Saturday, January 18, 2020

絶滅種に指定されそうなテリトリアル課税対象所得(2)

NYCとか米国北東部の冬を知っている身としては、お正月明けの七草がゆ直後の1月9~10日に立ち寄った東京はとても暖かく感じられたけど、その後、NYCに戻ってビックリ。11~12日の週末は70度(℃だと20度くらい?)に迫る勢いで、1月だというのにCentral Parkで桜のつぼみが春が来たと勘違いして開きそうになっているとWSJで特集されていた。その後も温暖で、コートも持たずに調子にのって出歩いたりしてたんだけど、一週間経った今日、金曜日は氷点下まだ冷え込んでしまい、いつもの冬に戻ってしまった。それでも5~6年前に2年連続で襲った極寒の冬とは比較にならないけど、来週前半まで寒いみたい。明日、土曜日は午後小雪が舞うっていう予報だしね。そんな週末は暖かいミルクティー飲みながらMKの禁断のブリオッシュでもつまみ、もう直ぐ出そうなSection 163(j)の最終規則がどんな内容かアレコレ空想に耽るのが最高(なにそれ?)。実際には諸々のHouse-Keepingマターでバタバタすることになるんだけど気持ち的にはね。

で、前回のポスティングでは、新年の挨拶代わりに、「テリトリアル課税」に移行したはずのTCJA以降の米国国際課税システムにおいて、米国企業がテリトリアル課税の恩典を受けることができるチャンスはほとんどない、であろう点について書き始めた。

この話しの前提となるクロスボーダー課税関係の基礎的なルールだけでも数冊の本になりそうだけど、今回の話しに関係しそうな部分だけ、表面的にチラッと触れる、米国では分配がないにもかかわらずGILTIやSub Fで米国株主が合算課税される場合、CFC側の留保所得が「課税済留保所得」、すなわち「Previously Taxed E&P、略してPTEP」(「ピーテップ」っていう発音)となる。TCJA前はPTIって言ってたんだけど、TCJA直後からPTEPに変わってしまった。基本的に内容は一緒。

このPTIやPTEPの世界は深淵で、2006年に財務省規則案が公表されてるけど結局今日まで最終化されていない。そうこうしているうちにTCJAが可決してしまい、大幅にアップグレードせざるを得ない状況に。2006年当時はあくまでもSub Fの世界の話しで、それだけでもとてつもなく奥が深かったけど、TCJA下のTransition TaxやGILTIで巨額のPTEPが課税システムに創出され、その重要性、複雑性、共に従来とは比較にならないレベルに達している。そんな進展を反映して、IRSはNotice 2019-01を公表し、暫定的なアプローチを示すと共に、2006年の規則案を実質書き直して新たな規則案を策定するとしている。Notice発行当時は2019年の秋から冬に掛けて規則案が公表される、って財務省やIRSの国際課税担当官が法曹界のパネルとかでアグレッシブなタイムラインを披露してくれてたけど、結局2020年になっちゃったね。ただ、他に先行している規則にも少なからず消化不良の部分が残っている中、PTEPみたいな複雑な規則案をこのタイミングで公表されても、実際にはチョッと困るのも事実。

で、CFC側のE&Pのうち、どの部分がPTEPに区分されるっかていうのをトラッキングする必要がある理由だけど、従来は、CFCからの分配はE&Pの範囲で配当所得となりFTCは取れるけど課税対象だったので、既に課税されているE&Pを原資とする分配は二度目の課税が生じないように管理するというのが一番の目的だった。コンセプト的には分かり易いね。テリトリアル課税になった今日でもトラッキングが必要な理由は後述する。で、ここでいう配当は、もちろん会社法上の分配に基づく配当に限らず、米国税務上、配当と取り扱われるCFC株式譲渡時のSection 1248とか、組織再編の際に配当となる部分のBootとか、も含まれる。で、PTEPの分配は配当ではないので、どうなるかって言うと、元々Sub F合算時にはCFC株式の簿価を合算額だけ増額させているので、PTEP分配時は同簿価を減額させて調整していた。

この仕組みは、従来のSub FのようにCFCを個別に見て米国株主の合算額が決まる、すなわち課税所得は単純にCFC側の属性で決定される合算システム下では、株式簿価とCFC側のPTEPが連動することになり分かり易い。一方、Transition TaxやGILTIのように、米国株主側で複数のCFCのプラスやマイナスを相殺したり、他の属性を通算するようなシステムに同じ仕組みを適用するのはとても難しく、分配時に思わぬみなし譲渡益が出たりすることがある。従来の感覚では、PTIは株式簿価があるのでTax-Freeで戻せるいい属性で、逆にPTIでないE&Pは、High-Tax Poolが一緒に付いてないと悪者、っていうイメージだったけど、TCJAで逆にPTEPでも必ずしも非課税ではないので要注意となってしまった。

で、本題のなぜ配当可能原資となる純粋な、すなわちPTEPでないE&Pが存在し得ない、または僅少か、という点に入るけど、旧国際課税システムから新システムへの移行に際して1987年以降のE&PはTransition Taxで課税されている。法的にはTransition Taxは該当E&Pを全額一気にSub Fと取り扱って課税しているので、2017年12月31日以前に開始するCFCの最後の課税年度末に全額発生したことになる。このTransition Taxっていうのは実に良くできていて、TCJAで規定されているにもかかわらず、「旧」法が適用される。CFCの課税年度の関係で米国側で2018年に課税されていてもそれは変わらない。なので全額E&Pを低税率で合算して、税率が低い分減額されるけど外国法人税Poolがフローアップする。PoolingはTCJAで撤廃されているので、過去のPoolingを使用できるのは金輪際これで最後となる。Section 956でPoolingを使おうって企んでたけど、規則案が出てダメになってしまったしね。

Transition Tax課税はSub Fだから、2017年12月末(稀に11月2日)時点のE&Pは全てPTEPになっている。しかも、他のCFCのマイナスと米国株主側でオフセットされて実際には課税されていないE&PまでPTEPにすると言う変わった法律だったので、1987年以降の留保所得は全て本当にTransition Taxで課税されている所謂965(a)PTEP、または他のCFCのマイナスで課税はされていない965(b)PTEPとなっている。ということは2017年12月時点で手つかずのE&Pは、1986年以前のものだけ。そんな古いE&P誰が持ってるの、って感じだけど、もしあればこれが1つめのテリトリアル課税対象となり得るE&P。実際にはまず存在しないだろう。実際には課税されていないのにPTEPになっている965(b)の存在は税法上異質で、いろいろな追加検討を誘発しているけど、この話しは以前にもした記憶があるので、興味ある方は昔のポスティングを覗いてみて欲しい。

そんな状態で一旦E&PとTax Poolが全額洗浄された後、今度はGILTIで毎期CFCの所得は米国で合算される。GILTIは米国株主側で加工する米国の属性だっていう点はさっき強調したけど、仮にCFCの所得がGILTIで課税されている状態だと、今後、毎期E&PはPTEPになる。チョッと面白いことに、GILTIにしても、Transition Taxにしても通常の法人税より低税率で課税されるんだけど、株式簿価はそのまま全額増額するし、E&Pも全額PTEPになる。

となると、今後もPTEPとならないCFCの所得、すなわちテリトリアル課税適格のE&Pは未来永劫生まれない、っていう厳しい現実だけど、例外が少しだけある。ここからは次回。

Saturday, January 11, 2020

絶滅種に指定されそうなテリトリアル課税対象所得

西海岸、ボストン、東京と新年早々飛び回らざるを得ないはめとなり、チョッと(大分?)遅くなってしまったけど、新年明けましておめでとうございます。2020年。日本はいよいよオリンピック。米国は選挙の年だけど、米国議会はImpeachmentとIranの2つの「I」で相変わらず混沌とした状態のまま一年をキックオフしている。今は2つの「I」かもしれないけど、今から大統領選挙の11月までには、Fake Newsも含めて毎日いろんなことがありそうだから、どんな凄い事件や争点が勃発してくるのでしょうか。

で、広範な政局の話は尽きなさ過ぎるのでさておき、国際課税に関しても2020年と年の数は変わっても引き続き考えることは山積み。2017年の税制改正(「TCJA」)絡みでは、支払利息の損金算入制限を規定しているSection 163(j)やAnti-HybridのSection 267にかかわる最終規則が近々に公開されるはずだし。Section 163(j)に関しては規則案でMNCを落胆させたCFCへの適用を一転して見送ってくれるのではないか、という期待が高い。GILTIの規則案で、米国パートナーシップの取り扱いを、概念的には立派だけど実務的な対応が困難だったハイブリッドから最終規則ではPureなAggregateに簡素化してくれてウェルカムだったように、今回もSection 163(j)のCFC適用見送りの逆転ホームランがあるのではと楽観する向きがある。財務省やIRS重鎮の最近のコメントから可能性は結構あるかもね。

それにしても2年前にTCJAが可決された当時は、皆どちらかと言うと無邪気に、米国もようやくテリトリアル課税の仲間入りを果たし、ただ、その際に過度のBase Erosion が懸念されるので、その取り締まり目的でBEATやGILTIでバックストップしているという印象を受けたものだ。可決後間もなく、実はそれはとんでもない誤解で、むしろ逆に、TCJA後の米国国際課税システムは、GILTIによりDeferralなしのグローバル・パススルーというか、グローバル疑似連結納税という恐ろしい制度が基本で、肝心のテリトリアル課税が適用される海外のEarnings(「E&P」)は限りなくゼロに近いブルーという現実にハッとしてグッと来なくて、GoodではなくBadとなった(古~)。一方でFDIIも同時に導入され、海外向けの事業所得や、IPをライセンスして受け取るロイヤルティを米国で受け取っても、理論的にはGILTI後のCFC合算課税と結局同じという税環境を演出し、米国と外国間でいわゆる「Level Playing Field」を達成している。GILTI側のみに注目する傾向にあるグローバル・タックス・コミュニティは、GILTIとFDIIが対でワークする点、またFDIIは米国を有利にしている訳ではないという点、2つを中々直感的に理解できていない気がする。このようなパラダイムシフトこそ、TCJA後の米国における国際課税システムのNew Normとなる。

ということで、今回のポスティングでは、テリトリアル課税の対象が縮小一途な点に触れて新年の挨拶(?)としたい。

米国のテリトリアル課税は、配当をいきなり非課税とするのではなく、実質同じだけど、配当は一旦全額所得として認識した後、一定要件下で100%配当所得控除(「DRD」)を認めることで達成される仕組みになっている。具体的には、米国法人が10%以上の持分を所有する外国法人、Specified 10-percent Owned Foreign Corporation、から海外源泉のE&Pを原資とする「配当」を受け取る際、12カ月の保有期間を充たせば当配当全額がDRD対象となる。DRDにはGILTIやFDII控除と異なり課税所得制限はない。12カ月の保有期間は配当権利落ち日の前でも後でも充足可能。配当後に12カ月株式を保有していれば要件を充足できるっていうのはチョッと面白いけど、場合によっては申告時点で、まだ要件の充足が確定していない状況もあり得る。また、この12カ月保有期間は、ただ保有しているだけではなく「10%株主」の立場で保有している必要がある。12カ月保有要件だけでも、Section 1248 との関係とか相当面白いポスティングになるんで書きたいことはやまやま。でも実務的には大概においてこの条件で悩むことはないかな。

例外は米国パートナーシップが外国法人の株式を保有しているケースで、その場合は誰の保有期間を見て、誰が米国株主じゃないといけないのか、とかパートナーシップをAggregateとするかEntityとするか、というお馴染みの難しい判断が求められる。従来のSub Fオンリー時代から、クロスボーダー課税における米国パートナーシップの取り扱いは鬼門だったし、CFCブロッカーみたいなイノベーティブな(?)使用法が編み出されたりしてたけど、それでもTCJA前はなんだかんだ言ってもSub Fという限られた世界の話しだったので、外国と米国パートナーシップというかなり恣意的な形態の差異で取り扱いがここまで異なるっていう法律の趣旨が良く分かんないけど、適用が限定的だからまぁいっか、みたいな世界だった。GILTIやDRDが導入された今日、概念的には同じ検討事項だけどそのStakeが著しくハイになってしまい、これ以上の放置は認められない。そんな待ったなしの状況を背景に、Sub Fにもとうとう米国パートナーシップAggregate規定が提案されているので、その辺の話しはいずれまた。

で、DRDに戻るけど、DRDの対象となる海外源泉配当に関しては、その代償に直接・間接FTCも、源泉税にかかわる外国税金の費用控除も認められない。また、配当支払い側で控除を含む税メリットを享受できるような配当は、Hybrid配当としてDRDもFTCも双方否認される。

そんなに変わった制度じゃないじゃん、って思うかもしれないけど、実はDRDの対象が米国税務上、配当と取り扱われる金額に限定されている点に大きな落とし穴がある。TCJA導入時のTransition Tax、またそれ以降のGILTIの世界では税務上「配当」と取り扱われる金額がCFCから分配されるケースは存在しないからだ。って言うとチョッと大げさかもしれないけど、存在し難いのは確か。しかも、「やった~、配当原資となりそうなE&P見つけたぜ」って偉業を成し遂げたつもりが、最近の財務省の規則で次々と適用が禁止されたりして、今では絶滅寸前。まるで、Endangered Species、すなわち絶滅危惧種に指定された生物種のよう。しかもCE+ENレベル。本当の生物種と異なり、保全活動のしようもないし。

で、なぜそこまで希少なものか、という点は次回。

Tuesday, December 31, 2019

2019年大晦日「ゆく年くる年」

2019年も残すところ数時間。日付変更線の向こう側、日本では既に2020年を迎えているはず。こちらTimes Squareは恒例のBall Dropでもちろん午後からオフィスも立ち入り禁止。立ち入りOKでもこんなややこしい日にあの辺りに行くつもりは毛頭ないけどね。Broadwayには「20」っていう大きな数字のオブジェみたいなのが設置されたりして、Times Squareもカウントダウンの準備万端整いつつある感じ。今年のカウントダウンパフォーマンスの「トリ」はPost Maloneらしい。古くは、って言っても2~3年前だけど「Congratulations」とか、それよりチョッと最近の「Sunflower」とか良いよね。最近良くプレーされる「Circles」もいい曲だし。Circlesって、てっきり「Run Away」っていうタイトルだと信じてて、「最近良く聴くRun Awayって曲いいよね?」と言っても「Run Away?」みたいな反応だったのでサーチしたらタイトルはCirclesだった。最近のMale Vocalってこういう感じの曲が多い気がする。Ed SheeranがKhalidとコラボしてる「Beautiful People」も似た感じの曲調だし。

Ed SheeranのBeautiful Peopleって、内容的にはJohn Lennonがその昔、(少なくとも米国のCapitol Records的には)The BeatlesのMagical Mystery Tourに収録されてた「Baby You’re Rich Man」で徹底的にバカにして軽蔑してるように聞こえる「Beautiful People」と同様の類の人たちを歌ってるような印象。John Lennonの歌詞に関してはいろんな解釈があるようだけどね。Baby You're Rich Manのコーラス部分はMcCartneyが付け加えたって言われてるけど、元々のJohn Lennon部分はタイトルが「One of the Beautiful People」だったそう。他にもJohn Lennonが歌うSexy Sadieとか、And Your Bird Can Singとか、Cynicalな感じの歌詞がJohn Lennonっぽくていいね。Ed SheeranのBeautiful Peopleは、米国の都市の中でもL.A.でしか感じることができない、あの独特の皮相的で表面的なバブリー・カルチャーが良く表現されてる。Rented Hummers…(苦笑)。英国出身のEd Sheeranからしてみるとその浅さにピックリだったのでは。

で、Pop MusicよりもズッとExcitingなクロスボーダー課税のここ一年に目を向けると、2019年12月で米国税制改正TCJAの可決から2年が経過したことになる。う~ん、まだ2年なんだね、TCJAは米国クロスボーダー課税の在り方を根本から変えてしまったので、それ以前の世界を思い出すのに苦労する。個人的には2017年12月22日を境にこの世の中BCとADになっているような感じ(大げさ?)。本当のBCもそうだけど、BCの世界に身を置いている時は自分がBCに居るってもちろん知らない訳だけど、2017年までのクロスボーダー課税制度と格闘してた自分たちも、振り返ってみるとそんな感じ。

普通の人にはおおげさに聞こえるかもしれないけど、ここ2年はWhole New Worldで、実際寝ても覚めて、四六時中TCJA一色だったと言える。他の規定より一足先に2017年課税年度より適用が開始されたSection 965の留保所得一括課税を除くと、GILTI、FDII、BEAT、163(j)、Anti-Hybrid、960下のFTC、諸々のその他のTCJA新規定は、2018年課税年度から適用となった。2019年は、そんな「TCJA Fully Loaded」となる2018年の申告書を実際に作成する最初の年。米国の申告期限は延長が当たり前なので、提出まで結構間が開いていて、基本12月決算となる米国法人は翌年10月15日、3月決算だと、翌年の1月15日となる。したがって、米国法人は暦年2018年12月の申告書を10月に提出したばかりだし、2019年3月期(これは2018年課税年度に当たる)を採択している日本企業米国子会社の申告書はようやくドラフトが完成している(といいけど?)ようなタイミングと言える。実際にはBE%や、GILTIバスケットに配賦する支払利息の金額が未だに定まってなかったりするようなケース満載だろうけどね。

米国法人による申告書作成コンプライアンス業務は従来から負荷が高かったと思うけど、TCJAで更に激しさを増している。一度、実際にTCJA下で申告してみることで、どれだけ大変で、かつどれだけ追加税コストが発生するのか、だいたい当りも付き、また、財務省規則も規則案も含めると徐々に大物は公表されつつあることから、今後はTCJA下のADの世界におけるOptimization的なプランニングのフェーズに入っていくことになる。考えただけでワクワクものだ。もちろん米国だけでなく、欧州等の他国やBEPS系の動きも加味して複合的な検討が必要となる。

で、今日は大晦日なので、TCJAを受けて、周りで米国MNCを担当しているチーム、DCの重鎮、NYやDCの大手弁護士事務所のタックス部門パートナー達、その他の専門家との会話から見て取ることができる、2020年以降に予想されるプラニングのトップ5リストで、一年の締めくくりとしたい。ちなみに、思いつくまま書くので順不同だからね。また、各々の検討は相互に影響があり、個々に検討しても意味がなく、全てを複合かつ総合的に、また定量モデリングしながらベストなストラクチャー等を決定していく必要がある。

【FTC】 GILTIバスケットと支店(QBU)バスケットの2つの新規導入でクロスクレジットがより困難に。しかもGILTIバスケットは繰越・繰戻不可なので二重課税のリスクが増大。Section 902のPooling廃止で毎期、GILTIやSub Fを含む各所得タイプに適切に帰属すると取り扱われる外国法人税のみがFTC対象という厳しいマッチングのNew World。これらの理由も含め、FTCプラニングは今後のますます緻密なモデリングに基づいて行う必要が増してる。GILTI後のクロスボーダー課税の世界ではFTCの最大限化は国際課税プラニングの主役になる。FTCバスケットにExcess CreditとExcess Limitationが混在する場合にはFTCの最大限化のためのクロスボーダーReorganizationも視野に入れたプラニングが開始されるだろう。他のプラニングも同様だけど、各CFCの課税ポジションやプロファイルが毎年同じじゃない部分をどう定量的に加味するかはチャレンジング。

【GILTI】 クロスボーダー課税の既成概念を打ち破ったGILTI。FTC計算時の米国内での費用配賦の関係で米国側の負担が思ったよりも大きいケースが多い。GILTIは、コンプライアンス時にとてつもなく複雑な計算を伴うが、最終規則も出て一応基本的なメカは明らかになったといえる。従来のSub Fだけの世界ではCFCがプラスかマイナスかってい言うのは余り気にならなかったけど、GILTIの世界では、Tested Lossを生み出すCFCはQBAIも使えないし、法人税もフローアップして来ない。GILTI非課税枠を作り出すみなし動産リターンから差し引かれる特定支払利息は、一定額を超えるとTested LossのCFCの額も関係してくるなど、Tested Lossが見込まれるCFCはCTBして他のCFCの支店化するなどのReorganizationの検討がいよいよ実践フェーズに入りそう。ちなみに、規則案として公表されている「High Tax Exception」がどれほど使い勝手いいものに変更されるかは、今後のGILTIプラニングを大きく左右。

【BEAT】 CFCの所得を毎期合算するGILTIの世界で、その悪影響を低減させるのは、Section 250の50%所得控除と同時に何と言ってもFTC。せっかく費用配賦とか工夫して、多額のFTCを計上することができても、BEATミニマムタックスを算定する際に、通常の税額(FTCを引いた後)と比較する修正BEATタックスにFTCは認められない。BEATミニマムタックスを支払うということはFTCが無に帰することだから、何とかBEATの適用対象にならないようなプラニングが重要となる。BEAT規定の公表当時から注目されている、SCM、CSA時の契約関係の見直し、ロイヤルティ等の費用の棚卸資産計上、適格デリバティブ、Debtの外部化、などに加え、規則案として公表されている損金算入の自己否認でBase Erosion %を3%未満とするための策の探求が続くだろう。

【キャピタルストラクチャー】 米国MNCの定石だった全ての借入を米国で行う従来キャピタルストラクチャーは、法人税引き下げ、新Section 163(j) 、Anti-Hybrid、BEAT、等の影響で再検討要になっている。Section 956を使った最後のPoolingを利用したFTCプラニングも規則で不可能になっちゃったし。Section 163(j)の規則は草案の状態にあるけど、最終化の暁にはCFCへの適用法がこのままか、また極限に広いSection 163(j)対象の「利息」の定義に何らかの緩和が見られるか、等、注目度が高い。

【M&A】 Sub CやSub Kの規定はTCJAで余り影響を受けてないけど、TCJAで中古資産でも一定要件下で適格資産には即時償却が認められるようになったことから、ステップアップの検討価値がアップ。以前から、M&Aの税務ってバイヤー側のステップアップとセラー側の二重課税回避、この2点の綱引きに基づく検討がかなり主だったと言えるけど、その傾向に拍車がかかっている。ただ、ステップアップしても償却を取れないと意味がないので、特にGoodwillとかに関してはAnti-Churningとならないよう、ステップアップのさせ方に要注意。ファンド系のM&AでRollover株主が関与する場合は特に慎重にストラクチャーを検討する必要があるし、Rollover株主に帰属する部分も含めてアップフロントに100%含み益を認識するような形態はできれば避けるように。日本企業による米国M&A時にも、ターゲットがS Corporationだったりパススルー扱いされているLLCとかのケースも多いので、この辺りはよく検討する必要あり。でも、みんなが即時償却すると税務簿価が取得時にゼロになるから、次のM&Aでバイヤーにステップアップをデリバーする際のセラー側のコストは当然高くなる傾向にあり、より慎重にモデリングしないとね。

ということで2020年も引き続きよろしくお願いします。

Saturday, December 28, 2019

863条(生産・販売棚卸資産の所得源泉地)財務省規則案 (3)

ここ2回のポスティングで、JBL、じゃなくてSection 863の規則案のうちSection 863そのものに関する部分はだいたいカバーしたので、今回はいよいよ規則案が真に意図すると思われる神髄部分に関して。

最初のポスティング「863条(生産・販売棚卸資産の所得源泉地)財務省規則案」で触れた通り、所得の源泉地は、米国の納税者にとってはFTCの最大限化、日本企業のような外国法人や非居住者にとっては、所得が米国で課税対象となり得るかどうかを判断する際の最重要検討事項のひとつとなる。租税条約を適用する前の、米国内法に基づく申告課税の対象判断は、外国法人が米国事業(USTOB)に従事しているか(または従事しているとみなされるか)、そしてその場合はUSTOBに関連していると「法的に」取り扱われる所得(ECI)は何か、というステップで検討する。その際、所得の源泉が米国かどうかは大きな分かれ道だ。所得の源泉やECIの概念は16th Amendmentの1913年とは言わないけど、1936年頃の国際課税制度、最低でも1966年くらいまで遡って税法の歴史を紐解かないと理解が進まないとてつもない法体系に基づく。もちろん、真面目にそこまで遡って話し始めると、Larry Carltonどころの話しでなくなり、一生この話題でポスティングし続けるハメになるので、ごく軽く、英語で言うところのTangentiallyにSection 863との絡みが分かる程度、と言っても相当難関だけど、触れてみたい。

という訳で、今日もSection 863の規則案が公表されて以来ハマっているLarry Carltonセットアップして・・・、と。それにしても数十年ぶりに聴くLarry Carlton。Gibson 335ってVersatileなギターだよね。歪みなしでも最高だし、Point It Upみたいに歪ませてもいいし。Larry Carltonだってもちろん他にもいろんなギター使ってるんだろうけど、やっぱりSignature的には335。Room 335とかで使っているアンプはなんなんだろう。その昔ライブで見た当時は、子供の頃Marshallの次に欲しかったMesa/Boogieを使用していたのを覚えてるけど。スタジオでもそうなのかな。335ってFusionや昔のRock’n‘Rollだけでなく、例えばFenderストラトのイメージが定着してるRichie Blackmoreとかも昔、愛用していて、Blackmoreは当然Marshallにプラグインして、ライブで最高の音質やテクニックを披露している。特に昔、海賊版や、たまにFMとかでもエアーされていたUKライブの「Wring That Neck」とか。この曲、なぜか米国では「Hard Road」ってタイトルなんだけど、YouTubeとかで手軽に動画にアクセスできる今と違い、当時は動画どころか、静止画像も見たことなかったから、Blackmoreだから当然ストラトキャスターで結構ギブソンみたいな太めの音を出してるんだな、って信じてたんだけど、その後ビデオを見る機会があったら335なんだよね。なるほどね、って感じだった。

チョッとまた変な話しになりかけてるので、早々に軌道修正するけど、米国源泉のFDAP系の所得、すなわちほぼ全ての通常所得、やキャピタルゲインがECIとなるかどうかは、資産テスト、活動テストを適用して行うことができる。これはPE帰属所得の認定に似ていて、USTOBで使用している資産やUSTOBの活動内容と照らし合わせる「事実関係」に基づく判断。なんで、法的判断とは言え、事実認定に依ることからここのConnectionは納得感がある。この部分こそ、今日我々が知っているECIの「Effectively Connected」を実現している部分だろう。USTOBが存在する場合、資産テストや活動テストの適用できない所得、すなわち棚卸資産を含む動産の譲渡益は米国源泉だと自動的にECIとなる。これは過去の遺物的な存在。さらに、米国不動産持分譲渡に至ってはFIRPTAで、他にUSTOBがあってもなくても、不動産所有自体がUSTOBでもなくても譲渡益は常にECI。

チョッとややこしいのが棚卸資産。余り深掘りすると30回シリーズとかになりそうなので、どれだけ要点絞って話せるかチャレンジングなところだけど、まず、米国人と外国人で所得の源泉地の決め方が異なるっていうのがひとつ目のポイント。ここで言う外国人は米国外法人とTax Homeが米国にない外国人および米国人も含むから要注意。日本企業の切口ってことで、今日は外国人の視点からのみ話しておくけど、外国人が棚卸資産販売からの所得源泉地を決める際、もし販売益が、その外国人が有する米国事務所に帰する所得っていう位置づけになると、通常の所得源泉地の決定法である、所有権移管場所とか、生産活動が関与するものはSection 863とか、は一切無視して米国源泉になる。このルールは正確には棚卸資産ばかりでなく動産一般に適用される。動産って言うのは、不動産ではない資産のことで無形資産を含むけど、償却資産や無形資産には更に特別な規定がある。

で、今度は動産一般ではなく、棚卸資産に限定して、仮に米国事務所に帰する所得でも、同時に米国外の事務所が重要な関与をしていて、かつ棚卸資産が米国内消費ではない場合(なんかFDIIみたいだね)には、米国事務所ルールの適用除外対象となる。この除外規定を適用する際に勘違いしてはいけないのは、あくまでも米国事務所規定が適用されそうになった場合に、同規定から除外するとしているだけで、これをもって自動的に米国外源泉となるとは限らない点。すなわち、米国事務所ルール適用前の、通常ルールに戻るだけの話し。となると、生産に関与していない外国人にとっては所有権移転場所の話しなので、FOBとかCIFとか、たくさんある貿易実務用語、さらにそれらの用語の直後にどこのPortや工場の名前が付くか、とかIncoterms系の知識が求められることになる。

米国事務所に帰する所得のくせに、米国外事務所が同時に重要な関与を持つってどういうこと?って思うかもしれないけど、ここで言う「重要な関与」すなわちMaterial Participationは比率的にMajorityやPredominantよりも低い関与でもその存在が認められるため、このような事実関係があり得るし、実際に租税条約を米国と締結していないシンガポールとか、または締結したつもりだけど米国上院が批准していないチリとかの納税者には頻繁に使用される除外規定となる。

除外規定が適用できない場合、米国事務所に帰する所得が米国源泉となるんだけど、ここからが更にトリッキー。米国事務所を有しているのか、またそこにいくらの所得が帰するのか、の判断は、外国源泉所得を例外的にECIと取り扱うECI側の規定の「考え方(The principles)」を参照して決定するように、と法文に規定されている。で、この考え方の中に、米国事務所に帰すると取り扱う所得は、米国で販売されていたら米国源泉所得となったであろう金額を上限とする、としている部分がある。う~ん難関。そもそも、米国事務所規定は米国源泉所得かどうかを決めるためのものだけど、それを外国源泉の棚卸資産販売益がECIに当たるかどうかの判断をする際のテストの考え方を流用するっていうところからして、どこまでの「考え方」を流用するのか、適用時にかなり解釈の余地が出てくる。The principleを適用するように、という規則は米国税法の条文としてはかなり珍しいと思う。IFRSとかOECDは厭わずに使用するかもしれないけど、基準が明確でないので争点となりがち。でもここではそんな概念の適用を議会が規定してしまっている。

ここまでの議論で既に相当訳分からなくなってきたのでは、と推測するので、この法体系の更なる背景とかを今後数回別にポスティングとかしても、益々混乱させてしまうリスク大で、仕方なく結論めいたフェーズに入るけど、この考え方を文字通り適用し、外国人が米国で販売する棚卸資産からの所得が米国事務所に帰するにもかかわらず、米国外で生産しているケースでは改定後のSection 863では、全額米国外源泉となるのだから、米国事務所を有している以上、米国事務所ルールは適用こそするものの、そこに帰する所得はゼロっていう取り扱いが可能になった、という納税者側の解釈というかプラニングがTCJA可決当時からインバウンド界で囁かれていた。

財務省は今回の規則案で、米国販売だったら米国源泉所得となる額を上限とするという部分は、外国人が有する米国事務所に帰する棚卸資産販売からの所得決定時に流用する「考え方」には含まれない、と断じ、そのような適用はECIそのものの考え方、その他の立法趣旨から「不適切」としている。「不法」と言い切れないところが苦しいところかもね。

ただ、米国外で生産している棚卸資産を外国人が米国で販売し、その際にその外国人の米国事務所が関与している場合には、そこに帰する所得は「販売機能」部分だけに限定するのが適正であるとし、生産部分は除外するという点を財務省規則案で明確にしている。この点の明確化は英断と言え、高い評価に値する。さらに所得の帰属先にかかわる移転価格的な不確実性を排除するため、販売機能に帰属する部分は原則所得の50%とする、とも規定している。え~、タイムトリップして、Section 863が改定される前の按分規定同様の考え方を今から取り入れるんだね。従来、旧Section 863が存在した時点では生産と販売は50%・50%で按分するのが一般的だった点は「863条(生産・販売棚卸資産の所得源泉地)財務省規則案 (2)」で触れたけど、当時は同様の按分法をインバウンドの米国事務所帰属の棚卸資産販売に適用するという一般規則はなかった。にもかかわらず、Section 863が改定された途端に、廃止されたばかりのSection 863下の按分方法を取り込む当たり、当ポジションの皮肉さを物語っている、というか異論もあるだろうけど、財務省側の解釈やResult Orientedな部分は十分に理解できる。ある意味、寛容な判断とも言えるけど、下手すると100%外国源泉になってしまうような解釈も可能だっただけに最大限の譲歩なんだろうか。

まだまだ書きたいことは山積みだけど、Playlistも後半に差し掛かかり、曲調がさまよい始めてる観があるので、Section 863の財務省規則案はこの辺にして、Lex沿いのMidtownインド街に本場美味のチキンティッカマサラでも食べに出発することにする(どうでもいいよね)。ちなみにこの規則案、公告後に終了する課税年度から適用が原則だけど、納税者の選択で早期適用も可能だそうだ。

Friday, December 27, 2019

863条(生産・販売棚卸資産の所得源泉地)財務省規則案 (2)

前回のポスティングでは、クリスマスイブ前日にサンタさんではなく財務省から届いたプレゼント、Section 863の規則案に触れた。というか、規則案を読む前に、どうやって読み物にフォーカスするための環境をセットアップするか、っていうどうでもいい話しから延々と脱線してしまった。

でも、結局何とか読むことはできて、所得の源泉地を規定するSection 863にかかわる規則案ってことで、どちらかというと低めのExpectationから始まったんだけど、とんでもない話しで、インバウンドの米国税務にかかわる自分のような者にとっては、洞察力に富んだExcitingな読み物となった。まるで、初年度特別償却を規定するSection 168(k)の規則を渋々読み始めて、特定のフルーツやナッツも適格資産なんだ~、ってチョッと眠くなり掛かった頃、実は(h)(10)、336(e)、Busted 351や355(Larry Carltonの話しし過ぎて最初335って書いてしまいました)だけど(e)のアンチ・モーリストラストで法人レベルでは課税される取引との関係とか、パススルーの743とか、M&Aノリの規定がさく裂してる部分があって急に覚醒した時とか、中学の頃、ガールフレンド、というか女の子の友達がロミオとジュリエットの映画(もちろん凄い昔のオリビアハッセーのやつ)の再上映を2本立ての1本でやってるから行きたいという話しとなり(もう一本は何だったんだろう、まさかよく見たEasy Riderじゃないよね。組み合わせ変だもんね)、確か飯田橋だか神楽坂とかあの辺のいわゆる名画座に出かけ、最初はロミオとジュリエットなんて全然期待してなかったんだけど、後半スクリーンの前に釘付けになってた時、みたいな感じだ。

で、チョッと脱線ついでだけど、ようやくセットアップも完了し、East Riverの向こうのQueens方面が赤いどころか、完全に朝になりそうな頃、Larry CarltonのShuffleプレーで、ナンとRobben Fordとの共演ライブが出てきた。自分で作るPlaylistと違って次に何が出てくるか分からないPlaylistは未知との遭遇でワクワク。Robben Fordね~。懐かしい。IRSの大きなセンターがあるFresnoや、地上最大の巨木の多くが生えているセコイア国立公園の近くWoodlake出身で、L.A. ExpressやYellojacketsで有名な、Jazz Fusionと言われているけど、Larry CarltonとかNorman Brownとかと比べると、むしろBlues、それもかなりストラクチャーされたフレーズで構成される、カチッとしたBluesギタリストって言った方が近いセンス抜群のギタリスト。

中学生高学年から高校に掛けて、渋谷とか原宿ではなく、チョッとオフな裏道っぽい隠れ家を知っているのがCoolみたいに信じてる時期があり、皆でムキになってメジャーじゃない場所を探索したりしてたけど、高田馬場とか、今思うともしかしたらかなり神楽坂方面に到達してたのかな、ジャズ喫茶(今では死語?まだあるのかな)と言われる、大概、地下の不健康そうなロケーションにあり、会話はとてもできない音量で最新のFusionとかの「レコード」を掛けてる店が複数あった。そんなお店のひとつでL.A. Expressを聴いた記憶がフラッシュバック。Back Pageとか、隠れ家だけどもう少し明るくてメジャーで格好いいカフェバーに移り気する前のフェーズ、日本の経済もまだまだこれから高度成長っていう予感を感じさせてくれてた、平和かつハイテンションな時代だ。

大音量で音楽をかけるカフェと言えば、もう少し後年だったかもしれないけど、地元、自由が丘にチャーリーブラウンって店があって、やっぱりそこも地下なんだけど、JBLのStudio Monitor、アレなんだったんだろう、4367かな、がド~ンと置いてあり、そこでどちらかというとRock系のレコードを凄い音量で聴かせてくれるお店があって、そこには一人でチョッと気分を変えて勉強したりする際とかに行ったりしてた。

JBLのモニター(要はスピーカー)と言えば、大学に進学して間もない頃、親しくしてもらっていた先輩がいて、ラディックのツインバスやジルジャンンのシンバル一杯持っててCozy Powellみたいなドラムをたたく凄い先輩だったんだけど、その先輩がナント、千歳船橋の自宅の自分の部屋にJBLの4367を置いててビックリしたのを思い出した。街中の住宅地でどれだけ大きな音で音楽聴いてるんだろう、っていう驚きもそうだったけど、JBLの4367なんて当時でも100万円とかしたと思うので、そんなお金良くあるね、っていうのもビックリだった。本人曰く、月賦で買ってて、真面目に生活してれば全然怖くないよ~、みたいな説明だった。その説明自体、良く分からなかったけど、良く遊びに行った勢いで英語で言うところのSleepoverとなり、夜中にRushとかを大音量で聴かせてもらえたので、まあいいか、って納得してた。今ではOnlineで、Google HomeとかAlexaとかで音楽聴くけど、やっぱり昔の「Turntable」で針からJBLのStudio Monitorとかを通じて聴く音の方がベターと思っちゃたりするのは昔の人、って証拠なんだろうね。

で、そのJBLの先輩はいろいろと面白い人で、別の先輩が、当時、ホンダベルノから登場したばかりの「Specialty Car」初代プレリュード、リトラクタブル・ヘッドライトになる前の初期のやつで歴代で一番Coolなやつ、を持ってたんだけど、JBLの先輩が「この車は実は走り屋にいいんだよね」とか言って、人の車だというのに自らドライブして、夜中に甲州街道から山手通りや青山通り経由で外苑の方までカウンターステアとか当てまくって、当時で言うところの深夜レストランのひとつだったO&Oとかにスペアリブとか食べに行ったりしてたんだけど、実はその先輩、免許持ってないことが後年発覚してビックリ。無免でカウンターステア当てて人の車使って公道走ってたんだね、っていうか僕もそんな車に乗せてもらってたんだね。凄い人だった。

で、凄いと言えば、財務省からの素敵なクリスマスプレゼントとなったSection 863の規則案。基本的には、2017年の税制改正、TCJAで法文そのものが改定され、納税者自らが「生産」する棚卸資産から生じる販売益の所得源泉地が、改定前は「生産場所と販売場所に基づいて配賦・按分」して決定、すなわち部分的に生産場所源泉、他の部分は販売場所源泉、だったものが、生産場所のみを基に決定という規定に変更になったことを受けて、財務省規則の更新というのが今回の規則案の建付けとなる。

でも、実際にはそんなことよりも、Section 863の規則変更を利用したプラニングに早々に網を掛けたかった、というのが真の狙いだろう。この点は後述。

まず、Section 863が源泉地を決定する所得だけど、「米国内で生産され米国外で販売」、または逆に「米国外で生産され米国内で販売」される棚卸資産から生じる販売益となる。米国内や米国外で生産も販売も双方完結している取引に基づく所得は、当然、全額米国源泉だったり、米国外源泉だったりするからSection 863の規定の対象にはならない。

上述の通り、TCJAでSection 863が改定される前は、Section 863対象の棚卸資産の販売益の所得源泉地は生産場所と販売場所に基づいて配賦・按分と規定されていた。その際、法文そのものには具体的にどのように配賦・按分するべきか、という算定法は規定されていなかったけど、旧来の財務省規則で原則は50%・50%、納税者の選択で「会計帳簿および記録類」等に基づく個別配賦も可能というアプローチで、基本的には50%・50%で按分するのが通常だった。それがTCJAで生産場所のみを見るように変わったというものだ。

例えば、米国企業がベトナムで自ら生産し、米国で販売している棚卸資産があったとすると、そこから生じる所得は、従来、50%米国外源泉所得(生産部分)、残りの50%は米国源泉所得(販売部分)だったものが、改定後のSection 863では全額外国源泉所得となる。逆に米国で生産し、外国で販売している棚卸資産に関しては、従来は半々だったのが、改定後のSection 863では全額米国源泉所得となる。

生産活動が全て米国外、または米国内の場合にはこのルールだけど、生産活動そのものが米国内外の双方にわたる場合もある。で、そんな時は改定後の863条でも所得を按分する作業が必要となる。当然、従来から同様の事実関係は想定されていて、その際は、生産設備の税務簿価に基づいて按分することってなっていた。今回、規則案では、税務簿価に基づく按分法は継続して適用するとしている。ただし、TCJAで初年度特別償却が中古の生産設備の多くに適用されることとなり、特別償却やMACRSは主に米国外で使用される資産には適用がないことから、通常の償却法を基に税務簿価を算定すると、自ずと国内生産設備の税務簿価がより圧縮される結果となる。となると、所得の多くが経済的には不合理なレベルで外国源泉に按分される懸念が生じる。そんな背景で、按分の基として使用する税務簿価は、定額法に基づく特殊なAlternative Depreciation System(「ADS」)ベースに変更となった。GILTIもFDII目的でもADSベースの償却が必要だから、納税者としては最近ではADSはすっかりお馴染みだね。

ここまでは、フ~ン、そうなんだね、って感じの規定だけど、この後に続く、非居住者が米国外で生産した棚卸資産を米国内で販売する際の取り扱いこそが今回の規則案の神髄だろう。この話しは、ECI課税の詳細を理解しながら考えないといけない、実は超Deep Purpleなもので、ブログのポスティング位では到底解説し尽くせるものではないんだけど、基本的な背景に触れ、それがなぜSection 863の新規定の影響を受けたりするのか整理してみたい。今回もJBLとかで脱線してしまったのでここからは次回。

Wednesday, December 25, 2019

863条(生産・販売棚卸資産の所得源泉地)財務省規則案

クリスマスイブからクリスマスにかけてマンハッタンは最高のお天気で、気温も40度台(℃で言うと10度弱)とNYCにしては暖かく、普段の喧騒が嘘のような静かな街をドライブしたり散歩したり、NYCの魅力を満喫できるホリデーとなった。NYCって道は汚いし、インフラもボロボロ、混んでて天候も良くないので、観光とか出張で来ると何コレ、みたいな印象を受けることがあるかもしれないけど、しばらく住んでると他の都市では感じることができない「No one cares who you are」的なLiberation感覚にはまり、なかなか脱出できない体になってくる。いろんな意味で厳しい環境の街なので、誰もが直ぐに好きになる場所じゃないけど、高層ビルの数、世界各地のレストランの豊富さ、金融センターとしてここを通過するお金の量、その他の物質面だけでは計り知れないLiberateされたスピリット面で、世界でも特殊かつ究極のUrban Cityだと思う。また米国税務のような業界に身を置くには、税務専門のプロフェッショナルだけでなく、M&A弁護士や投資銀行等のInfluencer的な方たちとかと常にライブで情報交換できる点も大きな魅力。DCからも近いので政府系の方たちもしょっちゅうイベントに参加してくれるし。彼らを見てると今日も厳しいマンハッタンだけど、もっと修行しなきゃっていうモードにさせてくれるものだ。

一方のカリフォルニアのMDRはというと、今週はどちらかと言うと寒めで、最低気温がNYCの最高気温と同じ位まで下がったりしてる。裏のBike Pathを抜けてBeachの方に散歩する道も、50度台だとなぜかとても寒く感じる。Midtownで50度台だと暖かすぎる感覚に陥ったりするのでこの差は不思議。こちらはNYCみたいなUrbanなLiberation感覚はないけど、乾いた空気でLazyなRetirementモードにさせてくれる。

そんなLazyなホリデーの予感も、クリスマスイブ直前に公表されたSection 863の財務省規則案で台無し。年の瀬も押し迫ったこの期に及んで、こんなニッチな規則案を公表してくるとは。しかも何回も読み直さないと危なくて、これだけの理解で一生掛かりそうなSection 865との関連に触れてくれていて、863と865のInter-Actionにかかわる議会の立法趣旨、財務省の以前からの解釈、などノンフィクションの歴史が盛沢山で、863条のくせに(?)って油断して読み始めた割にInbound系の課税関係を考える上でとても役立つ思いの外凄い規則案だった。

で、公表を受けて早速、熟読せざるを得ないはめに陥ったけど、この手の面倒な規則を読むのは夜明け前の一時がピッタリ。East Riverの向こうのQueensから日が昇り始める前に、コーヒー(EYのNYC事務所のみんなはどんなコーヒーか分かるね)とSpotifyでBGMもセットしてフォーカスっていうパターンだけど、今日のコーヒーはブラジルかコロンビアかさんざん迷い、かつShuffleプレーも、集中度を増すため歌詞のない早朝向きということで最終的にはJim HallかLarry Carltonに絞りこんだものの、こっちもさんざん迷って、なかなか規則に辿り着かない。

Jim Hallは言うまでの無い大御所。Larry Carltonは今思えばCAのTorrance出身なんだよね。Steely Danとかのイメージが強いので、ノリはニューヨークっぽいけどね。ハリウッドに自ら作ったRoom 335で多くのレコーディングをしていたギタリストだ。まさしくそのスタジオ名を曲名としているRoom 335で始まるアルバムが有名だけど、それまでのCrusaders、Steely Danとかその他のスタジオワークとかに魅せられてた友人も多かった当時、あのアルバム、特にPoint It Upとかは、賛否両論で、喧々囂々だったのを覚えてる。個人的にはめちゃイケてる曲でテクニックも抜群でいいじゃん、って思ってたけど、人によってはロック過ぎるというか、フュージョンっぽさに欠けるというか、アル・ディメオラに対抗するような速弾き過ぎるというか。未だ子供だった当時はいろんな見方があったけど、歳とって落ち着いて聞いてみると、Point It Upや同じくロックっぽいリフで似たようなタイトルのDon’t Give It Upも、目くじら立てる必要もなく、アルバムにはちゃんとNite Crawlerみたいなメローなナンバーも入っていて、他の曲も合わせて総合的に考えるとアルバムとしてバランスが取れている逸作。特にオープニングのRoom 335はピッキング・ハーモニクスの使い方や、チョッと敢えてもたった感じのBending(日本語のChoking)が最高。他にもボーカル入っている曲もいいしね。最高過ぎて聴き入っている間に規則案読むの忘れそうになって、Queens方面の空が赤くなってきてしまった。

で、米国税務をかじったことある人なら、863条って聞いただけで、860番台前半に位置することから、所得の源泉地にかかわる規定だな、っていうことは条文読む前から当然理解できるはず。所得の源泉地決定は米国の納税者にとってはFTCの枠をどれだけ最大限化できるかっていうプラニングのキーだし、日本企業のような外国法人や非居住者にとっては、所得が米国で課税対象となり得るかどうかを判断する際に重要な検討事項となる。インバウンドの課税を検討する際、米国源泉所得にならなければFDAPにはならないので源泉税の対象にはならないし、外国源泉所得がECIになるケースはかなり限定的なので、まずは所得、Gross Incomeベースで源泉地がどこになるかの検討が最重要マターだ。

米国法人にとってTCJA以降のクロスボーダー課税の弊害を最小限とする一つのキーがFTCだから、所得の源泉地決定、その後の費用配賦・按分にかかわる検討は従来にも増して重要となっている。課税関係そのものを規定している条文や考え方は熟知しておく必要があるのは当然だけど、所得の源泉地、資産、特に株式の簿価、E&PやPTEP、とか一見脇役っぽい検討が実は主人公同様に課税関係にインパクトを持つことも多い。

それにしても、年の瀬も押し迫るこのタイミングでこんな規則案を公表するあたり、Section 863の改訂に基づく、外国法人のECIプラニングに早々に網を掛けなくては、という財務省側の意欲が見え見え。Section 863が改訂された当時から、外国法人による棚卸資産の販売益かかわる従来の取り扱いとの整合性の検討、および新規定を適用して、外国法人が米国外で生産している棚卸資産の販売益を、外国法人が米国に事業所を有しているにもかかわらず全額外国源泉として、結果としてECIではなくして米国申告課税の対象とならない、とするようなプラニング検討が密かに盛り上がっていたので、財務省の動きは的を得ているし、その感度は抜群。こんな的を得た対応策をタイムリーに講じることができるのも、法曹界、Big 4、業界の代表等との多くのパネルディスカッション等に財務省が普段から参加しているからならでは。更に規則案では、わざわざご丁寧に外国法人がこの手のプラニングに基づき、米国外で生産する棚卸資産販売益を、米国事務所が重要な関与を持つにもかかわらず100%国外源泉として、結果としてECIではないというポジションを取っている場合には、税務調査でチャレンジする可能性があると明言している。う~ん、なかなかDirect。

Larry Carltonとかで話しがそれたので、規則案の内容そのものは次回。

Thursday, December 12, 2019

BEAT財務省2019年「新」規則案(損金算入自己否認)(2)

前回のポスティングでは、BEATの2019年「新」規則で提案されている、BE%を3%未満とするため納税者にBase Erosion Benefitを構成する損金を「自己否認」する選択を認めるという寛容な取り扱いに関して触れ始めた。今回はこの選択の具体的な規定に関して。

BE%のオサライだけど、これは各課税年度に認識されるBase Erosion Benefit額を分子、損金算入される費用総額を分母として算定する%。どれだけ派手にBase Erosionに従事しているか、っていうのを計るための物差しと考えるといい。$500Mの売上基準と並んで、BE%が3%以上(銀行・証券会社を含むグループは2%)となるとBEAT適用対象となる重要な基準値だ。また、BEAT適用対象判断と並び、NOLを認識する課税年度のBE%は、当NOLを使用する将来年度におけるBEAT算定時にNOLのどのポーションがBase Erosion Benefitになるかという判断にも使用される。さらに、BE%は特定合算グループ単位で算定され、一旦特定合算グループで算定されたBE%は各法人または連結納税グループに強制適用される、という複雑な規定がある。Base Erosion Benefitっていうのは損金算入されている費用のうち、外国関連者への支出を基にしているもの。

財務省が、今回の新規則で自己否認を容認する提案をしている法的なバックグラウンドだけど、米国で課税関係を検討する際、様々な状況で、特定の費用が税法上「Allowable」なのか「Allowed」なのか、っていう差異に着眼しないといけないことがある。たかが「able」と「ed」の違いじゃん、って気に留めないで分析してしまいがちかもしれないけど、運命の分かれ道になることがある。BEATを算定する際の、NOLの取り扱い、すなわち繰り越されたNOL全額を使うのか、通常の法人税計算で使用したNOLのみを使うのか、という検討もある意味これで解釈が分かれるところだった。他に、一番分かり易い例としては、償却と資産の簿価の関係を挙げることができる。例えば、100で取得した資産に対して税法が認める、すなわちAllowableな償却が初年度50あったにもかかわらず、納税者側で30しか損金算入、すなわちAllowed、していないとする。償却後に70で当資産を売却したとすると、納税者の計算では70の税務簿価が残っているはずなので、譲渡損益はゼロとなる。ところが譲渡損益を計算する際の税務簿価の定義は「Allowable」な償却で算定すると法律に規定されているので、実際には簿価は50となり、譲渡益が20発生することになる。

それってBE%算定時の損金算入の自己否認と何か関係があるの?って言うと、これが大いに関係する。Base Erosion BenefitとはBase Erosion Paymentのうち毎期実際に損金算入される金額で、多くのケースのこの2つの数字は特定の課税年度内で同額。金額に差異が生じるとすると基本的にはタイミング差異で、例えば、ある課税年度に行われた外国関連者に対する支出、すなわちBase Erosion Payment、の費用計上タイミングがAll Eventテストその他の理由で翌期となる場合、Base Erosion PaymentはYear 1に発生しているが、Base Erosion BenefitはYear 2となる。もっと極端な差異は、外国関連者からの資産取得。Year 1に150で資産を取得し、仮に当資産が15年償却だとすると、Year 1のBase Erosion Paymentは150だけど、Base Erosion Benefitは10だけだ。Year 2以降はBase Erosion Paymentは存在しないけど、償却を続けているので、Base Erosion Benefitは引き続き毎期10計上される。

BEATの法律上、Base Erosion PaymentとBase Erosion Benefitは別々に定義されているけど、もちろん密接にリンクした概念だ。Base Erosion Paymentは最終的に損金として「Allowable」、すなわちいつかは法的に算入対象になる得る、支出と定義される。なので資産取得もその年には損金算入が全額認められなくても、全額立派なBase Erosion Paymentとなる。ここからが面白いんだけど、Base Erosion BenefitはBase Erosion Paymentのうち、特定の課税年度に「Allowed」された損金算入、すなわち実際に損金算入した金額、と定義される。勘のいい皆様は、これが今回の損金算入自己否認の法的なフレームワークとなり得ることに気づかれたと思う。法的に損金算入が可能な金額、Allowableな金額でも、納税者が損金算入していなければ、Allowedでないとも考えらえることから、BE%の算定時に加味しなくてもいい、というポジションはBEAT導入当初から摸索され始めていた法的ポジションだ。もしBase Erosion Benefitの定義もAllowableだったら、このようなポジションは法的にサポートし難かっただろう。議会がこの2つの用語を、BEAT法をドラフトする際にどの程度意識して使い分けしていたかは知らないけど、Section 59A(c)(2)と59A(d)(1)という極めて近距離にある条文2つで敢えて別の用語を使用している訳だから無意識に選択しているとは思えない。

とは言え、法文だけをベースに損金算入を自己否認してBE%を2.999%とかにするのは結構勇気がいるので、財務省規則でこの点を明確にして欲しい旨のコメント・リクエストが寄せられていた。このポイントは大本の2018年財務省規則案では取り上げられていなかったので、今回新たな規則案として公開し、更なるパブリックコメントを経て最終化される運びとなった。

で、2019年新規則案では、規則上で除外としている特定の状況を除き、米国税法全ての目的で損金算入されないという条件でBE%目的でも損金扱いしないでもよろしい、という選択を納税者に与えている。二枚舌は禁止ってことだ。日本的にはそりゃそうでしょう、って思われるかもしれないけど、米国企業や税務アドバイザーは法的解釈が可能であれば、極限に挑んだりするので、税務処理変更の利用との絡みも含め、規則案ではこの辺りに結構細かく釘を刺している。損金不算入の効果を取り込まない、すなわち、あたかも損金算入されたかのような取り扱いをするのは、E&Pの計算とか、FTCの枠の計算時の支払利息の配賦とか、かなり限定的。

ちなみに損金不算入を選択する対象とする金額は外国関連者への支出を基に計上される損金。それ以外の損金を自己否認してしまってはBE%の分子はそのままで分母が減ってBE%が高くなってしまうので逆効果。なんで、必ず分子に計上される損金を自己否認し、分母も同額減額されるので、それで%がどうなるかっていう試算をしないといけない。もともとBEATは大手法人のみを対象としているので、費用の額がそれなりに大きいところが多く、%を目に見えて動かすには結構な大きな額を否認せざるを得ないだろう。例えば、丸い数字で、損金算入総額が元々$1Bあり、4%のBE%、すなわちBase Erosion Benefitが$40Mだとして、これを例えば2.9%に減額させようとすると、$11M強の損金を自己否認しないといけない。もちろん実際には2.9%にまで落とす必要はなく、2.9999%でいいんだけど。$11Mの損金がなくなるっていうことは、通常の課税所得、BEAT算定目的の修正課税所得、双方共に$11M高くなり、FTCを含む諸々のクレジットの計算に影響があったり、多岐に亘る影響があるので詳細なモデリングに基づく検討がMust。州によっては連邦税法に基づいて算定された課税所得を出発点として、州税を算定するところも多いので、それらの影響も加味する必要が出てくる。BE%は特定合算グループ単位だから、誰の損金を否認するのかグループ内で揉めないようにね。

規則草案は早期適用が認められるので、2018年の申告書でも利用できる。既に申告書を提出してしまった場合には修正申告ができる。更に面白いのは税務調査の段階でも損金算入自己否認の機会が提供されている点。例えば、2.999%と信じてたら、調査で実は3%でしたとなってしまったような場合、その場で必要に応じて調整が認めれる。かなり寛大。

最後に当選択を行う際に求めらえる開示やStatementは、BEAT計算の報告様式であるForm 8991を今後改訂してFormそのものに選択関係の情報を開示することになるそうだ。なんか至れり尽くせりな感じ。それまでは別途White Paper Statementで必要情報を開示する必要がある。

かなり納税者フレンドリーな規定だけど、BE%を3%未満することが必ずしも最終目的ではない。BEATの適用対象となっても、結局BEATミニマム税を支払うことになるとは限らないので、変な選択して、その結果支払う通常の法人税が元々のBEATミニマム税を加味した税額より多くなったりしないようにね。