Sunday, January 2, 2022

2022年、明けましておめでとうございます!

大みそかからお正月にかけてNYCは比較的温暖で大助かり。12月後半、Vermontの山奥に自主トレ(何それ?)に行った際はさすがに冷えてたけど、NYCは日中はコートなしでもOK。SOHOのピザ・ジョイントの外で美味しいペパロニを夢見て20分とか並んで順番待つ(住んでる人はどこか分かるね?)のも全く苦にならないいい感じの年末年始となりました。

一応、お正月は自分でお雑煮とか作るんだけど、海外に居ると日本だったら当たり前の食材が手に入り難かったりして困ることがある。三つ葉は何とか手に入るけど、今年はユズの調達に出遅れてしまった。この2つなしではお雑煮にならない。例年、個別にラップされた若干色の悪いユズを12月後半に日系スーパーで調達していたけど、今年はVermont修行から戻ったら既にどこも売り切れ。そこでLexと47にあるマーケットの野菜売り場の方の貴重な助言で見つけることができたのが、冷凍のきざみ生ユズ皮。既にお雑煮にのせるサイズに刻んであって香りもまあまあで合格。しおれ気味の本当のユズより良かったかもね。日本って、ユズだけでなく、かぼす、すだち、とか柑橘系が充実してる。こっちだとレモンかライムだもんね。

2020年3月にコロナ感染の増加に伴う医療機関への負荷を抑える(「Flatten the curve」)みたいな趣旨で数週間だけ、っていう話しで始まった米国のWork from Home。突然「明日からしばらくオフィスは立ち入り禁止」ってなった日を境に、時の流れに対する感覚が麻痺して、2021年も一体全体長かったんだか、あっという間だったんだか、よく分からないSurrealな時を過ごす結果となった。Work from Homeの環境は数週間ではなく、結局2年近く続いた挙句にこのまま定着しそう。まあ、ビジネストリップ、ミーティング、会食とかが普通にできるようになってるんで、普段の時間の多くをWork from Homeで使えるのは効率的でWelcome。以前からLocation Freeだった僕的には大きな違いはないけど、そんなワークスタイルがよりオフィシャルになった感じ。オフィスに行きたい人は行ってもいいのでこのスタイルが暫く続くんだろう。

米国社会全体を見ていても、South Dakota、Florida、Texasみたいな比較的個人の判断や自由を尊重する州知事下では当初から州政府や官僚による強制的、かつ気まぐれとも言える制限は最小限だったけど、州政府や官僚が州民の箸の上げ下ろしにまで介入するCaliforniaやNew Yorkのような左翼州でも、さすがに以前よりバランス感覚のある現実的な政策にシフトしつつあり好感が持てる。あのファウチですらCDCの自主検疫期間短縮に関して、ロックダウンや長期にわたる隔離措置の弊害、すなわち経済・雇用面、国民のメンタルヘルス、コロナ以外の疾病対策、ドラッグやアルコール依存、子供たちの教育、とかへの影響も考えないといけない、と発言してた。2020年にそんな発言しようもんなら「Disinformation」として徹底糾弾されたんだろうけど、まあNever too lateだから一応評価してあげないとね。

なんだかんだ言って複数の効果的なワクチンを超スピードで開発し、なし崩し的に街もオープンし、世界の他の国との比較で行くと米国はまだ自由だったんだろうね。それもこれも「Privateセクター」の頑張りのお陰で、政府やポリティシャン、官僚が役に立っている例は少ない。ワクチン開発を後押ししたオペレーション・ワープ・スピード位だろうか。治療薬も徐々にマーケットに出てきてるし、2022年はコロナのVariantとかが次々出現してもそれほど大きなニュースにはならない世界になっているだろう。

それにしても個人の自由を尊重するFloridaの成功は、以前から民主党左翼議員、メインストリームメディア、ソーシャルメディアにとっては目の上のタンコブみたいな存在で中傷が絶えないけど、そんな左翼議員も散会になると真っ先にFloridaに飛んで(カーボン使って?)、普段糾弾しているその自由を謳歌したりするんだから、ポリティシャンたちの偽善ぶりは相変わらずで笑える。厚顔無恥じゃないと務まらないよね。

2021~22年のタックスワールド

さてさて肝心の(?)タックスはどんな感じでしょうか。半分予想通り、財政規律のないバイデン・アジェンダは暗礁に乗り上げ、Built Back Better(「BBB」)は少なくともオリジナル案は頓挫。15%の会計利益ベースのAMTとかコンプライアンス負荷は凄まじいものがあっただろうから、一回落ち着いてリセットするのがいいだろう。

BBBは、Leveragedスピン規制、無価値の株式損計上を含むGranite Trust的なプランに対する規制、Inversion規制、株式Buyback規制、とかCorporate Transactionにも結構な影響があっただろうから、これらの法制化がとりあえず一旦消えたのは複雑な検討が減って一安心。特にLeveragedスピンは、スピンする資産の税務簿価の制限を気にすることなく、スピンされる法人の長期負債を使用してスピンする側がLeverageを低下させることができるので、キャピタルストラクチャーのAlignmentには有益な手法。スピンする側が非課税で法人資産を時価現金相当を対価に法人外に出しているように見えるので、General Utilities撤廃原則に反するってことで目の敵にされることがあるけど、別の見方をすれば、もともと一つの法人内またはグループ内だった2つの事業やDivisionに関して各々の最適なキャピタルストラクチャーを採択したり、正確にDebtを配賦しているケースは少なく、単純に親会社にDebtやNoteが集中しているケースが大半だろう。

スピンの際には、各々の事業にかかわるキャピタルストラクチャーを最適化する必要があるので、スピンされる側の長期Noteでスピンする側の負債を返済したりする。IRSのルーリング・ポリシー的にも、基本的にはスピンする側とされる側のトータルでDebtが増加していなければ、スピンする側が実際にDebtをExchangeしても、投資銀行が仲介したとしても、非課税スピンの枠の中で達成できる、としていたのもまさしくキャピタルストラクチャーの最適化なのか、実質資産譲渡なのかの区別をするため。BBBではこれを禁止することになっていた。

TCJA系の財務省規則は、出る出るっていう前触ればかりで、政権の交代を機にかなり滞ってたけど、BBBの沈没でリソースに余裕が出たせいか、FTCの大型最終規則が年末ぎりぎりに公表された。ず~と待ってて今年中に最初のトランチが出ると言われてたPTEPの規則はどうなったんでしょうか。PTEP超楽しみにしてんだけどね。FTC最終規則は、規則草案でDSTを想定ターゲットとしていたJurisdictional Nexus要件をAttribution要件と名を変えて採択。

OECDもようやくピラー2のIIRとUTPRの詳細を公表するに至った。こんな複雑かつ新たな制度、どれだけの国が実際に施行できるのか不思議だけどね。その結果想定される歳入増の金額と企業側の負荷が不均衡。BBBが暗礁に乗り上げてGILTIの国別計算とかも一旦白紙撤回になっているけど、どうするんでしょうか。

ということで2022年のタックス・ワールドも目を離せない。今年もよろしくお願いします。