昨日、財務省幹部がOECDおよび主要各国が米国の主張を聞き入れてGlobal Tax Deal米国不適用に合意するだろうっていう報道に関して触れたところだけど、さっき財務長官のScott BessentがX(昔のTwitter)で正式の合意に至ったコメントを公表した。昨日のポスティングで言うところの「Bombshell」進展。
Xのコメントによると「OECDのピラー2は米国企業には適用されない最終合意に至った。今後数週間から数か月掛けてOEDC-G20 IFと協力して当合意を実施することになる。このような歴史的な合意を実現した各国との協働・コラボに感謝する」とのこと。Michael FaulkenderやRebecca Bauchの主張から想像するに米国企業だけでなく、米国が課税対象とする所得にはピラー2の適用はあってはならないっていうのが米国のポジションだったし、Scott BessentのポストでもUTPRではなくピラー2全体が米国には適用がないと明言してるんで、UTPRばかりでなく外国法人の米国子会社にIIRの適用も認められない(通常のCFC課税はOK)ってことだろう。QDMTTは各国の勝手って考えられるけど、OECDが先導しているQDMTTが米国GILTIより優先っていうのは今後は米国と各国の交渉になる可能性がある。
更にScott Bessentは別ポストで「数か月におよぶ他国との協議の結果、米国の権利を守るためのG7共同声明を発表する。トランプ大統領が1月20日に就任と同時に発令した2つのExecutive OrdersはOECDのGlobal Tax Dealから米国の国家主権を守るよう財務省に指示したことが起点となり当合意の道を開いた。大統領のリーダーシップにより米国市民に吉報が届いた」としている。
Section 899法案は?
Section 899法案に関しては「当展開により審議中のMega-Billからsection 899を撤回するよう下院・上院に提言した。G7との当合意はグローバル経済に確実性・安定性を提供し、米国の成長・投資等を更に強化する。このような合意を可能にした(強要した?)section 899の審議にかかわる下院Ways and MeansのJason Smith委員長および上院Finance CommitteeのMike Crapo委員長の多大な努力に敬意を表したい」ということ。
現時点で下院・上院の反応はないけど、上院はByrd Bath最終フェーズでProcedural Voteが差し迫る中、Byrd審判のParliamentarianに言われていろいろな修正を入れているんでもしかしたら899撤回、または内容がソフトタッチに文言修正される可能性はある。今のところScott BessentからDSTにかかわるコメントはないけど、プレスではこっちも合意間近っていう報道もあったんで何かあるかもね。
ただ、上院法案で付加税%がUTPRだけに適用されていた点からも分かる通り、国家主権的に一番許せないと感じられていたのはUTPRだから大概において目的達成ではあるだろう。DSTの取り扱いが不明確な場合や今後も変な税法が出てこないとも限らないんでsection 891が90年間Codeに居座ってるようにsection 899も法律として残る可能性はあるけど、適用がなければそれはそれで自由にどうぞって感じだね。OECDもモデル条約やBEPS 1.0くらいまではよかったかもしれないけど、ピラー2とかどう考えてもExtraterritorialでチョッとやり過ぎだったんじゃないかな。
っていうことで取り合えずNew-BEATは触れたし、Super-BEATは深堀する前にMootな感じ。これで今晩は少し睡眠とってその後地道に上院・両院のMega-Bill動向大枠にフォーカスします!