Tuesday, May 20, 2025

Mega-Bill辛うじてBudget Committee通過。次はRules Committee

OBBBって命名されたMega-Bill下院法案は前回のポスティングで触れた通り、先週金曜日にBudget Committeeをクリアすることができず、再度日曜日の午後10時に再投票が行われた。C-SPANでライブ中継してたんで西海岸に居る時差も手伝って見てたんだけど金曜日に反対票を投じた共和党Budget CommitteeメンバーのDeficit Hawk派4人の侍が次々今度は「No」ではなく「Present」って言う投票(実際には口頭)。PresentはYesにはならないけどNoにも数えられないんで一票差でBudget Committee通過って言うなかなか見せてくれる展開になった。Budget Committeeの審議をわざわざライブで見るなんてこれが最初で最後かもね。

Present投票

この「Present」っていう投票法は法案に賛成でも反対でもない「ニュートラル」っていうか、態度留保みたいな意思表示だけど、投票には参加しているんで「Abstention」と異なり定足数には加味される。金曜日のNoは戦術的だったSmuckerを除く他の議員が金曜日と同じように投票するっていう前提だと、4人の侍はPresentでもBudget Committeeはクリアできる点は当然予知できるんでDeficit Hawk派にとってもCommittee通過は予定通り。

なぜPresentっていう戦術に出たかは、投票直前まで続いたMike Johnson等との交渉で、「Medicaid」の就労義務を2年前倒しで2027年から適用する点、IRAのエネジークレジット(4人の侍言うところのGreen Scam)の撤廃の前倒し、にリーダーシップが口頭で合意したと伝えられる点が理由。それらが本当に法案に盛り込まれるのを見届ける前なんでBudget Committeeは通過させるけど、まだ賛成に回った訳じゃないぞっていう状況。MedicaidにしてもIRAのエネジークレジットにしてもこれ以上触って欲しくないって言う中庸派もいるんでこのまま法案が改訂されて下院全体を通るとは限らず、引き続き夜を徹した党内交渉が続くことになる。

Rules Committee

下院本会議投票の前の最後のステップとなるRules Committeeはナンと水曜日早朝の午前1時に招集が掛かってるっていうことなんで文字通り夜を徹する勢い。そしてナンと4人の侍のコアメンバーの2人と言えるChip Roy (R-TX)と Ralph Norman (R-SC)はRules Committeeのメンバーでもある。ただ、Rules Committeeでは数的に造反が2人までだったら通過させることができるのと、NormanはRules Committeeでは反対票は投じないってMike Johnsonに伝えたっていう話しもあり、Mike Johnson的には一旦はホッとしてんのかな。ただ仮にRules Committeeを通っても本会議が控えてる。共和党下院議長って寿命が縮まるような状況ばかり。今日の午後は共和党上院に下院の状況報告っていうイベントも入っていたとのこと。

トランプ登場

そんな中最後はトランプに登場してもらわないと収拾がつかないっていうことで、どのタイミングでMike Johnsonがトランプカードを切るかっていうタイミングが注目されていた。そしてその時がついに今日訪れ、午前8時半の下院共和党カンファレンスが行われるHC-5にトランプが乗り込んだ。Mike Johnsonや中庸派の期待としてはDeficit Hawk派を制して欲しいっていうものだったはずだけど、間が悪いことに(このタイミングは偶然じゃないっていう説もあるけど)Moody’sが米国債の格付けをトップから一段階引き下げて、ますますDeficit Hawk派の懸念の火に油を注ぐことになった。

で、トランプはDeficit Hawk派、SALT派、中庸派全員に「いつまでもごちゃごちゃ言ってないで今の法案をさっさと可決させるように」ってはっぱを掛けた。Deficit Hawk派には「Medicaidとか触ってる場合じゃない(Don’t fxxx around with Medicaid)」とかSALT派のMike Lawler(R-NY)には更に厳しく「お前の選挙区のことは俺が誰よりも良く知ってるが、SALTが理由で落選するくらいだったらどっちにしても落選する」って全員の前で手厳しいコメントがあったそうだ。さすが大統領。また、いつまでも反対してる者には次の選挙でPrimary Challenge(本選挙前に党の候補を選ぶ手続きで対抗馬をあてられること)っていう罰も待ってるリスクもちらつかせたっていう話しだ。

そんな訳で間もなく午前1時のRules Committee開始だけど、ちょうどNYCに戻ってしまったしC-SPANのライブ見てる場合じゃないね。明日に掛けてどうなるでしょうか。

今日は簡単に速報でした。