ちょうど昨年の大晦日は税制改正可決直後で、「米国税法改革「Tax Cuts and Jobs Act」そして2017年の政局を振り返って」というタイトルのポスティングをしていた。可決当時のまだ詳細も不明な時期だけあり、どことなくイノセントな感じが漂っている。
その後、可決直後のハネムーンは早々に終わり、膨大な量の規則と立ち向かう毎日を過ごしている間に、2018年も早くも12月31日になってしまった。時の経つスピードに驚愕すると共に、早くも想いは2019年のことでいっぱい。2019年もTCJAにかかわる多くのガイダンスが、引き続き公表されていくし、さらに現時点で案(「Proposed」)の状態にあるガイダンスが、順次最終化されていくExcitingな年だ。
多くの規則案は2019年6月21日までに最終化されるはず。なぜ6月21日かっていうところは数回前のポスティング「米国税法改正(Tax Cuts and Jobs Act)「Unplugged」(6) – BEAT財務省規則案(2)」で詳しく触れているのでぜひ読んでみて欲しい。各規則案にはパブリックコメントの提出期間が設定されていて、その間に寄せられるコメントに基づき更なる改訂が行われる。これだけ複雑な規定満載なので思わぬ副作用とかが新たに見つかったりして、最終化までには規則が変わる部分が結構あるはず。コメントの多くは法曹界、Big-4会計事務所、業界団体から寄せられるけど、法律可決直後の規則案の策定過程で、既にテクニカルな多くのコメントが寄せられている。複雑かつ新しい法律を適用する際に直面する不確実な検討事項は、無数にあり、それを財務省だけで潰すのは不可能という現実を考えると、この前倒しのコラボ体制はとても良くワークしている。さらに、どんなプラニングがあり得るかっていう点も比較的トランスペアレントに財務省に伝わる。そのため、乱用防止的な規則が策定される際に、許容範囲がどこにあるのかっていう点も比較的よく考えられていると思う。
年明け早々に公表されるであろう新規の財務省規則案の目玉は、100%配当控除を規定しているSection 245A、GILTI控除とFDII控除をセットで規定しているSection 250にかかわるもの。245Aは保有期間みたいな単純な規則一つとっても深く考えると恐ろしく複雑。FDIIは外国使用をどのように考えるのか、また、外国関連者に対する売上・サービス提供・ライセンスの濫用防止規定となる「Round Tripping防止」が、どのように規定されるか等興味は尽きない。でも、それまでに既に公表されているのメジャーな規則案を、ある程度読み込んでおかないと財務省のペースに二度と追いつけなくなってしまいそう。2019年も引き続きハイテンション間違いなしだ。
日本では既にお正月になっているけどNYCはまだ大晦日のお昼。オフィスのあるTimes Squareは、1904年から毎年恒例の60秒カウントダウンで、オフィス自体もちろん立ち入り不可。本当かどうか知らないけどカウントダウンに100万人の人が殺到するというから凄い。カウントダウン時に6トン近い巨大なボールが、1分かけて落ちるのもお馴染み。今年の「Imagine」はブルックリン生まれの歌姫、Bebe Rexhaが歌うらしい。今年は例年より気持ち気温が高めの大晦日っぽいから、43rd Streetとかで12時間待つみんなもチョッと楽かもね。
という訳で、2018年もいろいろと脱線することもあって、どうでもいいこともたくさんポスティングしてしまったけど、2019年もより多くの日本企業が、グローバルプレイヤーとして活躍できるよう米国税務面からサポートしていきたい。