど、CFCそのものは当然単体で存在しているものを、その上層、すなわち米国株主側でCFC間の留保所得を相殺しまうと、CFC毎の属性の調整をどうするか、という従来では存在しないタイプの検討が生じる。
複数のCFCが混在し、どのプラスCFCが誰のマイナスをいくら使用して、またマイナス法人は自分のマイナスをいくら他のCFCに使用されたか、をまず特定しないといけない。この特定法は規則案から改訂されることなく、そのままの方法が踏襲されている。この計算に関しては、以前のポスティング「米国税法改正(Tax Cuts and Jobs Act)「Unplugged」(2) – 国際課税(4) 留保所得一括課税」を参照して欲しい。で、そのステップが終わったら、今度は各々のCFCの課税済所得と米国株主から見たCFC株式の簿価を決定しなくてはいけない。
留保所得一括課税を規定しているSection 965は、面白いことに、他のCFCのマイナスで相殺されたプラスCFCのプラス留保所得も課税済所得になると規定している。この所得は実際には米国株主側でマイナスで相殺されている訳だから、課税はされていない。にもかかわらず課税済所得となるという特別な位置づけにあり、規則案が出るまでは「Light PTI」とかいろんな名称で本当に課税された課税済所得と区別していた。規則案では本当に課税されている金額を「Section 965(a) PTI」、マイナスで相殺されて課税されていない課税済所得部分を「Section 965(b) PTI」と命名している。Section 965(b)はマイナス留保所得でプラスを減らしてよろしいと規定している部分なので、この表現はとても分かり易く、今では全国的、もしかしたら全世界的に(a)と(b)でPTIを区別できるようになっている。この辺りの議論は以前、留保所得一括課税にかかわる規則案が公表された直後の夏にいろいろ書いているので「米国税法改正(Tax Cuts and Jobs Act)「Unplugged」(2) – 国際課税(5) 留保所得一括課税」等を中心に見てみて欲しい。
で、この実際には課税されてないけど課税済所得と位置付けられる、Section 965(b) PTIに対応して各CFCの株式簿価が米国株主側でどのように動くかと言うと、原則、プラスCFCの株式簿価は増額せず、マイナスCFCの株式簿価は減額しない。ということはプラスCFCの留保所得のうち、他のCFCのマイナスで課税済所得になっている金額を米国に分配すると、その分は株式簿価が増えていないので、分配が簿価を超えるとみなし譲渡益が発生する、という意外な結果となる。「Transition Tax」で全ての留保所得は(低税率で)課税済みに生まれ変わったので満を持して資金を米国に還流しよう、とする際に、源泉税と並んで大きな足かせとなり得る。
このような事態を回避するため、相殺金額にかかわるCFC株式調整、すなわちSection 965(b) PTIに関して、プラス側のCFCの簿価を増額し、マイナス側のCFCの簿価を減額する選択を納税者側のオプションで行うことができる、と規則案では規定していた。この選択は一回限り可能だが、検討時にはマイナスCFCの株式簿価を慎重に特定しないと、選択したはいいけど、選択の瞬間にマイナスCFCの株式簿価を割り込んでしまい、いきなり譲渡益認識、というような最悪の事態となり兼ねない。このみなし譲渡益が怖くてなかなか選択に踏み切れない米国株主は多いだろう。
で、当初、この選択は申告書提出時に行わないといけないという規定だったんだけど、CFC株式簿価とか課税済所得という複雑な検討を伴うため、規則案の後に発表されたNoticeで、期限を延長し、最終規則の公刊記載日から90日後にまでに選択すればよいこととなっていた。また、既に2018年10月15日等に提出した申告書で慌てて選択を行ってしまった米国株主は、期間内に選択を取り消すことも認められる。
規則案では、CFC株式簿価調整の選択を行う場合、相殺金額の「全額」に関してプラス側の簿価増額、マイナス側の簿価減額が規定されていた。CFC株式簿価を減額してマイナスとなるとみなし譲渡益となることから、仮にCFC株式の簿価やプラスとマイナスの配賦額を正確に特定することができたとすると、譲渡益が出るような状況にある米国株主は選択は行わないことになるだろう。選択をしない場合、その時点では何も起こらない。でもプラス留保所得を持つCFCから資金を還流しようとすると、今度はこっちの株式簿価が十分になくて資金を持ち返れないという事態が想定される。留保所得一括課税は8年間に亘る分割払いが可能とは言え、納税原資も必要だし、そもそもお金を持っているのはプラスのCFCの可能性が高い訳だから、これではせっかくの留保所得一時課税で課税済みとなった資金を米国に持ち返ることすら憚れるような状態になる。
最終規則ではこのようなジレンマを解消または軽減するため、CFC株式簿価調整の選択をする場合でも、マイナス側のCFC株式簿価に関して譲渡益が出ない範囲でのみ、株式簿価の調整をする選択を新規に規定している。当選択は、マイナスCFCの株式簿価の「範囲のみ」で行うことから「to-the-extent規定」と新しい名称まで付けてくれている。当たり前だけど、マイナス側の簿価減額を限定する場合、プラス側の簿価増額も同額に限定される。
To-the-extent規定の実際の規則の書き方は例によってややこしく、米国株主はまずプラス側のCFC各社の株式簿価増額希望額を指定することができるとし、その条件として、増額の総額(ここで総額と使用されている意味はおそらく複数クラスの株式が存在する場合を想定?)は当プラスCFCの留保所得を相殺したマイナス額を超えてはいけない(これは趣旨的にも規則案の時からその通り)、さらに次は米国株主側の合算ベースで、プラス調整総額がマイナスCFC株式簿価減額の総額を超えてはいけないと規定している。その上で、次にマイナスCFCの規定に移り、マイナスCFCの株式簿価減額の総額(この総額も個々のCFCベースの話し)は、当マイナスCFCの調整前の簿価を超えてはいけないとしている。しかもマイナスCFC側の規則には簿価を超えてはいけないのは「On a day」、多分On any dayと同じ意味?とわざわざ規定されている。
なお、この選択、グループ企業合致要件があり、基本的に50%超の資本関係にある米国株主は選択するかしないか、統一したポジションを取らないといけない。最終規則ではこの点に関して、プラスをマイナスで全く相殺していない米国株主に関しては選択に参加する必要はないとしている。選択に参加してもしなくても、そんな米国株主にとっては何も変わらないけど、たぶん、自分は関係ないから何にもしなくて問題ないじゃん、と思って何もしない場合に他の50%資本関係にあるグループの選択が期せずして無効になっちゃりするリスクを排除してくれているんだろう。
譲渡益を認識しない範囲で簿価調整を認める場合、もしかしたら調整そのものが選択ではなく強制になるのでは、というようなアプローチもあり得たが、最終的には金額調整もOKで、そもそも簿価調整を行うかどうかも引き続き選択制度となっている。これは納税者フレンドリーな改訂だけど、いずれにしても簿価や相殺金額の配賦を正確に特定しなくてはいけないことに変わりはない。しかも最終規則が出てしまったので、選択期限が切られてしまったことになる。選択は一回キリだから慎重に考えないとね。CFCの数にもよるけどこんなの90日で意思決定できるんだろうか。もちろん規則案が出た頃からシミュレーションとか始めてたら問題ないんだけどね。
Tuesday, January 15, 2019
留保所得一括課税の財務省規則最終化
この超バタバタ(いつも)の中、財務省は去年の8月に公表していた留保所得一括課税にかかわる財務省規則案を最終化し、米国時間今日(1月15日)午後に公表した。規則案は249ページだったけど、最終規則は305ページ。ページ数で競ってる訳じゃないけど、最終規則は50ページ強増強されていることになる。
チョッとオサライだけど、留保所得一括課税って、CFCとかの特定外国法人の2017年12月31日以前に開始する直近の課税年度(「合算課税対象年度」)末を含む米国株主側の課税年度に、外国法人の1987年以降の留保所得を15.5%(現金相当額)または8%(その他)の低税率で課税するという仕組み。この移行措置を経て、米国もめでたくテリトリアル課税に移行すると考えていたところが、まったくのダマシ船で、一括課税された上、さらにグローバル連結に近いGILTIに移行してしまったのは、以前からのポスティングで触れている通り。
税制改正に基づく規則で先陣を切って最終化された訳だけど、留保所得一括課税は多くのケースで2017年課税年度に処理するものであり、会計上のインパクトも含めて他の規則よりも一年早い検討事項となっている。米国企業は既に2018年10月、日本企業の多くは、まさしく今日2019年1月15日に提出した申告書で加味しているはず。なんで申告書作成は例年にも増して大変な作業となったケースが多い。
そのため、税制改正可決直後から、多くのNoticeでガイダンスが公表されており、ここに来て真っ先に最終規則に漕ぎつけている。基本的に規則案の構成・方向を踏襲している部分が大半なので、まあまあ読みやすい。取り急ぎ、目についた点をまとめると次の通り。
米国パートナーシップの上に2社CFCを介したりして、Subpart F所得を非課税にしようなんていう米国パートナーシップブロッカー形態は、以前のNoticeやGILTIの財務省規則案で網が掛けられているけど、ここでも同様な背景で、本来、パススルーでもパートナーシップレベルでCFC等の米国株主と取り扱われるはずが、一定の要件下で米国パートナーシップは外国パートナーシップかのようにLook-throughしてパートナーを米国株主として取り扱う規定がある。これは一括課税の規則案にもしっかり規定があったけど、今回の最終規則では、米国パートナーシップがLook-throughになる場合、その結果間接的に10%の持分を持つパートナーだけに対してばかりでなく、少数持分保有のパートナーを含む全てのパートナーに関してLook-throughが適用される、としている。
そして話題のDownward Attribution系の話し。外国法人が特定外国法人になるのかとか、米国人が米国株主になるのか、という判断をする際、規則案では少額免除規定のような形で、5%未満の持分を保有するパートナーからパートナーシップへのみなし株式保有は免除してくれていた。でないと結構ビックリするような結果となることがある。で、最終規則では更に寛容に、当例外規定の基準を10%未満の持分に拡大してくれている。さらに、こちらは日本企業には余り関係ないかもしれないけど、同じような少額免除を受益人から信託に対するみなし保有規定にも新規に規定してくれている。
次はSection 1248と課税済所得。CFC株式を譲渡した際にCFCのE&Pの範囲で譲渡益がみなし配当取り扱いになりますっていうのは比較的初歩的な米国クロスボーダー課税の規則だったけど、原則、このE&Pには課税済留保所得は含まれない。それはそうで、実際に分配しても課税済所得は配当にはならないからだ、従来のSubpart Fの世界では、合算課税が起こればその分CFC株式簿価が上がり、同額が課税済所得なって、というのが常識だったんだけど、留保所得一括課税にしても、GILTIにしても、米国株主側で複数のCFCの数字を合算してしまうので、従来のようなきれいなフォーミュラが成立しない。で、Section 1248では単純に米国株主が過去に実際に合算課税されてる課税済E&Pをみなし配当原資には加味しない、って規定されてるんだけど、留保所得一括課税では、合算されてないのに課税済所得になっているE&Pが存在し得るので、ここをSection 1248でどう考えるのか、というのは不思議な部分があった。
すなわち、留保所得一括課税時には、米国株主が複数のCFCを保有し、他のCFCのマイナス留保所得でプラスの留保所得を相殺している場合、相殺されたプラスの留保所得も「課税済」と取り扱われるけど、この部分は実際には米国株主側で合算されていないので、みなし配当の原資となり得るの?まさか、っていう話しだ。そんなのSection 1248のアップデートし忘れじゃない?とか、いやいやその部分は配当になり100%所得控除の対象と考える楽観的な解釈もあり得るし、またはそもそも実際に分配しても100%所得控除の対象にはならないんだから、簿価を下げるでしょ、みたいなアプローチもあり得た。最終規則では、チョッと語弊があるけど、Section 1248のアップデート忘れに近いスタンスで、他CFCのマイナス留保所得で相殺された留保所得も、実際に合算課税されたE&P同様にみなし配当原資には加味しないと規定している。法文と不整合だけどなかなか度胸あるね。
次はビックリしたCFC株式税務簿価の調整選択時の金額制限。これは面白すぎるので次回。
チョッとオサライだけど、留保所得一括課税って、CFCとかの特定外国法人の2017年12月31日以前に開始する直近の課税年度(「合算課税対象年度」)末を含む米国株主側の課税年度に、外国法人の1987年以降の留保所得を15.5%(現金相当額)または8%(その他)の低税率で課税するという仕組み。この移行措置を経て、米国もめでたくテリトリアル課税に移行すると考えていたところが、まったくのダマシ船で、一括課税された上、さらにグローバル連結に近いGILTIに移行してしまったのは、以前からのポスティングで触れている通り。
税制改正に基づく規則で先陣を切って最終化された訳だけど、留保所得一括課税は多くのケースで2017年課税年度に処理するものであり、会計上のインパクトも含めて他の規則よりも一年早い検討事項となっている。米国企業は既に2018年10月、日本企業の多くは、まさしく今日2019年1月15日に提出した申告書で加味しているはず。なんで申告書作成は例年にも増して大変な作業となったケースが多い。
そのため、税制改正可決直後から、多くのNoticeでガイダンスが公表されており、ここに来て真っ先に最終規則に漕ぎつけている。基本的に規則案の構成・方向を踏襲している部分が大半なので、まあまあ読みやすい。取り急ぎ、目についた点をまとめると次の通り。
米国パートナーシップの上に2社CFCを介したりして、Subpart F所得を非課税にしようなんていう米国パートナーシップブロッカー形態は、以前のNoticeやGILTIの財務省規則案で網が掛けられているけど、ここでも同様な背景で、本来、パススルーでもパートナーシップレベルでCFC等の米国株主と取り扱われるはずが、一定の要件下で米国パートナーシップは外国パートナーシップかのようにLook-throughしてパートナーを米国株主として取り扱う規定がある。これは一括課税の規則案にもしっかり規定があったけど、今回の最終規則では、米国パートナーシップがLook-throughになる場合、その結果間接的に10%の持分を持つパートナーだけに対してばかりでなく、少数持分保有のパートナーを含む全てのパートナーに関してLook-throughが適用される、としている。
そして話題のDownward Attribution系の話し。外国法人が特定外国法人になるのかとか、米国人が米国株主になるのか、という判断をする際、規則案では少額免除規定のような形で、5%未満の持分を保有するパートナーからパートナーシップへのみなし株式保有は免除してくれていた。でないと結構ビックリするような結果となることがある。で、最終規則では更に寛容に、当例外規定の基準を10%未満の持分に拡大してくれている。さらに、こちらは日本企業には余り関係ないかもしれないけど、同じような少額免除を受益人から信託に対するみなし保有規定にも新規に規定してくれている。
次はSection 1248と課税済所得。CFC株式を譲渡した際にCFCのE&Pの範囲で譲渡益がみなし配当取り扱いになりますっていうのは比較的初歩的な米国クロスボーダー課税の規則だったけど、原則、このE&Pには課税済留保所得は含まれない。それはそうで、実際に分配しても課税済所得は配当にはならないからだ、従来のSubpart Fの世界では、合算課税が起こればその分CFC株式簿価が上がり、同額が課税済所得なって、というのが常識だったんだけど、留保所得一括課税にしても、GILTIにしても、米国株主側で複数のCFCの数字を合算してしまうので、従来のようなきれいなフォーミュラが成立しない。で、Section 1248では単純に米国株主が過去に実際に合算課税されてる課税済E&Pをみなし配当原資には加味しない、って規定されてるんだけど、留保所得一括課税では、合算されてないのに課税済所得になっているE&Pが存在し得るので、ここをSection 1248でどう考えるのか、というのは不思議な部分があった。
すなわち、留保所得一括課税時には、米国株主が複数のCFCを保有し、他のCFCのマイナス留保所得でプラスの留保所得を相殺している場合、相殺されたプラスの留保所得も「課税済」と取り扱われるけど、この部分は実際には米国株主側で合算されていないので、みなし配当の原資となり得るの?まさか、っていう話しだ。そんなのSection 1248のアップデートし忘れじゃない?とか、いやいやその部分は配当になり100%所得控除の対象と考える楽観的な解釈もあり得るし、またはそもそも実際に分配しても100%所得控除の対象にはならないんだから、簿価を下げるでしょ、みたいなアプローチもあり得た。最終規則では、チョッと語弊があるけど、Section 1248のアップデート忘れに近いスタンスで、他CFCのマイナス留保所得で相殺された留保所得も、実際に合算課税されたE&P同様にみなし配当原資には加味しないと規定している。法文と不整合だけどなかなか度胸あるね。
次はビックリしたCFC株式税務簿価の調整選択時の金額制限。これは面白すぎるので次回。
Tuesday, January 1, 2019
米国税法改正(Tax Cuts and Jobs Act)「Unplugged」(6) – BEAT財務省規則案(5)
2019年、明けましておめでとうございます!昨日、大晦日は例年より気温が高めっぽいから、43rd Streetとかで12時間待つみんなもチョッと楽かも、とうかつなことを書いてしまったけど、結局午後早めからかなり雨が降り始めてTimes Squareでカウントダウン待ってるみんなは大変だったんじゃないかな。あれだけの人が殺到しているので傘は禁止。ということはポンチョのみが頼り。それでもストリーミングで見る限り、たくさんの人が参加してた。せっかくだから一度はライブでって思うこともなくはないけど、ティーンだったり20歳代の頃なら話しのネタに頑張って参加したかもしれないけど、今となってはコストパフォーマンス的に割が合わない気がする。
ちなみにエンパイアステートビルのライトは今でもクリスマス色って昨日の昼時点で書いたけど、大晦日の夜、年越しのタイミングが近づいてくると7色のRainbowになり、普段でもたまに白い光が下から上に流れるようにライトアップされる時間帯があるけど、それと同じように7色の光が滝が逆流するみたい下から上に流れていて凄い綺麗。ミッドタウンはどこに行ってもエンパイアステートビルとクライスラービルが上から守っててくれるみたいで心強い。Freedom Tower(いまでは名前変わったけど)とかParkと56のコーナーにDrakeホテルを壊して建築された超高層アパートの432 Park Avenue Condominiumsとか、他国にももっと高い摩天楼がいくら建ったとしても、エンパイアステートビルとクライスラービルのエレガンスは唯一無二。
で、新年早々BEATに戻るけど、BEATの対象となる納税者かどうかの判断に関してあれこれとポスティングしている途中で年が変わってしまった。売上基準はだいたいカバーしたんじゃないかと思うので、今日はBase Erosion%に関して少し。お正月特番としては地味だけど、売上基準を優に超える法人にとって、Base Erosion%は最後の砦。これを3%未満とすることができるかは重要な分かれ道。米国企業も含めて周り様子を見ていると、取りあえず2017年課税年度ベースで何%くらいになるか試算し、2018年が経過するにつれて、2018年に予想されるマテリアルな差異を取り込んでFine Tuneして、%を予測、場合によっては調整、というのが一般的な対応のようだ。
税制改正でM&A時のタックスDD項目が大幅に増えたり、今までとは異なる視点が鍵となってくることがあるけど、買収後のBase Erosion%もそんな検討のひとつ。ターゲットとグループ間取引が存在しないケースでは、分母となる控除は増えるので、Base Erosion%的にはグッドニュース。しかも、「米国税法改正(Tax Cuts and Jobs Act)「Unplugged」(6) – BEAT財務省規則案(2)」で触れた通り、Aggregateグループの合算計算は、法人の期末時点でグループ構成を判断するので、期の途中で買収したターゲットの金額もまるまる取り込んでグループ合算Base Erosion%を判断することができるはず。ただ、逆に売上基準も同様に期末時点でAggregateグループに属する法人の売上は、期末直前に買収したような法人でも強制的に過去3年の平均に加味されるので、こちらは売上が大きくなって不利。
Base Erosion%が3%未満かどうかが勝負、ってさっき書いたけど、これはあくまで一般法人の話しで、金融機関を含む連結納税グループには特別に厳しく、3%の代わりに2%が適用される。いつ2%で対象になるかっていう点は異なるグループコンセプトが混在しているので結構分かり難い。法文では「銀行または証券ディーラーが含まれる連結納税グループのメンバー」は2%となっている。ちなみにBEATミニマム税を算定する際に使う税率も年度によって5%、10%、12.5%となるけど、銀行や証券ディーラーを含む連結納税グループのメンバーには6%、11%、13.5%とやはり1%厳しくなっている。法文は、銀行や証券ディーラーが連結納税グループの一メンバーの際に適用があるような文言となっていて単体の話しには触れられていない。また、厳密に言うとここで言う連結納税グループは、連結納税の選択が可能なグループのことを意味し、実際には余りないケースだけど、連結納税可能なグループであれば連結納税を選択していなくても同様の取り扱いとなる。連結納税可能なグループは米国法人親会社を起点に80%以上の議決権および価値に基づく資本関係で結ばれる米国法人グループだ。なので、必ずしも自分が銀行とか証券ディーラーでなくても2%のBase Erosion%が適用されることがある。ちなみに、ここで言う証券ディーラーは1934年証券取引所法(Securities Exchange Act of 1934)の第15条(a)に基づき登録される証券ディーラーを意味する。
さらに財務省規則案では、連結納税グループに属する銀行や証券ディーラーをメンバーに持つAggregateグループにも2%を適用するとしている。Aggregateグループは、連結納税グループより広範なので、この規則は法文だけでは読み取れない追加の厳しい規定となる。
また、財務省規則案にはAggregateグループの売上合算額に占める銀行または証券ディーラーの売上が2%未満の場合には、当該Aggregateグループには銀行または証券ディーラーは含まれないかのように取り扱うという少額免除制度が規定されている。Aggregateグループと連結納税グループは異なるグループ定義なので、ここの部分は解釈が難しいけど、財務省規則案はその直後に、銀行や証券ディーラーを含む連結納税グループにAggregateグループが存在しない場合には(連結納税グループ以外にAggregateグループのメンバーがいない場合と理解するのがいいだろう)、連結納税グループの売上に占める銀行または証券ディーラーの売上が2%未満の場合には、同様の少額免除を適用し、当該連結納税グループには銀行または証券ディーラーは含まれないかのように取り扱うとしている。このことから、Aggregateグループに占める銀行または証券ディーラーの売上が2%未満の場合には、当該Aggregateグループ内に存在する銀行または証券ディーラーを含む連結納税グループの銀行または証券ディーラーの売上が2%以上でも、Aggregateグループベースの少額免除をもって、連結納税グループも3%のBase Erosion%に基づく判断をしてよろしい、ということなんだろう。なんか結構思ったよりも難しいね。
という訳で新年早々のBase Erosion%でした。
ちなみにエンパイアステートビルのライトは今でもクリスマス色って昨日の昼時点で書いたけど、大晦日の夜、年越しのタイミングが近づいてくると7色のRainbowになり、普段でもたまに白い光が下から上に流れるようにライトアップされる時間帯があるけど、それと同じように7色の光が滝が逆流するみたい下から上に流れていて凄い綺麗。ミッドタウンはどこに行ってもエンパイアステートビルとクライスラービルが上から守っててくれるみたいで心強い。Freedom Tower(いまでは名前変わったけど)とかParkと56のコーナーにDrakeホテルを壊して建築された超高層アパートの432 Park Avenue Condominiumsとか、他国にももっと高い摩天楼がいくら建ったとしても、エンパイアステートビルとクライスラービルのエレガンスは唯一無二。
で、新年早々BEATに戻るけど、BEATの対象となる納税者かどうかの判断に関してあれこれとポスティングしている途中で年が変わってしまった。売上基準はだいたいカバーしたんじゃないかと思うので、今日はBase Erosion%に関して少し。お正月特番としては地味だけど、売上基準を優に超える法人にとって、Base Erosion%は最後の砦。これを3%未満とすることができるかは重要な分かれ道。米国企業も含めて周り様子を見ていると、取りあえず2017年課税年度ベースで何%くらいになるか試算し、2018年が経過するにつれて、2018年に予想されるマテリアルな差異を取り込んでFine Tuneして、%を予測、場合によっては調整、というのが一般的な対応のようだ。
税制改正でM&A時のタックスDD項目が大幅に増えたり、今までとは異なる視点が鍵となってくることがあるけど、買収後のBase Erosion%もそんな検討のひとつ。ターゲットとグループ間取引が存在しないケースでは、分母となる控除は増えるので、Base Erosion%的にはグッドニュース。しかも、「米国税法改正(Tax Cuts and Jobs Act)「Unplugged」(6) – BEAT財務省規則案(2)」で触れた通り、Aggregateグループの合算計算は、法人の期末時点でグループ構成を判断するので、期の途中で買収したターゲットの金額もまるまる取り込んでグループ合算Base Erosion%を判断することができるはず。ただ、逆に売上基準も同様に期末時点でAggregateグループに属する法人の売上は、期末直前に買収したような法人でも強制的に過去3年の平均に加味されるので、こちらは売上が大きくなって不利。
Base Erosion%が3%未満かどうかが勝負、ってさっき書いたけど、これはあくまで一般法人の話しで、金融機関を含む連結納税グループには特別に厳しく、3%の代わりに2%が適用される。いつ2%で対象になるかっていう点は異なるグループコンセプトが混在しているので結構分かり難い。法文では「銀行または証券ディーラーが含まれる連結納税グループのメンバー」は2%となっている。ちなみにBEATミニマム税を算定する際に使う税率も年度によって5%、10%、12.5%となるけど、銀行や証券ディーラーを含む連結納税グループのメンバーには6%、11%、13.5%とやはり1%厳しくなっている。法文は、銀行や証券ディーラーが連結納税グループの一メンバーの際に適用があるような文言となっていて単体の話しには触れられていない。また、厳密に言うとここで言う連結納税グループは、連結納税の選択が可能なグループのことを意味し、実際には余りないケースだけど、連結納税可能なグループであれば連結納税を選択していなくても同様の取り扱いとなる。連結納税可能なグループは米国法人親会社を起点に80%以上の議決権および価値に基づく資本関係で結ばれる米国法人グループだ。なので、必ずしも自分が銀行とか証券ディーラーでなくても2%のBase Erosion%が適用されることがある。ちなみに、ここで言う証券ディーラーは1934年証券取引所法(Securities Exchange Act of 1934)の第15条(a)に基づき登録される証券ディーラーを意味する。
さらに財務省規則案では、連結納税グループに属する銀行や証券ディーラーをメンバーに持つAggregateグループにも2%を適用するとしている。Aggregateグループは、連結納税グループより広範なので、この規則は法文だけでは読み取れない追加の厳しい規定となる。
また、財務省規則案にはAggregateグループの売上合算額に占める銀行または証券ディーラーの売上が2%未満の場合には、当該Aggregateグループには銀行または証券ディーラーは含まれないかのように取り扱うという少額免除制度が規定されている。Aggregateグループと連結納税グループは異なるグループ定義なので、ここの部分は解釈が難しいけど、財務省規則案はその直後に、銀行や証券ディーラーを含む連結納税グループにAggregateグループが存在しない場合には(連結納税グループ以外にAggregateグループのメンバーがいない場合と理解するのがいいだろう)、連結納税グループの売上に占める銀行または証券ディーラーの売上が2%未満の場合には、同様の少額免除を適用し、当該連結納税グループには銀行または証券ディーラーは含まれないかのように取り扱うとしている。このことから、Aggregateグループに占める銀行または証券ディーラーの売上が2%未満の場合には、当該Aggregateグループ内に存在する銀行または証券ディーラーを含む連結納税グループの銀行または証券ディーラーの売上が2%以上でも、Aggregateグループベースの少額免除をもって、連結納税グループも3%のBase Erosion%に基づく判断をしてよろしい、ということなんだろう。なんか結構思ったよりも難しいね。
という訳で新年早々のBase Erosion%でした。
Monday, December 31, 2018
2018年大晦日「行く年来る年」
ちょうど昨年の大晦日は税制改正可決直後で、「米国税法改革「Tax Cuts and Jobs Act」そして2017年の政局を振り返って」というタイトルのポスティングをしていた。可決当時のまだ詳細も不明な時期だけあり、どことなくイノセントな感じが漂っている。
その後、可決直後のハネムーンは早々に終わり、膨大な量の規則と立ち向かう毎日を過ごしている間に、2018年も早くも12月31日になってしまった。時の経つスピードに驚愕すると共に、早くも想いは2019年のことでいっぱい。2019年もTCJAにかかわる多くのガイダンスが、引き続き公表されていくし、さらに現時点で案(「Proposed」)の状態にあるガイダンスが、順次最終化されていくExcitingな年だ。
多くの規則案は2019年6月21日までに最終化されるはず。なぜ6月21日かっていうところは数回前のポスティング「米国税法改正(Tax Cuts and Jobs Act)「Unplugged」(6) – BEAT財務省規則案(2)」で詳しく触れているのでぜひ読んでみて欲しい。各規則案にはパブリックコメントの提出期間が設定されていて、その間に寄せられるコメントに基づき更なる改訂が行われる。これだけ複雑な規定満載なので思わぬ副作用とかが新たに見つかったりして、最終化までには規則が変わる部分が結構あるはず。コメントの多くは法曹界、Big-4会計事務所、業界団体から寄せられるけど、法律可決直後の規則案の策定過程で、既にテクニカルな多くのコメントが寄せられている。複雑かつ新しい法律を適用する際に直面する不確実な検討事項は、無数にあり、それを財務省だけで潰すのは不可能という現実を考えると、この前倒しのコラボ体制はとても良くワークしている。さらに、どんなプラニングがあり得るかっていう点も比較的トランスペアレントに財務省に伝わる。そのため、乱用防止的な規則が策定される際に、許容範囲がどこにあるのかっていう点も比較的よく考えられていると思う。
年明け早々に公表されるであろう新規の財務省規則案の目玉は、100%配当控除を規定しているSection 245A、GILTI控除とFDII控除をセットで規定しているSection 250にかかわるもの。245Aは保有期間みたいな単純な規則一つとっても深く考えると恐ろしく複雑。FDIIは外国使用をどのように考えるのか、また、外国関連者に対する売上・サービス提供・ライセンスの濫用防止規定となる「Round Tripping防止」が、どのように規定されるか等興味は尽きない。でも、それまでに既に公表されているのメジャーな規則案を、ある程度読み込んでおかないと財務省のペースに二度と追いつけなくなってしまいそう。2019年も引き続きハイテンション間違いなしだ。
日本では既にお正月になっているけどNYCはまだ大晦日のお昼。オフィスのあるTimes Squareは、1904年から毎年恒例の60秒カウントダウンで、オフィス自体もちろん立ち入り不可。本当かどうか知らないけどカウントダウンに100万人の人が殺到するというから凄い。カウントダウン時に6トン近い巨大なボールが、1分かけて落ちるのもお馴染み。今年の「Imagine」はブルックリン生まれの歌姫、Bebe Rexhaが歌うらしい。今年は例年より気持ち気温が高めの大晦日っぽいから、43rd Streetとかで12時間待つみんなもチョッと楽かもね。
という訳で、2018年もいろいろと脱線することもあって、どうでもいいこともたくさんポスティングしてしまったけど、2019年もより多くの日本企業が、グローバルプレイヤーとして活躍できるよう米国税務面からサポートしていきたい。
その後、可決直後のハネムーンは早々に終わり、膨大な量の規則と立ち向かう毎日を過ごしている間に、2018年も早くも12月31日になってしまった。時の経つスピードに驚愕すると共に、早くも想いは2019年のことでいっぱい。2019年もTCJAにかかわる多くのガイダンスが、引き続き公表されていくし、さらに現時点で案(「Proposed」)の状態にあるガイダンスが、順次最終化されていくExcitingな年だ。
多くの規則案は2019年6月21日までに最終化されるはず。なぜ6月21日かっていうところは数回前のポスティング「米国税法改正(Tax Cuts and Jobs Act)「Unplugged」(6) – BEAT財務省規則案(2)」で詳しく触れているのでぜひ読んでみて欲しい。各規則案にはパブリックコメントの提出期間が設定されていて、その間に寄せられるコメントに基づき更なる改訂が行われる。これだけ複雑な規定満載なので思わぬ副作用とかが新たに見つかったりして、最終化までには規則が変わる部分が結構あるはず。コメントの多くは法曹界、Big-4会計事務所、業界団体から寄せられるけど、法律可決直後の規則案の策定過程で、既にテクニカルな多くのコメントが寄せられている。複雑かつ新しい法律を適用する際に直面する不確実な検討事項は、無数にあり、それを財務省だけで潰すのは不可能という現実を考えると、この前倒しのコラボ体制はとても良くワークしている。さらに、どんなプラニングがあり得るかっていう点も比較的トランスペアレントに財務省に伝わる。そのため、乱用防止的な規則が策定される際に、許容範囲がどこにあるのかっていう点も比較的よく考えられていると思う。
年明け早々に公表されるであろう新規の財務省規則案の目玉は、100%配当控除を規定しているSection 245A、GILTI控除とFDII控除をセットで規定しているSection 250にかかわるもの。245Aは保有期間みたいな単純な規則一つとっても深く考えると恐ろしく複雑。FDIIは外国使用をどのように考えるのか、また、外国関連者に対する売上・サービス提供・ライセンスの濫用防止規定となる「Round Tripping防止」が、どのように規定されるか等興味は尽きない。でも、それまでに既に公表されているのメジャーな規則案を、ある程度読み込んでおかないと財務省のペースに二度と追いつけなくなってしまいそう。2019年も引き続きハイテンション間違いなしだ。
日本では既にお正月になっているけどNYCはまだ大晦日のお昼。オフィスのあるTimes Squareは、1904年から毎年恒例の60秒カウントダウンで、オフィス自体もちろん立ち入り不可。本当かどうか知らないけどカウントダウンに100万人の人が殺到するというから凄い。カウントダウン時に6トン近い巨大なボールが、1分かけて落ちるのもお馴染み。今年の「Imagine」はブルックリン生まれの歌姫、Bebe Rexhaが歌うらしい。今年は例年より気持ち気温が高めの大晦日っぽいから、43rd Streetとかで12時間待つみんなもチョッと楽かもね。
という訳で、2018年もいろいろと脱線することもあって、どうでもいいこともたくさんポスティングしてしまったけど、2019年もより多くの日本企業が、グローバルプレイヤーとして活躍できるよう米国税務面からサポートしていきたい。
Sunday, December 30, 2018
米国税法改正(Tax Cuts and Jobs Act)「Unplugged」(6) – BEAT財務省規則案(4)
前回のクリスマスイブポスティングでは、BEAT適用対象かどうかの判断時にパートナーシップをどう取り扱うかっていう、法文では明記されてい なかった部分に関して触れた。そうこうしている間に、2018年のクリスマスも過ぎてしまったけど、エンパイアステートビルは相変わらず夕方になると赤と緑で美しくライトアップされているし、ロックフェラーセンターのクリスマスツリーも1月7日まではそのまま煌々と光り続ける。ロックフェラーセンターには、11月28日のライトアップショー以降、ツリーや関連イベントを見ようと多くの観光客が立ち寄る。その間、48とか51とかのストリートは多くの人でごった返し、交通規制が敷かれ、渋滞で大混乱。特にMidtownの中心からマンハッタンを北上して48方面に向かう、6th AveやMadisonの渋滞はひどい。昨日の夕方も、深く考えずに44からMadisonに左折してしまって、数ブロック超えるのに長い時間を要し、その間、BEATの適用対象に関して、他に良く質問される不明点はなかったかな、とか考えたりしてた。
ただ、マンハッタン内の渋滞は仮に時間帯によって激しくても、所詮距離がしれてるからマシ。結局、昨日も数ブロック超えたらスムースオペレーター(Sade!)になって、その後はアッと言う間だったし。その点、南カリフォルニアの405とかで渋滞に巻き込まれ、10マイルとか延々混んでるより全然ベター。405は夜中2時とかは別として、渋滞に巻き込まれない方が珍しいし。夜中の2時とかでも、油断していると、道路工事とかCHPのアクティビティとかで5車線が1車線になったりして渋滞することもあり、そんな時は「こんな時間に・・」とショックの大きさもひとしお。
良くみんな、特にロサンゼルスの人、に南カリフォルニアとNYCのどちらがいいか、っていう比較可能性が低く、余り意味のない質問を受けることがあって、どっちにも愛着もあり、各々別の角度からいいとこだと思うけど、敢えて言うなら基本的にお天気以外ではNYC。お天気も慣れの問題で、冬のマンハッタンとか白い息を吐きながらクライスラービルとか見えてると気が引き締まるし、雨も「12月の雨」(古~)じゃないけど、雨音に気付いて遅く起きた朝、とか結構Cozy。で、なんでこんな話しかって言うと、南カリフォルニアで車に乗ってる時間の無駄さ加減が余りなのと、後、CHPって書いて、南カリフォルニアのポリスとNYPDの余りの態度の違いを思い出したから。平均的な他州のポリスから受ける印象に比べて、特に合法的に暮らしている通常の市民に対するNYPDのフレンドリーかつヘルプフルなポリスに比べて、CHPやLAPDのポリスは意味もなく高圧的。NYPDのモットーは「Courtesy, Professionalism, Respect」だけどそれに忠実なイメージ。CHPは逆。州民の税金から給料もらってる公僕だって意識が全くなく、この前もFWY10で、いかにも善良そうにただ運転しているだけの市民の後ろにいきなり派手に接近してサイレンならし、横によけると「なんで急に横によける!」とかスピーカーで思いっきり怒鳴ってみたり極めて横柄。もちろん文句でも言おうものなら撃ち殺されかねないし、市民としては余りDue Processがない。南カリフォルニアに居ると慣れてくるけど、野蛮と言うか田舎もの丸出しというか、って感じ。もしかしてCHPにチケット良く切られるので愚痴?って言われるかもしれないけど、東西比較検討項目のひとつで、差異が際立っている点のひとつだろう。
またしても貴重な年末の限られた時間をどうでもいい話しに費やしてしまったけど、Madison Aveで一瞬渋滞している間に思い出したのが、売上(Gross Receipt)テスト適用時の売上の考え方。大概のケースでは、テストするまでもなく超えているので、後はBase Erosion%で勝負っていう法人グループか、うちはまだまだスタートアップなので平気って法人グループか、二分化されると思うけど、場合によっては結構際どいケースもあり得る。
BEAT以外の局面でも売上テストは、現金ベースで課税所得を確定してもいいか、263AでInventory Capしないでいいか、Section 163(j)で支払利息の損金算入制限を考えなくてもいいか、とか結構登場する。
ここで言う売上は、米国税務上、当期に認識されるものを意味し、物販に関しては売上原価を差し引く前の総収入から返品を差し引いた金額、サービス提供に関してはグロス全額が含まれる。また、その他の付随的な活動からの受け取りも全て含まれる。投資活動からの受け取りも全て売上を構成し、それにはOIDや地方債のような非課税利子所得も含まれ、配当、賃貸、ロイヤルティーも全て売上だ。例外的に、事業資産やキャピタル資産の譲渡に関しては受取額から税務簿価を差し引くことが認められる。規定上、明確でないけど、売上の話しなので、個人的には事業資産やキャピタル資産から譲渡損が発生する場合には、マイナスと数えるのではなく、ゼロとするんじゃかないか、と考えてる。
BEATに関しては、財務省規則案が公表されるズッと以前、税法改正が可決して間もない頃、手探りでいろいろとポスティングしていた懐かしい時期がある。その時のシリーズで、何と1月10日という早い時期に書いている「米国税法改正(Tax Cuts and Jobs Act)「Unplugged」(1) – BEAT(2)」でも、実はBEAT適用条件の売上基準に関して触れた。そこでも触れたけど、過去3年平均で売上$500M以上かどうかを算定する際に12カ月未満の課税年度が存在するようなケースでは年間換算額を用いるとか、合併等、期の途中で組織再編がある場合には前身の主体の売上も含むとか、通常この手の基準に規定される注意事項が同様に規定されている一方、法文上、不思議なことに、通常は必ずこの手に話しに必ず登場する「3年間存在してない法人はどうするの?」っていう点が規則から抜け落ちている点に触れた。
で、今回の財務省規則案ではしっかりそこも規定されていて、法人が過去3年存在していないケースでは、設立以来の期間で平均売上を計算しなさい、って通常通りの規定となっている。その際、大概において初年度となる課税年度は12カ月未満だろうってことを想定し、上述の12カ月未満の課税年度が存在するようなケースでは年間換算額を用いる規則も同時適用すること、ってしっかり釘を刺している。
ということで今日は、Madison Ave発の売上基準に関するその他規則でした。
ただ、マンハッタン内の渋滞は仮に時間帯によって激しくても、所詮距離がしれてるからマシ。結局、昨日も数ブロック超えたらスムースオペレーター(Sade!)になって、その後はアッと言う間だったし。その点、南カリフォルニアの405とかで渋滞に巻き込まれ、10マイルとか延々混んでるより全然ベター。405は夜中2時とかは別として、渋滞に巻き込まれない方が珍しいし。夜中の2時とかでも、油断していると、道路工事とかCHPのアクティビティとかで5車線が1車線になったりして渋滞することもあり、そんな時は「こんな時間に・・」とショックの大きさもひとしお。
良くみんな、特にロサンゼルスの人、に南カリフォルニアとNYCのどちらがいいか、っていう比較可能性が低く、余り意味のない質問を受けることがあって、どっちにも愛着もあり、各々別の角度からいいとこだと思うけど、敢えて言うなら基本的にお天気以外ではNYC。お天気も慣れの問題で、冬のマンハッタンとか白い息を吐きながらクライスラービルとか見えてると気が引き締まるし、雨も「12月の雨」(古~)じゃないけど、雨音に気付いて遅く起きた朝、とか結構Cozy。で、なんでこんな話しかって言うと、南カリフォルニアで車に乗ってる時間の無駄さ加減が余りなのと、後、CHPって書いて、南カリフォルニアのポリスとNYPDの余りの態度の違いを思い出したから。平均的な他州のポリスから受ける印象に比べて、特に合法的に暮らしている通常の市民に対するNYPDのフレンドリーかつヘルプフルなポリスに比べて、CHPやLAPDのポリスは意味もなく高圧的。NYPDのモットーは「Courtesy, Professionalism, Respect」だけどそれに忠実なイメージ。CHPは逆。州民の税金から給料もらってる公僕だって意識が全くなく、この前もFWY10で、いかにも善良そうにただ運転しているだけの市民の後ろにいきなり派手に接近してサイレンならし、横によけると「なんで急に横によける!」とかスピーカーで思いっきり怒鳴ってみたり極めて横柄。もちろん文句でも言おうものなら撃ち殺されかねないし、市民としては余りDue Processがない。南カリフォルニアに居ると慣れてくるけど、野蛮と言うか田舎もの丸出しというか、って感じ。もしかしてCHPにチケット良く切られるので愚痴?って言われるかもしれないけど、東西比較検討項目のひとつで、差異が際立っている点のひとつだろう。
またしても貴重な年末の限られた時間をどうでもいい話しに費やしてしまったけど、Madison Aveで一瞬渋滞している間に思い出したのが、売上(Gross Receipt)テスト適用時の売上の考え方。大概のケースでは、テストするまでもなく超えているので、後はBase Erosion%で勝負っていう法人グループか、うちはまだまだスタートアップなので平気って法人グループか、二分化されると思うけど、場合によっては結構際どいケースもあり得る。
BEAT以外の局面でも売上テストは、現金ベースで課税所得を確定してもいいか、263AでInventory Capしないでいいか、Section 163(j)で支払利息の損金算入制限を考えなくてもいいか、とか結構登場する。
ここで言う売上は、米国税務上、当期に認識されるものを意味し、物販に関しては売上原価を差し引く前の総収入から返品を差し引いた金額、サービス提供に関してはグロス全額が含まれる。また、その他の付随的な活動からの受け取りも全て含まれる。投資活動からの受け取りも全て売上を構成し、それにはOIDや地方債のような非課税利子所得も含まれ、配当、賃貸、ロイヤルティーも全て売上だ。例外的に、事業資産やキャピタル資産の譲渡に関しては受取額から税務簿価を差し引くことが認められる。規定上、明確でないけど、売上の話しなので、個人的には事業資産やキャピタル資産から譲渡損が発生する場合には、マイナスと数えるのではなく、ゼロとするんじゃかないか、と考えてる。
BEATに関しては、財務省規則案が公表されるズッと以前、税法改正が可決して間もない頃、手探りでいろいろとポスティングしていた懐かしい時期がある。その時のシリーズで、何と1月10日という早い時期に書いている「米国税法改正(Tax Cuts and Jobs Act)「Unplugged」(1) – BEAT(2)」でも、実はBEAT適用条件の売上基準に関して触れた。そこでも触れたけど、過去3年平均で売上$500M以上かどうかを算定する際に12カ月未満の課税年度が存在するようなケースでは年間換算額を用いるとか、合併等、期の途中で組織再編がある場合には前身の主体の売上も含むとか、通常この手の基準に規定される注意事項が同様に規定されている一方、法文上、不思議なことに、通常は必ずこの手に話しに必ず登場する「3年間存在してない法人はどうするの?」っていう点が規則から抜け落ちている点に触れた。
で、今回の財務省規則案ではしっかりそこも規定されていて、法人が過去3年存在していないケースでは、設立以来の期間で平均売上を計算しなさい、って通常通りの規定となっている。その際、大概において初年度となる課税年度は12カ月未満だろうってことを想定し、上述の12カ月未満の課税年度が存在するようなケースでは年間換算額を用いる規則も同時適用すること、ってしっかり釘を刺している。
ということで今日は、Madison Ave発の売上基準に関するその他規則でした。
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