Monday, December 29, 2025

DC REIT判断時のCorporation look-throughルール短命で削除

ゆく年くる年の前にチョッと時間あるんで今回はREIT関係の2025年新規則草案に関して。

FIRPTA/REIT

REITの持分は大概において(必ずしもそうじゃないんで要注意だけど)FIRPTA課税対象のUSRPIに当たるんで、外国人による持分譲渡損益は原則ECIとして申告課税対象になる。REIT持分が公認取引所で流通されてる場合には、10%超(REITやRIC以外は5%超)の持分を所有していない限りUSRPIには当たらないとかいくつか例外があるけど、REITに関しては他のUSRPIとの比較で有利な「Domestically Controlled(DC)」例外がある。すなわちDC REIT持分はUSRPIに当たらないと規定され、外国人が譲渡しても申告課税の対象にならない。この例外、正確にはUSRPHCに区分されるRICも含む「Qualified Investment Entity(QIE)」に適用があるけど、FIRPTAの話しなんで簡便的にREITって言っておく。QIEなんて言うと一般読者にしてみると「何それ?」ってなるしね。

DC REITを含むFIRPTAやREITの詳細は2022年規則草案が公表された頃に連載した「FIRPTAアップデート(DC REIT、外国政府、外国ペンションファンド規則案)」で触れてるんでそちらを参照して欲しい。

2022年DC REIT規則草案「CorporationのLook-through」

2022年も終わろうとしていた12月29日、複数の駆け込み規則のひとつとしてDC REITをカバーした規則草案(2022年規則草案)が公表された。さすがにもう新しい規則とか出ないだろうって油断してマイアミビーチでキューバンコーヒー三昧してたんで面食らったのを覚えてる。

DC REIT持分がUSRPIでないとすると、当然、どんなREITがDC REITに位置付けられるかが重要。以前も触れたけど、DC REITって言うけど、実際の判断時にはDomestically Controlledかどうかよりも「ForeignにControlされてない」っていう認定が重要。原則ルール的には過去5年間継続して外国人が直接・間接に50%未満の持分しか持っていないREITがDC REITになる。

外国人にどれだけの持分%を直接・間接に所有されているかを判断する際、2022年規則草案では「Look-throughアプローチ」を正式に定義して採択。当アプローチ下では、直接にしても間接にしても「Non-look-through主体」のみがREIT持分を所有していると取り扱われる。逆に「Look-through主体」に所有されている持分はLook-through主体の所有者が間接所有していると取り扱う。ここまでは「なるほど、それはそうだよね」って感じ。米国税務上パススルー課税に区分されるパートナーシップとかをLook-throughするのは自然な話しだ。

で、米国税務上法人課税に区分される主体、ここでは簡単にCorporationって言っておくけど、は一般的にはNon-look-throughって規定されてるんだけど、2022年規則草案では公認取引市場で流通していない(非上場って言っておくね)米国Corporationの持分25%以上を外国人が所有している場合は、そんなCorporationはLook-through主体と取り扱うと規定した。米国Corporationだから、REIT持分譲渡益を含むWorldwide所得全額に課税されるんだけど、REITがDCがどうかの判断目的ではパススルーかのように一定要件下でLook-throughしますっていうもの。CorporationをLook-throughするって一体全体どっからそんなルールが来るの?って驚愕をもって受け止められた。

2024年最終規則

2024年4月24日、規則策定権や規則の内容そのものに対する反論・疑問、また非上場でも必ずしもUpper Tierの持分所有者の特定が容易ではないっていうルール適用時の実務的な障害、その他の理由に基づく撤回要求が多く寄せられたにもかかわらず、財務省はそれらの見解には全て「Disagree」ということで、米国CorporationのLook-through主体ルールが最終化された。ただし、2022年規則草案ではLook-throughがトリガーされる外国人が所有%が25%以上だったけど、最終規則ではこれを50%以上に緩和し移行措置も規定した。このトリガー持分の引き上げをもってCorporationのLook-throughルールのScopeは「Significantly narrow」になったって財務省は胸を張ったけど、基本的なCorporationのLook-throughルールは同じ。前回のExcise TaxのFunding規定からPer Seルールを除去することで「Substantial modification」って言ってたのと似ている。納税者としては釈然としないところだったけど、後は法廷で司法府の判断を仰ぐのみ。法廷に持ち込むにはStandingが必要なので誰かがCorporationのLook-throughルールに基づき課税されるのを待つ必要があった。2024年最終規則に関しては当時「FIRPTAアップデート(DC REITのC CorporationのLook-throughルール最終化)」で詳細を説明してるんで参照して欲しい。

2025年新規則草案CorporationのLook-throughルール削除

CorporationのLook-throughルールはどれだけおかしなルールでも最終化されてしまったんで法廷で無効化されるまでは万事休すって思われてたけど、2025年にDe-Regulations志向の新政権が誕生し、他の多くの眉唾な規則と並び、改訂が期待されていた。そんな期待に応え、2025年10月21日に新たな規則草案が公表された。

最終規則公表後も引き続き納税者からCorporationのLook-throughルール撤回を求めるコメントが寄せられ続けた。適用時の実務的な困難さ、条文と不整合、米国Corporationはフルに課税主体、等のコメント全てに財務省は合意し、米国Corporationはその持分構成にかかわらず全てNon-Look-through主体とした。この新ルールの正式適用開始日は規則が最終化された日以降だけど、2024年4月25日、すなわちCorporationのLook-throughルールが最終化された日、以降の取引、さらに2024年4月25日より前に効果を持つEntity Classificationを4月25日以降に選択したケース、に新ルールの適用を認めている。

Excise TaxのFunding規定を含む他の規則もそうだけど、規則が条文とかけ離れたアクティビスト的な方向に行っていたのを普通のレベルに戻してくれてて納税者としては納得感が高い。もちろん納税者としてLook-throughしない方がありがたい。ただ、ポリシーとしてDC REIT判断時にCorporationをLook-throughするべきかどうかは立場次第で賛否両論いろいろあるだろから、もしそうしたいのであれば、憲法の観点からもExecutive Branchの行政府ではなく、立法府の議会がきちんと議論して法律を変えて実行するべきっていう観点での納得感だね。

Sunday, December 28, 2025

自社株買いExcise Tax「Funding規定」不採択

ということで昨日はElla and Bossa Beat聴いて何から始めようか考えたんだけど、個人的な好みのCFC持分譲渡時のNCTI・245A、Inbound FとFIRPTA、またはForeign Governmentの取り扱いとかから行くか、ここはチョッと我慢して一般読者の皆さん側で関心が高いかな~って推測される自社株買い1%懲罰課税のFunding規則撤廃とかDC REITに行くか、で迷った挙句、後者で行くことにしました。Inbound Fじゃなくて安心した?

自社株買い1%Excise Tax(懲罰課税)

2022年IRAで米国上場企業による自社株買いに1%のExcise Taxが導入された(section 4501)。2017年のTCJAで法人税率が35%から21%に引き下げられたこともあり、その分単純に法人の税引後利益および配当原資は増額するだろうから、従来から活発だった自社株買いはさらに拡大してたね。 このExcise Tax、報道とか読んでると日本語で「物品税」って訳すのが一般的みたいなんだけど、例えば大型トラックの販売に対するExcise Tax(4051)とかだったらトラックは物品だろうから分かり易いし、ガソリンの卸しに対するExcise Tax(4081)も、まあガソリンも有形だし何となく日常的な感覚の物とはチョッとズレる気はするけど、まあ物品税なのかな~って思える。でも、自社株式買いに対するExcise Taxは物品って感じは全然しないんでこの訳はしっくりこない。僕の日本語力の問題の可能性も大だけど、Excise Taxって米国では政府の視点で好ましくない行動や取引に懲罰的に課す税金っていうニュアンスがあるんで個人的には懲罰課税って呼んでる。ここでは無難なところで(自社株買い)Excise Taxって統一しておきます。

このExcise Tax、概念的には比較的シンプルなはずだった…。株式が公認Stock Exchangeで取引されている「米国法人」を適用対象法人とし、2023年1月以降の適用対象法人による自社株買い対象株式時価の1%を法人の課税年度ベースでExcise Taxとして課すというもの。税法(Title 26)のSubtitle D(4000番台)にCodifyされていることから分かる通り、Miscellaneous Excise Taxのひとつであり、よってSubtitle A(1~1563)の「Income Tax」ではない。Excise Taxなんで単純に取引価格に%を掛け、費用控除は認められない。ここまでは「なるほど…」って感じで仕方ないんだけど、読んでいくと設計ミス的な複雑性が伴い始める。何と言っても致命的なのが「Stock Repurchase」定義。4000番台のExcise Tax下の規定にもかかわらず「自社株買い(Repurchase)」はIncome Tax(Subtitle A)のChapter 1傘下で法人取引やM&Aの課税関係を規定しているSubchapter C(Sub C)に属するsection 317の「Redemption」(および財務省が「当Redemptionと経済的に類似と判断する取引」)って定義されている。ええ~、マーケットで認識されている所謂自社株買いとSub CのRedemptionって全然Scopeが異なるけど大丈夫…?って驚愕したとしても、既に立法府の議会で条文化されてしまってるんでどうしようもない。

ちなみにIRAのExcise Tax導入には何らかの深淵なポリシー目的があるはずで、例えばZuckerburg効果の抑止とか、それが何なのか教えて欲しいっていうリクエストが少なからずあるんだけど、IRAのエネジークレジットの財源として急遽抜擢されただけの話しでLegislative HistoryやIntentの記録は一切ない。何も記録がないんで憶測に過ぎないけど、IRA審議時にCarried Interest課税強化可決に足る票が集まらず、代替財源が必要となりExcise Taxが急遽法制化されたに過ぎない。したがってもちろんだけどなぜsection 317のRedemption定義を流用したかの議論は残っていない。

またExcise Taxって通常、四半期ごとに申告して支払うけど、課税年度ベースで支払うとなると手続きも異なって混乱だったよね。結局、2023年は準備が整わず混乱の挙句に申告・納税は不要(苦笑)っていう変わったアナウンスに至っていた。2023年6月のAnnouncement 2023-18だ。

上述の通り、何がsection 317のRedemptionと経済的に類似する取引かっていう判断権限は、立法府の議会が条文で行政府の財務省に付与している。Excise Taxが立法化された2022年夏はまだChevron原則下だから行政府は条文解釈に対する広範な裁量を持っていた。その後2024年6月に言い渡されたLoper Bright最高裁判例でChevron原則は撤廃され、連邦憲法の趣旨に立ち返り、拡大一方の行政府の裁量が抑制されている。行政府が策定する規則は立法趣旨に沿って合理的でないといけないし(この点はChevronの2ステップテストのうち、2つ目のテストでもそうだったはずなんだけどね…)、沿っているかどうかの判断時に行政府の判断をほぼ常に尊重するのではなく、司法府が行政府の解釈が合理的かどうか、策定権の範囲内かを判断することになった。「経済的に類似する取引」が何かの解釈に関して行政府の判断・裁量はChevron原則下よりLoper Bright原則下ではより限定されることになる。ただ後述のFunding規定はChevron原則でも法廷でチャレンジされると怪しかったんじゃないかな。

例えば、議会が「桶屋が儲かっている、または経済的に類似する」場合にはExcise Taxを課すっていう法律を通し、何が類似するかは行政府に規則策定権を付与したとする。財務省は規則を策定し「風が吹いたら桶屋が儲かり経済的に類似することからExcise Taxを課す」っていう規則を公表したとする。風を感じた者にExcise Taxが課せられ、裁判になったとしたら、さすがにChevron原則でも合理的な解釈じゃないってことになるだろう。桶屋はもちろん非現実的な例だけど、Excise TaxのFunding規定って個人的にはそれに近いくらいStretchだったと思う。

Funding規定案

風が吹いて桶屋が儲かるFunding規定、もともと2023年1月にNoticeに規定されて世間を驚かせた後、2024年4月の規則草案に若干「緩和」されて盛り込まれていた。Funding規定は簡単に言うと米国法人が、関連者の外国上場企業が米国外で実施する自社株買いの財源を直接・間接に提供、すなわちFundingしている場合、米国法人は外国法人株式を取得していると取り扱われExcise Taxの対象になるっていうもの。上場日本企業の例で行くと米国子会社が分配、貸付を含むいかなる形式でも親会社に資金提供・Fundingし、Fundingの主たる目的のひとつ(「a」 principal purpose)がExcise Tax回避の場合、米国子会社がExcise Taxの対象になる。

2023年のNoticeでは分配以外の取引(例、貸付)の前後2年間に親会社が自社株買いを実行している場合、「反証不可」でFundingの主たる目的のひとつはExcise Tax回避だったと認定するという「Per Se」ルールが規定されていた。日本親会社は米国のExcise Taxなんかが可決される前から自社株買いプログラムを持ってるところも多いし、そもそもExcise Taxの存在も認識してないケースもあるだろう。また、従来から子会社から定期的に分配を受け取ったり、Cash Management等で借入をしてたりするのは極普通。にもかかわらず後からExcise Taxが可決され、米国子会社から日本親会社へのFundingはExcise Tax回避が目的っていう超訳分かんないことになっていた。しかも主たる目的って一体全体誰の目的?日本の親会社なのか米国子会社なのかも不明だった。

NoticeのFunding規定、特にPer Seルールには多くの反論が寄せられた結果、2024年4月の規則草案のFunding規定はPer Seルールの代わりに反証可能な推定事実認定となった。財務省は大きな改訂(Substantial modification)と胸を張ったが、反証こそ可能になったもののFunding規定の基本的なストラクチャーはそのまま。しかもFundingのひとつの目的が直接・間接に親会社の自社株買い資金を提供している場合、それをもってイコールExcise Tax回避目的と規定されていた。この点に関して、納税者等からFundingの意図とExcise Tax回避の意図は異なるっていう反論が寄せられていた。

2024年6月に最終化された規則は主に手続き的な規則にかかわるもので、Funding規定は含まれていなかった。バイデン政権末期に規則策定権または法的解釈が眉唾な規則が次々最終化されていったので、Funding規定もそのまま最終化されてしまうのかな~って危惧はあったけど結局、草案のまま政権交代となった。

パラダイムシフトの2025年Excise Tax最終規則

つい一か月ほど前の2025年11月21日に最終化されたExcise Tax規則は2024年6月の最終規則ではペンディングになっていた手続き面以外の規則案の多くを大幅に自由化、合理化した。2024年4月の規則草案の(法人の視点から)行き過ぎの規則の多くがリバースされ、パラダイムシフトって言っても過言じゃない。前座としてFunding規定以外でいくつか代表的なものを挙げておくと次の通り。

Preferred Stock

規則草案では原則、全てのPreferred Stockの償還も自社株買いExcise Taxの対象とされていた。Preferred Stockは償還が義務つけられているタイプも珍しくないことから一定条件下で不適用にして欲しいというコメントが寄せられていた。特にExcise Taxが可決された2022年8月16日より前に償還権が付与されていたPreferred Stockに関しては、債権交付時にはExcise Taxという制度は存在せず、当事者のEconomicsが後から没収されるような効果となることから過去遡及の適用はおかしいというコメントもあった。最終規則ではどれも「ごもっとも」ということで、所謂Vanilla Preferred stock(連結納税グループの判断時に無視されるベーシックなTermのみ付与されるタイプのPreferred Stock)はその性格がDebtに近いということでExcise Tax目的ではStockに当たらないと規定された。またVanillaでなくてもExcise Tax可決(2024年8月16日)より前に交付されたPreferred Stockのうち、償還が義務つけられていたり、HolderにPut Optionが付与されていたりするケースの償還はExcise Tax対象から除外するとされた。

LBO/Take-Private/企業買収

Leveraged Buyout(LBO)やTake Privateのストラクチャリングは一つじゃないけど、もう何十年もベーシックなストラクチャーは同じ。LBOの「L」のLeverageはバイアウトファンドによるターゲット買収対価の一部で、メカニクスとしては通常、Debt Commitment Letterに基づきTransitoryのMerger Subが借り入れ、ファンドがEquity Commitment Letterに基づいて提供するEquityポーションにプラスされてトータル取得対価を構成する。同時にMerger Subの負債はMergerやDouble Mergerでターゲットが継承する。ちなみにバイアウトファンドによるこのLeverage導入はその昔から一貫してそのままで、ここ10年程度で定着したファンドレベルのSub LineやNAV Debtと混同しないようにね。同様にTake Privateも、TransitoryなMerger Subを介して結局のところターゲット法人の資産を原資に一般株主の持分が換金化される。双方共に(LBOのケースではDCLに基づく部分Debt部分)株式取得対価をターゲットが負担してるんで税務上は「Redemption」と位置付けられ、多くのケースで302(b)(1)下で「Payment in exchange for the stock」となる。Sub Cの世界ではこのExchangeは明らかにsection 317(b)のRedemptionに当たる。となるとメカニカルには条文定義的にExcise Taxの対象になるんでNoticeや規則草案ではLBOやTake Privateのターゲット取得対価もExcise Taxの対象としていた。所謂自社株買いプログラムとは似つかない取引だけど、4000番台のExcise TaxにSub Cの定義を流用した制度設計の弊害のひとつで、納税者からは趣旨的に対象外ではないかっていうコメントが寄せられていた。

最終規則では法人株主構成を根本的に変えてしまうタイプの取引は、議会がExcise Taxの対象と意図していた自社株買いとは似つかないとしてExcise Tax対象外としている。またLBOやTake Privateに加えて、企業買収取引のケースではそもそも単独法人のCorporate Financeの域を超えてるとし、適用対象法人がM&Aその他のCorporate Transactionを介して適用対象法人でなくなる(すなわち上場企業ではなくなる)取引はExcise Tax対象外としている。結果としてLBOや法人買収時に対価の原資をトラッキングしたりする作業も不要となった。Section 355適格スピンのうち、Pro-RataのSpin-offではないSplit-Offに関しては引き続き条件付きでExcise Taxの対象とされる。Split-OffはCorporate Finance的にも経済的にもRedemptiveな取引(にもかかわらず355適格の場合にはDistributing法人レベルでControlled法人株式の含み益に課税ナシになるんでとても強力)なんで、こちらがExcise Taxの網に掛かり続けるのは、買収型の取引との比較で仕方ない観がある。

そしてFunding規定不採択

Funding規定はNotice時の規定は言うまでもなく、規則草案で「substantial modification」された後も完全撤廃を求める声は後を絶たなかった。それでも政権交代前にカンファレンスでIRSのChief Counsel Office高官が発言してたのを聞いた際は「いろんなNoiseはあるが、規則草案で緩和したんで合理的」って感じだったけどね。反対の理由は多岐に亘ったけど主に次のようなもの。Excise Tax導入以前から恒常的に実行している取引にもかかわらず新たなコンプライアンス負荷が高い、米国子会社による親会社への配当、貸付その他の資金供与の主たる目的のひとつが親会社の自社株買いをFundingっていう認定はどのタイミングで行うのか、また誰の動機なのかが不明、ルール適用有無の基準が不明確、親会社側の多岐に亘るFunding源泉有無が加味されない、など。最終規則では「これらのコメントに基づきFunding規定は採択されない」と極めてシンプルにバッサリ。

ということでExcise Taxの最終規則でした。年末が近づいてきたんで次回は恒例のゆく年くる年。その後、De-RegulationsおよびOB3で続けます。

Sunday, December 21, 2025

OB3と米国税法その後

とてつもなくお久しぶりです!公私ともにかなり忙しく、いつの間にかもう直ぐクリスマス。今日のNYCは朝から「12月の雨」。

なんでこんなに忙しいんだろう、ってチョッと立ち止まって振り返ってみると、まずUS Taxに関しては主にOB3可決後の詳細整理、現政権によるかなり徹底したDe-Regulation動向、そしてようやく活発になったM&A対応、とか満載でハイテンション。こんな風に過ぎ去っていく時間は二度と戻らないし、グローバル経済や米国や米ドルの世界における位置づけも大きなリセット、AI絡みの産業革命とか、ローマ帝国末期じゃないけど凄い時代を生きてるって実感して過ごさないとね。この時の経つスピードって単に歳のせい?まあ毎日ハイテンションだったとしても、時はいつの日にも親切な友達。過ぎてゆく昨日を物語にかえてくれるからね!

OBBBA(OB3)

OB3関係ではSuper-chargeされたFDDEIの使い方、CFCの持分を期中に譲渡した際の買い手と売り手間Sub FやNCTI(旧GILT)のInclusion計算、CFCやUS Shareholder認定時のDownward Attribution禁止復活とその代わりに8年遅れで導入された新たなDe-Control対抗措置、各規定の導入タイミング、多くの規定の相互干渉にかかわるモデリング、とかいろいろと考えることが多い。

税法、特にクロスボーダー課税の基本構造を根本的に改革した2017年のTCJAとの比較で、OB3はTCJAのフレームワークはそのまま温存し、2025年末で改定がImbedされていたものの多くを恒久化してるんで目新しさに欠ける。だけど詳細を見ると結構Game Changerで、とにかく金額の規模的なインパクトは大きい。

また、TCJAの恒久化に重ね合わせて、OB3には現政権およびMAGA政策の柱の一つ「America First」および「Parallel Prosperity」的な規則も盛り込まれている。Parallel ProsperityはScott Bessent財務長官が頻繁に口にする用語で、ニュアンス的にはGlobal経済で資本家クラスは潤った反面、取り残された観の強い一般Peopleにも再度、繁栄の機会を与えないといけないというもの。同時に国家安全保障の観点から最低限のものは自給可能にしないと…、という意図を反映している。グローバル経済のリセットは複雑で、また2年間の短期サイクルでManageされる米国ポリティクスの時間軸で達成するのは至難。意図はいいかもしれないけど実現可能性はどうでしょうか。経済学者や専門家による議論はいろいろあるけど、過去のコメントとその後実際に起こったことを比較してみるとまず当たらない。コロナ禍の頃、専門家が予想していたことを振り返ると笑ってしまう。結局経済のRegional化やAIで経済や雇用がどうなるか、等も含む先のことは誰にも分からないってことだね。

De-Regulations

De-Regulationは税法ばかりでなく、エネジー政策、独禁法、証券法、金融を含む広範な領域で実行されている。規則撤回や緩和のスピードは速く、第一次トランプ政権との比較で徹底してる。

税法面でも過剰な規則の迅速な撤回が目立つ。バイデン政権末期に滑り込み的に最終化された財務省規則のうち、策定権限、条文との整合性、等に関して疑問が呈されていたものが次々撤廃された。これらの規則の考え方が政策として合理的かどうかって観点に加え、有権者に選ばれて法律を可決する唯一の府である議会ではない行政府側にそんなルールを策定する権利はないんじゃないかっていう点は以前のポスティングで複数の規則に関して触れたけど、それらが次々撤廃。

例の自社株買いのFunding規定も結局お蔵入り。自社株買いに関してはM&Aに影響がある緩和も盛り込まれて「ええ、こんな取引も対象?」っていう驚きが少なくなった。他にも以前13回に亘る長編シリーズ「FIRPTAアップデート(DC REIT、外国政府、外国ペンションファンド規則案)」で触れた「DC REIT」判断時に米国C CorporationをLook-throughするっていう「え~C CorpをLook-throughしちゃうの??」っていう驚くべき規則もRollback。またDual Consolidated Loss(DCL)適用判断時にP2のQDMTTをForeign Use(15%以上の税率でQDMTTになってなくても‼)にするとか議会の立法趣旨とはかけ離れた規則、また新たにDCL規則に追加されていたDisregarded Payment Loss(DPL)ルールもDCL適用時の「本店とDRE間」の取引に対する考え方を逸脱してたんで「何コレ~?」って思われてたけど、これらも廃案。パートナーシップ税制に基づいて強制的に簿価調整させられる取引に関する広範な報告義務や条文に規定されている簿価調整を政策的に認めないっていう規則も撤廃。他にもCAMTのパートナーシップのBottom-up法の撤廃とか、ここまでやってくれるとは…。

こちらはDe-Regulationsじゃないけど、SWFを含む外国政府の取り扱いで納税者にありがたい規則、特にControlled Entityとしてsection 892のForeign Governmentの恩典を受けている主権のExistential Issueとも言える世界中どこかで微塵のCommercial Activityがあってはいけないっていう厳しいルール適用時の規則、が最終化されている。また米国外上場企業がUS Parented Groupに転換されるDomestication取引(Inbound F再編)に適用があり得、実務的にDomestication実行の障害になり得るFIRPTA課税の緩和策が規則草案化される旨のNoticeが公表されている。US Parented GroupだとP2から免除されるSide-by-Sideを見て米国企業に転換したいっていう話しも聞くけど、それよりも資金調達アクセス面での動機が強いように感じる。取引所のルールは専門じゃないんでForeign Issuerのままだとどんな支障があるのか良く分かんないけど、投資銀行の人と話すと結構頻繁に出てくる理由が米国法人になることでIndexに入れてもらうことができるっていう理由。いろいろあるんだね。

M&A

マーケット動向としては、バイアウトファンドやVCのExitを含むM&Aが「ようやく」復活。Parallel Prosperityとは不整合かもしれないけどWall Streetはまたしても絶好調というか元気いっぱい。ここ何年も見なかった大型のHostile Takeoverも登場。Warnerのケースはチョッと経緯が特殊だけど、Hostile Bidって通常はDDできないし、ディフェンスとしてPoison Pillが採択されたり、Poison Pillがなくても結構な法人はClassified Boardって言って株主総会で改定できるBoardメンバーは一年当り3分の1が上限っていう定款になってる。Classified BoardだとBoardのMajorityを取るのに1年超掛かる。Hostile Bidする側でBidを1年もオープンにしてSurviveできるCEOはいない(?)だろうからClassified BoardはPoison Pillよりも有効な対Hostile Bidディフェンス策って考えられる。

話題のWarnerのケースだと、最新のProxyを見る限りClassified Boardは2025年に廃止されてる(つい最近)。またPoison Pillも正式に採択されてないみたい。ただPoison Pillって「Shelf化」って言ってHostile BidがRealになった場合には必要に応じて即採択できる準備をしている企業が多いからWarnerもそんな状態にあるのかもね。Hostile Bidって米国でもTOBって言って80年台は活発だったけど、Poison PillとかClassified Boardのせいかその後余り聞かなくなった。2008年のGFC以降、例外的に存在はしたけど実務的なチャレンジが多く、またHostileで始まっても結局Boardが折れて「Friendly」Dealにいやいや転換するケースが多い。

「Hostile Bid少ないって言うけど、Activist Hedge Fundは頻繁に上場企業の株式を買い占めてるじゃん」って思うかもしれないけど、Activist Hedge Fundが2~3%とか5%とかのポジションを取る際にWhole CompanyをTake-Overするっていうような意図を持っているケースはほぼないだろう。つい先日のLululemonのケースも、Starbucks、Texas Instrument、Southwest、これらは$1Bを超える巨額の投資ではあるけど、5%行かないケースも多い。ただ上場企業の持分を2~3%持てばBoardとの交渉には十分。ElliottとかStarboardとかがどれくらい自社の株式を持っているかっていうのはCEOとしては日夜超気になるところだろう。Activist Hedge Fundの要求はCEOの首を挿げ替えるっていうのが多いからね。

M&Aじゃないけど、VCバックのスタートアップのExitとしては重要なIPOなんかも復活してきてる。一方でUnicornでもPublicにならない企業、または長期にPrivateのまま資金調達し続ける企業も多いよね。Open AIとかPublicになる日は来ないって言っているけどそうかもね。でもSpace Xが来年Publicになるかもって公表してビックリだった。スタートアップやUnicornのExitのタイミングに関しては、資金調達面ではVCや他の投資家がバックアップする限り支障はない。特に「AI」って付くといくらでもFundingが付く傾向があるように見える。何がAIかって言うのも特に決まりはないんでマーケティング戦略として何でもかんでもAIって付ける観はあるよね。10年前何でもかんでもCloudだったみたいに。 Late Stage企業のIPOやM&Aが遅れる際に対処が必要な点のひとつに従業員や創業者のストックオプションやCommonの換金化がある。最近はExitがなくてもTender Offerで換金化のOpportunitiesが提供されることが多い。Tender Offerばかりを専門にするサービスプロバイダーも少なくない。これらのEcosystemは必要に応じて自然に拡充していく。Capitalismの優れている点だ。

結構久しぶりだったんで現状の復習みたいなポスティングだったけど、次回からこれらの各点に関して具体的に触れていきたい。OB3からにしようか、ProvocativeなDe-Regulationsからにしようか…、甲乙つけがたいね。どうしようか~。今晩、ゆっくりElla and Bossa Beat聴きながら決めます。Ella and Bossa Beat、春に本拠地FloridaのBeachに見に行く予定にしていたけど、3月にNYCのLower Eastside、またチョッと北のTarrytownのイベントも追加されたんで近くだったらこっちの方がいいかな…。でもやっぱりFloridaのBeachが合うよね。